地〜彼女は優しく暴走する〜

異世界召喚。
それは異世界の住人が、別世界の人間を自分達の世界に呼びだすこと。
しかし、それは理を壊す行為でもある。

「勇者召喚に成功しました!」

「よく来た、勇者・・・どの?」

理を壊すとは、何が起こるかわからない。
1人の「勇者」を召喚するはずが・・・。

"複数人" が召喚されたとしても。



レスカティエ教国より北にある小国。
そこで「勇者」が召喚された。
一人は勇猛な「勇者」。
一人は知的な「賢者」。
一人は人々を癒す「聖女」。
そしてもう1人は。

精霊を使役し共に戦う「精霊使い」。
しかし "彼" は精霊を使役できず、精霊を視認さえできず。
また、呼び出す事も出来なかった。
そこで、王はその彼に森へ行き精霊を探すことを提案した。
もちろん、数人の兵士と念には念を武器も支給され次の日に森へと行くことに。
兵士に護衛されながら森の奥へ奥へと行き。
時折現れる魔物を倒したりして。
そこで彼は気づくことになる。

彼は置き去りにされ、一人になったことを。

「う、うう」

日は暮れ、気づけば夜になっている。
近衛星太(このえ せいた)は木の下で身を潜め朝が来るのを待っていた。
しかし1人ぼっちで、知らない世界という状況。
心細さと、さらに空腹。
まさに星太は極限状態。

「帰りたい、家・・・なんでこんなことに」

数日前までは当たり前の日常だった。
しかし今は知らない世界で1人。

「お腹空いた・・・喉渇いた・・・」

愚痴を言っても誰も聞いてくれない。
このまま、動物の餌になるのか?というネガティブなことばかり想像してしまう。

〈・・・ねぇ、困って・・・よ〉

〈なぁ、いい・・・姿・・・いいん・・・?〉

どこから声が聴こえる。
優しい声と血気盛んな声。

〈まだです・・・まだ私は・・・ます〉

〈でも・・・この・・・餓死・・・する・・・?〉

今度は凛とした声と、元気な声。
暗くて姿が見えない。

「だ、誰?」

右、左と周りを見る。
しかし声は聞こえるが姿がない。

「ま・・・まさかゆ、幽霊!?」

怖くなり、逃げだす。
がむしゃらにただ走る。

〈あ・・・待って〉

「もう、もう・・・もうい、いやー」

走る、走るただただ入る。
するとその先が。

崖とも知らずに。
そこで星太の意識がブラックアウトしてしまう。



頭痛がする。
他には・・・なんか重いような感覚がする。
まるで誰か馬乗られてる感じがしながら薄っすらと目を開ける。
脳がまだ覚醒していないせいか、建物(?)の中のような壁、天井があるのがわかり。
恐る恐るゆっくりと腕を伸ばしてみる、すると何か触れる。

「あん♪」

手に何かあたる、柔らかい肌触り。
それでいて冷たいような温かいような熱を感じて。
つい、むにむに、むにむにと触ってしまう。

「ん・・・く、くすぐったい・・・でも、触るなら・・・こっち♪」

両手首に何かが触れてきた感覚
冷たく少しごつごつしたような手。
その手が今度はより柔らかく、両手に収まらないくらいの丸みがある。

「ん、何この・・・柔らかいもの?」

「気持ちいい・・・もっと触って、揉んで♪」

「・・・も、む?」

さっきから、おっとりとした声がして。
星太自信、誰と会話してるんだろう?と疑問に思い目をゆっくりと開けていく。
すると見知らぬ、裸の女性(?)が星太を馬乗り状態で。
さらに星太の両手はその女性の胸をしっかりと触っている。

「・・・う、うわぁぁっ!?」

ここでようやく、意識が覚醒し両手を離す。
しかし、女性はまた星太の手首を掴んで。

「なんで離すの?もっと触っていいんだよ?マスター
#9825;」

また、胸を触らせてくる。
柔らかくて両手が沈んで、き、巨乳だ・・・と確信する星太。
こ、このまま揉みたい・・・とつい理性が無くなりそうになる。

「・・・じゃなくて、あ、あ・・・貴女は誰!?」

「私・・・?私は・・・精霊、地の精霊ノーム♪」

「せ・・・せ、精霊!?」

今まで認識できなかった精霊が、なんで今さら?と思いながら。
よく彼女ををみると土で、できた手に。
頭に木の実が生えてることがわかる。

「・・・そんなに見つめられると、興奮する
#9825;」

表情筋が動いていないが照れているのがわかってしまう。
何言ってるの!?と思いながらなんとか動こうとする。

「あの・・・で、できればどいてほしいんだけど・・・」

「やだ♪」

ずいっと顔を近づけるノーム。
じ〜っと見つめると星太の頬とノームの頬を擦り合わせ、また星太を見つめる。

「マスター、私・・・マスターと契約したい♪契約してマスターを幸せにする!んちゅっ!」

「んん!?」

いきなり唇を奪われる。
眼を見開きながら、自分の唇とノー
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