狐火と夏祭り

夏祭り、それは夏の終わりに行われる行事。
人は普段は着ない浴衣を着たり。
射的や、綿あめ、金魚掬(すく)い等をしてその年最後の夏をかみしめる。



だが・・・それはあくまでも "人間" 界の話である。




夏休みも大詰め。
江藤 涼汰(えとう りょうた)は田舎に住んでいる祖父と祖母の家に遊びに来ていた。
田舎の新鮮な空気を吸いながら残りの宿題を終わらせて、残りの数日を田舎で過ごしていた。

そして今日は田舎で過ごすのは最終日。
祖父と祖母が最後の思い出に夏祭りに行って来たら?と言われて、夜になって外出して夏祭りをしている神社へと向かった。

「やっぱり、田舎だと涼しいなぁ」

村を歩いて神社に向かう。
祭囃子が聴こえる方向へ・・・。



「・・・あ、れ?」

気がつくと涼汰は、神社にいた。
いつの間に?と内心思いながら、周りを見る。
そこには、魔物娘と人間のカップルが目立つ。

「お、俺は確か・・・む、村をあ、歩いていたはず・・・」

いつの間に、祭り会場に?と考える。
すると、1人(?)の魔物娘が涼汰に声を掛ける。

「もし・・・お主、狐ヶ祭(きつねがさい)は初めてかや?」

「え?」

声をした後ろを振り向く。
しかしそこには誰もいなかった。

「きのせ・・・」

後ろには誰もいなかったので前を向こうとした。
だが、自分の目の前に "女の子" がいた。

「にしし♪」

「うわぁっ」

目の前に女の子に驚き、勢いあまって尻もちをついてしまう。

「くかかか、ぬし、面白いのぉ♪わっち、お主を気にいたぞぉ」

女の子が腕を差し伸べる。
その腕を掴もうか悩む涼汰。

「どうした、はよぅ掴まらんか」

何故、悩むか。
それは彼女が "炎" で、触ったらやけどするんじゃという不安があるからだ。

「心配するでないぞ、やけどなどせん」

えっへん!と胸を張る、ただし胸を張るほど大きい胸ではない事を除けば。
やけどをしないと言われて少し安心したか涼汰も腕を伸ばし手を掴みゆっくりと立ち上がる。

「えっと・・・あ、あんたは?」

「あんた、ではないわっちは狐火・・・魔物娘の狐火じゃ」

「狐火・・・」

少し観察するように相手を見る
背中の炎と同化しているのか狐火の体は、浮いている。

「これ、これあまりジロジロ見る出ない・・・欲情するではないか♪」

両手で頬を抑える狐火。
だが涼汰は「え、何言っているんだこの魔物娘・・・」と少し呆れている。

「よし決めたぞ」

狐火は自分の両腕をのばして、手を握る。
そして涼汰を見つめる、情熱的な瞳で。

「お、おい・・・こ、こには人も、ま、魔物娘もい、いるんだぞ・・・」

「構わん・・・この狐ヶ祭はそういう、祭りじゃ♪」

その情熱的な瞳で涼汰を見つめる、しかしゆっくりと顔を近づけさせて。


キスをする。

目をパチパチさせて何が起こったか、わからない涼汰。
ただ唇に柔らかい唇が当たっている・・・それだけしかわからない。

「・・・ふふふ、お主は幸運じゃ♪わっちという、嫁ができたんじゃから」

ほれ、付いてこいと言われて狐火の後について行く。
ただし、涼汰は今の状況に追いつけておらず未だに目をパチパチしているのであった。



涼汰が狐火につられて足を運んだ場所は、神社の中だった。
ただしそこには、布団が敷かれており枕はなぜか2つある。

「・・・」

片手で、顔を覆って溜息を吐く。

「・・・・明らかに初夜の雰囲気だぁアァァっ!!」

ど、どうしてこうなったんだ!?と思いながら、い、今ならに、逃げ出せるとも内心考える。
よし、そうだ逃げようと思ったその時。

「失礼します」

「!?」

さっきの狐火!?が帰って来たと思い逃げれずに焦り始める。
こうなったら強行突破と考えるがそれよりも先に襖(ふすま)が開く。

襖が開くとそこには白無垢を着た狐火がいた。
だが驚くのはそれだけじゃない何故か狐火は頭を下げている。

「今日(こんにち)から主の嫁として嫁ぐ、狐火の朱宮 緋翠(あかみや ひすい)じゃ・・・よろしくお願いします」

ゆっくりと顔を上げるとぼっ!と背中の火をつけて白無垢を燃やし裸になり勢いよく涼汰に飛び掛かる。

「うわぁ!」

いきなり飛び掛かれて驚くが何とか受け止め倒れる。
倒れて少し涼汰の顔を覗きこむ様に少し顔を上げて、キスをする。

「んん・・・ちゅレロレロ」

だが、さっきしたキスよりも情熱的なキスで翻弄されながら。
舌を絡めて互いの舌を味わう。

「ぷは・・・お主、名は何と申す?わっちは名乗った、次はお主の番じゃ」

「はぁはぁ・・・お、俺は江藤・・・江藤涼汰・・・」

「江藤・・・涼汰・・・♪よき名じゃ・・・ますます気に入ったぞ」

腕を伸ばして、涼汰の服のボ
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