「…グー…グー…」
「…!だ…!」
「…ぅう…むにゃ…」
「!!…だいた…フラ…が…」
「うぁ…うるさい…」
「なんだとー!わからずやのトンチキろいどめがー!」
「うるっせーぞなまいきフランがー!」
「うるさぁぁぁぁぁぁぁあああああああああいっっ!!!!」
「「ひゃいっ!」」
ザッザッザッ…
「フラン…ロイド…あれ程私の朝の眠りを妨げるなと三年前から教えて来ましたが…?」
「ごごごごめんなさいノーフェイス先生だってロイドがが…」
「フフフフランが俺の朝のミルクををを…」
「ふたりとも…歯を食い縛りなさい!」
ゴチンッ!
「何で俺まで…」
「ロイドはいいじゃん!私なんか二回よ二回!?」
頭の耳をピコピコと動かしながら犬歯をむき出しにうがーっと喚くワーウルフのフランは頭をさすりながら目玉焼きを行儀悪くてで食べる
「それぞれ一発は私の朝の眠りを妨げた分、フランへの追加はロイドの分のミルクを勝手に飲んだ分です」
右が黒く、左が白い仮面をかぶったノーフェイスは、仮面に小さく空いた穴からふたりを見つめた
「いいですか?ロイドのものを勝手にとってはいけません」
「そーだぞ!」
「だって!もっと私おおきくなりたい!」
「なら明日からはふたりともミルクを増やしましょう、それで我慢なさい」
「はーい!」
「俺もいいの?やっりぃ!」
トーストのカスを口周りにつけたロイドは明日からの朝の楽しみ増量に笑顔が三割増し
「お行儀良く食べないとげんこつですよ」
先生のお仕置き宣告に恐怖倍満、裏ドラ乗って数えである
森の中にある少し大きな家で、少年ロイドとワーウルフの少女フラン、そしていつも傷だらけの仮面で顔を隠すノーフェイス先生は三人一緒に暮らしていた。
近くにある村や、交流のある近場の魔物たちとやり取りをしあって、豊かではなく、貧困もない、暖かな生活を送っていた
「二人とも、今日は、村の教会のお手伝いでしたね。はい、お弁当です。頑張ってきてくださいね」
「うん!ありがとう先生!」
「いってきまーす!」
「はい、行ってらっしゃい」
元気良くかけてゆく二人を見送り、ノーフェイスは家の中へと姿を消した
「やれやれ、参ったねぇ…」
村唯一の宿、ベッドに体を沈め、エミリエはため息をついた
「あのマスターめ、飛んだガセじゃないか」
ぴらぴらと手の中で紙を揺らすエミリエ。紙には文字が書いてある。
『名も無き村の教会、案内人が二人いる』
「訪ねても、誰もいなかったし」
もぬけの殻の静かな教会。ずいぶん遠くへ無駄足をしたと後悔し、エミリエは寂しくつぶやく
「早く会いたいな…ネロ」
豊かな胸に押し上げられた、マントの内側から、一枚の写真を取り出す。
そこには右目の潰れた不機嫌そうな男に後ろから抱きついているエミリエの姿があった
「…はぁ」
コロリと転がり天井を見上げる
「はくじょーものめ」
カラーンと、教会の鐘が鳴り響く
「お昼か…」
むくりと起き上がり部屋を出る。適当なものでも外で食べるかと、気力のない顔で宿を出た
「ろいど〜!はやく〜!」
「待てっつーの!」
「ん…?」
何時の間にやら、無人の教会に人が集まっている。
「…紙の意味、今わかるかな?」
ちょっとした空腹を頭から消し去り、少し騒がしい教会へと足を運ぶ。
案内人の二人とやらを探し、エミリエは胸中の熱を高めた
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