「美味いねぇ。打ちながら飲む酒はまた格別だ。」
盃を呷り喉を鳴らしながら、石を盤に打つ鬼がいう。
「だねぇ姉者。酒好き、碁好きにとったら桃源郷みたいなもんだね。」
柄杓で盃を満たしながら、もう一人の鬼が答えた。
「で、前のより美味いかい?」
碁盤とにらめっこをしながら俺は尋ね、そして頭を掻く。
「おう、前のと違って深みがあって余韻が残る。アタイ好みだ。」
「アタシは前の方がよかったな、すっきりとしてて後味がさらっと流れるようで。」
二人の鬼が別々の好みを主張する。
深みがあり余韻が残る方が好きだとったのが姉の椿で、すっきりと後味が流れるような方が好きだと言ったのが妹の牡丹だ。
「なるほど、今度は二人とも美味いと言ってくれるような仕込みをしてみるか。」
盤を見て唸り、指した一手。
だが、相手の椿は間を置かずに次の手を打ってくるのでまた頭を掻き次の手を考えなければならない。
「おいおい、そんな渋い顔しながら打つんじゃないよ。もちっと楽しく打とうぜ。楽しくっとと、牡丹零れそうになったじゃないか。」
「すまん姉者。でも鳥丸、姉者の言う通り楽しく打たないと面白くないだろ。」
椿と牡丹はそういうが、こちらには自尊心ってものがある。
楽しくなんてそんな余裕はないんだよ。
「一理あるが、俺は勝ちたいんだよ。正々堂々と。」
盃を呷ると、椿が呆れた声を漏らす。
結局その後は十二手先に俺が打つ手がなくなり投了した。
「さて、二人とも鳥丸とまぐわうことが決まったところでどっちが先か決めようか、姉者。」
「おう、加減はしないぞ牡丹。」
「それはアタシの台詞だって。」
さっきまで座っていた場所に牡丹が座り、俺は土壁に凭れかかり二人の対局を観戦する。
局が始まると碁盤は瞬く間に白色と黒色に染まっていき、互いが何手先も読みあいっていく。
手の中には幾つもの碁石が握られ、相手が置くや否や自らも石を置き囲った陣地の石は小指で巧みに盤外へと弾きだす。
またその間も酒を飲む手は緩まず、呷っては俺の方へ盃を差し出され酌をしてやり二人は飲み続けていった。
局は進んでいくが実力が拮抗しており地数が同じで引き分けて次局へ持ち込まれる流れが続いていく。
白勝ちなんてものはなく、第九局目に来た時姉の椿の手が一瞬止まる。
見る限り下手は打っていないと思うが何かあったのだろうか。
そう思っていると二人の手は止まり九回目の引き分けが成立した。
そして第十局目、ここで椿と牡丹の雰囲気が一変し張り詰めた空気が流れる。
俺は盃が自分の方へと向かないので、樽の中から少々拝借し二人の美女を肴に酒を飲み始めた。
しかし、盤とにらめっこをしている姿を見ると出会った頃を思い出す。
仕込み用の清水を汲みに来た時に、木々の隙間を縫って聞こえてきた碁石を打つ音。
皆は聞こえぬと言っていたが俺はその音が気になり、他の者を先に帰らせ音の方へ向かうとそこには酒を飲みながら碁を打つ人外の姿があった。
本来は物乃怪を見たら逃げるのが筋だが、碁の棋譜が気になり側へと近寄っていく。
俺も三度の飯より碁が好きな碁狂いだ、人外だろうが物乃怪だろうが打ち手や棋譜が気になって仕方がない。
目と鼻の先というところまで近づいたところで二人の対局が終わり、こちらに気付かれて目があった。
まあ、その後は意気投合して碁を打ってまぐわって酒蔵の息子っていうのを話して酒を持ってくる条件で解放してもらったんだが・・・。
「終わったーっ。姉者に久々に勝てたぞ。さあ、鳥丸。おいで・・・。」
両手、両足を広げて誘ってくる勝者の牡丹。
敗者の椿は碁石と碁盤を奥へと片付けている。
俺は立ちあがると着ていた作務衣を脱いで牡丹へと覆いかぶさり酒臭い唇を奪い押し倒す。
「ちゅ・・・っ、唾液なのか酒なのかわからんな。」
「さっきまで飲んでたからな・・・。ちゅぷっ。」
絡め合い液体を交換して胃へと流し込み互いに舌を扱いて口内から劣情を高めていく。
息がかかり目が蕩けそうな表情を見ると興奮の度合いを越え魔羅がギンギンに反り返り彼女の腹を押し擦る。
「ぴちゃっ、おいおいアタシの腹に熱いのが押しつけられてるぞ。一回抜いとくか?」
顔の横で手をワキワキとさせて聞いてくるが手淫では出したくない。
「いや、射精すのならここだな。」
片手を蜜壷の方へと持っていき、秘所の辺りを触り自分が精を吐き出したい場所を指す。
優しくじらすように軽くなぞると指には濃く糸引くものがまとわりつく。
「おいおい、準備万端だな。」
「あっ・・・。そりゃ、あれだけ濃厚なのをすればな。んっ、本当に膣内で出すのが好きだね。」
「ああ
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