大きくなったら麻尋(まひろ)お姉ちゃんと結婚するー。
あら、嬉しい事を言ってくれますね。
だって麻尋お姉ちゃん優しいし、美人だし翼とかかっこいいし!
あ、ありがとうございます・・・では小指を出してください。
小指?何するの?
こうして指切りをして互いの約束を厳守するのです。
約束・・・うん、指切りする!
・・・指切りついでに契約もしておきましょう♪
???
*
バタっと、1人の男の子がベットから落ちる。
そこでパチパチと目を瞬(まばた)きをしてゆっくりと体を起こす、早原 出鶴(さはら いづる)。
ゆっくりと時計の時間を確認をする。
「・・・まだ5時・・・」
ふぁぁっと欠伸をしながら腕を伸ばしていると。
スマフォの着メロが鳴る。
突然鳴ったスマフォに驚き慌ててスマフォを取って、電話を出る。
「は、はい!も、もしもし」
『グッドモーニングいー君』
ピクリと顔が引きつってしまう出鶴。
その理由は声の主が夫婦で海外へ行った出鶴の母親、早原 李々音(さはら りりね)の声だった。
『いー君、元気ー?こんな朝早くてごめんねー?』
「あー・・・うん、いいよ・・・ちょうど起きたところだし」
『あら〜そうなの?じゃあ、いー君お誕生日おめでとう♪』
「誕生日・・・ああ、今日誕生日だったっけ?」
そうこの日6月5日は出鶴の誕生日。
この日で出鶴は16歳になる。
『いー君、今月に仕送りするからね、そ・れ・と妹欲しいよね?』
「・・・あ〜・・・うん、無理しなくていいよ・・・」
苦笑いをしながら適当に受け答えする。
そして会話を終え通話を終える。
「・・・なんだろう、今日・・・何か忘れているような・・・」
う〜んっと考えるが、自分の誕生日以外何かあったかを思い出そうとする。
しかし何も思い浮かばずにいる。
「・・・っま、いっか」
取りあえず腕を伸ばして、服を脱ぎ学校指定の制服に着替えようとクローゼットから制服を出す。
1つ1つ服を脱いで学校指定の制服に着替え終えて自室を出て、眠気を覚まそうと洗面台へと移動する。
「顔を洗って、眠気を覚まさないと」
欠伸をしながら洗面台に向かうと、ピンポーンと呼び鈴が鳴る。
こんな朝から誰だろうと思いながら玄関へと向かう。
「まったくこんな朝早くに・・・」
サンダルを履き玄関の鍵を開けて、扉を開ける。
「はいはい、どちらさ・・・ま」
扉を開けて、訪問者を見る。
頭に角があり背中には黒く、黒い尻尾も生えている。
ただし服装はバリバリのスーツ姿で。
黒い球体に座って浮遊している。
それでも訪問者が "悪魔" という事に間違いはない。
「おはようございます、あと2分39秒の遅刻です」
ぷかぷかと、黒い球体に乗ったまま「お邪魔します」と言って、靴を脱ぎ家の中に入る。
唐突で「え、え!?」っと訳も分からずに何とか止めようとする。
しかし悪魔はまるで自分の家の様に上がりリビングに行く。
「ちょ、ちょっとな、なんですか!か、勝手に家に入ってけ、警察呼びますよ!」
「・・・はぁ」
溜息を吐き、黒い球体から跳ね降り。
ゆっくりと出鶴に近づき、そしてじっと出鶴の目を見る。
「な・・・なんですか」
ジト目で出鶴を見つめる。
だが少しづつ、悪魔の方から顔が赤くなってやがって真っ赤になってしまう。
「はぁぁい、いけません!いけませんよつーくん、私を見つめないでください」
「・・・つーくん?」
聞き覚えのある呼び方に少しだけあれ?っと思いう〜んっと考える。
そしてようやく、彼女が何者かを思い出す。
「ひょ、ひょっとして麻尋お姉ちゃん!?」
「!ようやく思い出しましたねつーくん、私を思い出すのに4分50秒遅いです」
ようやく自分の事を思い出した、出鶴の頭を撫でる多座 麻尋(おおざ まひろ)。
彼女は悪魔の中でも上位に君臨する "リリム" である。
*
黒い球体に乗ったまま、リビングで優雅にコーヒー(インスタント)を飲み。
その一方で出鶴は台所で朝食を作る
「それにしても驚いたよ麻尋お姉ちゃん、凄く美人になって最初誰だか見分けられなかったよ」
「うふふ、つーくんはお世辞が上手ですね」
「お世辞って、本当のことを言っただけだって・・・それで、どうしたのこんな朝早くから」
「うふふ・・・決まってるじゃない、つーくんとHをして子作りするために来たに決まってるじゃない♪」
ざくっと出鶴は指を切ってしまう。
「痛っ!」直ぐに切った指を口の中に入れて血を吸う。
すると、だっと麻尋は立ち上がり出鶴に近づく。
「大丈夫ですか!つーくん」
駆け寄って、出鶴を心配する。
「大丈夫、大丈夫」と言って気にしないでと言う。
「ダメよ、ちゃんと見せてください!」
「え・
[3]
次へ
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想