別に嫉妬心を刺激するようなことをしたわけではない、いつものスキンシップだ。
むしろ彼が巻いてとお願いしたのである。
「大丈夫よ、私はずっとそばにいるから……」
そんな彼を見て白蛇である彼女は彼の頭やあごの下など安心させるようにゆっくりと撫でていた。
「うん…… ありがとう」
彼は今まで何かに怯える、思い出してしまうといった発作が起きていたが彼女の優しい抱擁がそれらの症状をかき消していく。
ここで気づいた方もいるだろう、彼は精神を病んでいる。
いや病んでいたと言うべきだろうか、彼女と過ごしているうちに精神を蝕まれる前の心を取り戻しつつあるのだ。
一方彼女は男性に巻き付いている状況であるがゆえ徐々に表情が赤くなっていく。
「ねぇ、そろそろ入れてほしいな」
「う、うん そうだね」
それは彼にとっても同じようなもの、一物はすでに臨戦態勢なっており先走り液が彼女の蛇体を濡らしていた。
とは言え彼は身動きが取れない状態である。
彼女は彼の一物を受け入れるよう腰の部分の拘束を緩くし、そして受け入れた。
「んっ」
今までに何度彼を受け入れたのだろうか、それを踏まえても慣れることのできない快感が彼女の口から小さな嬌声を漏らさせる。
「ううっ」
同じく彼にとって挿入の快感は日常的なものであっても耐え難い刺激となって全身を駆け巡った。
「マイさんっ、もう出そう!」
「きてっ、カザミ君!」
カザミと呼ばれた彼、青年はマイと呼んだ白蛇の中に全てを吐き出す。
蛇体による長い長い愛撫の間に昂った心と体はカザミを一瞬で果てさせるには十分だった。
「ごめん、こんな早漏で……」
息が落ち着く前にカザミはマイに謝る。
「もう、そういう自分を卑下するのは無しって約束したでしょ?」
マイは人差し指を上に立てカザミの口元に優しく押し当てながら諭した。
「でも中学出て高校生を始める頃よりは結構強くなったよね」
クスッと笑みを浮かべカザミの頭を優しく撫でながらマイは続ける。
「そりゃ僕はいつまでも子供じゃないんだよ、大人になったのだからしっかりしなきゃ」
カザミは首を軽く振り頭部を撫でているマイの手を払いのけようとする。
両腕を蛇体に拘束されている以上自由なのは首から上だけなのだ。
「そう言って私の胸に顔をうずめているよね、そこは積極的なんだから」
「そ、それは……」
お互い抱き合うような形で蛇体に巻かれているのだが頭部はしっかりと胸に押し付けられるよう固定されているが故に首を動かすだけでマイの柔らかな双丘を刺激する形になってしまっている。
そんな状況で言い訳なんかできない、そもそもカザミはこういう巻かれ方が好きなのだから。
こうして長いピロートークを二人は行うわけである。
ここからは二人の高校生活、もとい高校性活を振り返ろう。
どのような白いドロドロにまみれた過去を持つのか。
通学も授業中も食事中も着替えるときも風呂に入る時もトイレの中でも常に一緒だった、そんな二人の物語。
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