それは4月の事。
下駄箱に1枚のラブレターが始まりだ。
最初は、悪戯(いたずら)だと思って気にしていなかったが。
奏 照和(かなで てるかず)は自分みたいな男にラブレターを書く物好きな女性に興味を持って会いに行く。
「・・・あんたか?俺の下駄箱にラブレターを置いたのは?」
待ち合わせ場所は、放課後の屋上というべたな場所で彼女・・・否。
魔物娘 "カラステング" がいた。
「いかにも・・・儂(わし)が貴方様、否・・・奏照和様に恋文を書き、下駄箱に投書しました」
ゆっくりとこちらに振り向く、古風な喋り方の魔物娘。
見た目は美人で "人間" ならまず告白する男子がいるだろうと内心思った照和。
「奏照和様・・・いえ、照和様・・・今ここで契りの接吻をかわしましょう♪」
ゆっくりと、照和に近づくカラステング。
だが照和は少し目線を逸らし申し訳ない顔をしている。
「わりぃ、俺、あんたと・・・き、キスはできない」
ガラスが割れる音がし、カラステングはガーンっとショックを受けている。
「な・・・何故じゃ!?わ、儂・・・のど、どこがい、いけないんじゃ!?」
「胸ですか!?尻ですか!?」と色々と尋ねるカラステング。
だが、何も答えない照和が一度大きく息を吸い、真剣な瞳でカラステングを見る。(この時、照和の真剣な瞳に思わずドキッとしたのは内緒)
「俺さ、医者になるのが夢でさ・・・今恋愛とかしたら、成績下がると思うんだ・・・」
「だから、悪い」と言って頭を深々と下ろす照和。
その真剣な姿、真剣な瞳で言葉を失ってしまうカラステング。
「も、もうい、いいか?俺、この後塾があるから」
「じゃっ」と、言って屋上を出る照和。
そして屋上で1人になってしまうカラステング。
少し腕を組み唸るように考える。
「・・・っは、これは・・・わ、儂の愛がた、足りない、ということかしら・・・」
勝手に納得し、勝手な判断をするカラステング。
そして中二病風な高笑いをする。
ただ、瞳はドス黒くなっているを除いては。
*
ガチャ、ガチャと腕と足首に鎖で繋がれ大の字になっている照和。
どうしてこうなった、と思いつつ必死に思い出そうとする。
「え、えっと・・・確か・・・」
朝、学校に向かおうとしていたら。
いきなり何者かが自分(照和)の肩を掴まれて、空中へ。
そしていつしか何処かの山へと移動して高い高度から落とされ、気絶してした事を思い出す。
「こ、ここは一体ど、どこ・・・だ」
暗い部屋だが、眼も慣れて周りを見ると・・・。
部屋には自分の写真ばかりだった。
「な・・・なんだよ・・・こ、これ・・・」
自分の写真を見て恐怖を感じて冷や汗が出てしまう。
すると、どこからかバサバサと鳥が羽ばたく音が聴こえる。
何だろうと思い顔を動かし、その羽ばたく音が何かを確認する照和。
「あ、照和様目を覚められたのですね♪」
「!?あ、あんたは・・・」
顔は覚えている、顔は覚えているが。
名前は聞いていなかったので「え〜っと」と考えてしまう。
「黒烏 宮穂(くろからす みやほ)です・・・照和様」
「あ・・・えっと、黒烏さ」
「宮穂」
突然ずいっ!と顔を寄られて、目と目が合う。
だが宮穂の目はドス黒くその目を見るだけで吸い込まれそうな感覚に襲われる。
「・・・み、宮穂さん」
「はい♪」
名前を呼ばれてゆっくりと離れる宮穂。
少しホッとして本題に入ろうとする照和。
「こ、これはい、一体な、何だ?こ、このあ、悪・・・」
「悪趣味ではありません!!」
照和が "悪趣味" と言う前に宮穂が否定する。
そして再度照和に近づいて、顔を近づかせ照和を見つめる。
「この部屋は儂の部屋で、照和様を思い作った部屋です」
いやこれは度が過ぎるだろう・・・と内心思いつつ。
少し目を逸らす照和。
「嗚呼・・・今、目の前に・・・照和様が、照和様が
#9825;」
はぁはぁと息を荒げつつ照和の体に跨って匂いを嗅ぐ。
首筋から顔へ、顔から体へと匂いを嗅ぐ。
「ちょ・・・や、やめ・・・」
「スンスン・・・この香り、この香りが儂を興奮させる・・・が、いささかメス豚臭いですが」
自慢の脚で照和の服を破り、引き裂く。
当然両腕、両足を縛られているせいで身動き取れない照和。
そして上半身を裸にさせた後、再度匂いを嗅ぐ。
「すんすん・・・メス豚の香りがする、儂の照和様なのに・・・」
どうすればこの臭いにおいを除去できるか考える宮穂。
するといいことを思いつく。
「そうじゃ、儂の体の匂いでいっぱいにすればいい♪」
「はぁ!?」
するすると、服を脱ぎ始める宮穂。
その光景に咄嗟に目を閉じて見ない様にする照和。
そして何も音がしなくなると、今度は密
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