優しいショタの堕・と・し・方♪

その少年は傷だらけだった。
防具はほぼ壊されており、体もボロボロで出血も多くフラフラと歩いている。

「・・・ぁ」

ばたりと倒れて起き上がろうとしても起き上がろうとするが・・・出血量が多いせいで体に力が入らないでいた
やがて雨が降り始め体も冷たく、意識もなくなっていく。
しかし少年は薄れゆく意識の中・・・人の声が聞こえた。

「・・・あらあら、可哀想に体が冷たくなって・・・」

誰だろう?声からして大人の女性、という事だけはわかる。
だがこんな雨の日に誰が好き好んで出歩くのかが理解できないでいる。

「しか・・・こん・・・ひどい傷・・・か・・・も・・・」

薄れていく意識の中で少年は・・・。
ほんの少しだけ、ぬくもりを感じた。



「・・・う、ん?」

少年が目を覚ます。
辺りを見渡すと見覚えのない天井。
見たことのない家具とかが置いてあった。

「・・・ここは、どこ?」

辺りを見渡しながら考える。
自分は怪我をしていた、しかもかなり深手のはず。

「・・・」

よくよく体を触ると包帯で止血されている。
それに部屋をよく見ると家具から部屋の大きさまでも広い。

「・・・い、一体ここは・・・」

どこ?と思いながら部屋の周りを見る。
すると部屋の扉がゆっくりと開き、1人の女性が入ってくる。

「あ、目が覚めまして?」

「あ、あ、あぁ」

少年は恐怖した。
何故ならその女性は魔物娘だからだ。
見た目はただの「人間」だが顔に "針で縫ったような後" があった。
さらによく見ると体の色が "少し青い" のが特徴だった。

「う、うわぁぁ」

逃げようとして勢いよく体を動かす。
しかし体を動かした瞬間、少年の体に激痛が走りその場で膝をついてしまう。

「あ、がぁぁっ」

激痛にその場でのたうち回る。
それを見た魔物娘が慌てて少年に近づく。

「だ、大丈夫ですかいきなり起き上がってはいけません、まだ傷が癒えてないのですから」

ゆっくりと自分の肩を貸して立たせてようとする。
しかしそれよりも先に「触るな!」と敵意をむき出して睨み付ける。

「あ、ご、ごめんなさい・・・で、ですが」

「触るな!魔物めっ・・・ぐ、うぅ・・・」

完全に "反魔国家" 出身ということがわかる。
だがそんなもの関係なかった。
ゆっくりと自身の肩を貸し、ゆっくりと少年を立たせる。

「な、何をする!は、離せ!」

「落ち着いてください・・・っと言っても無理だとはわかっています」

立ち上がらせてゆっくり、ゆっくりとベッドに座らせる。
そして少年の体に手を当て目を閉じる。

「な、何をする」

「動かないで!すぐに終わりますから」

少し怒った声をだして少年を静止させると体に当てた手が光りはじめ。
光は温かく、また優しいという印象を少年に与える。

「・・・ふぅ、どうですか?痛みが和らいだと思うのですが?」

「え・・・あ」

まだ体が痛いもののそれでも起きて体を動かした時よりもずっと楽で痛みが引いていた。
少年はこれは "癒し" の魔法を使ったんだとすぐに理解する。

「うふふ、あ、お夕食!」

少しドタバタと部屋を開けた時に置いた夕食を取りにいく。
だが少年からすれば "自分はおいしそうな餌" という認識だ。

「貴方お名前・・・あ、まずは自分からかしら?」

少し息を吸ってゆっくりと少年に笑顔を向ける。
その笑顔に少しだけ、ドキッとしてしまう。

「私はイリア、イリア・ワイトエイド・・・見てわかるかもしれませんけど、私は魔物娘、ワイトです」

少し苦笑して自分の正体をうち明かす。
そして「貴方の、お名前は?」とイリアは聞く。

「・・・ルッシ」

小さく、1言だけ名前を言う。
そっぽを向き顔を見ないようにするルッシ。

「ルッシ君ね、それで・・・言えないことかもしれないけど聞いていいかしら」

真面目な顔でルッシを見る。
声からも分かるがイリアは真剣な表情をしていた。

「ルッシ君貴方、ここら辺の街道で倒れていたの・・・何であんなところで倒れていたの?」

「・・・それを聞いてどうするの?」

「どうするのって聞かれても・・・仮にご家族がいるなら、ご家族の元に帰すつもりだけど・・・?」

嘘か真か信用できない。
その言葉が例え本当だとしても。
ルッシにとっては "魔物は嘘つきで信用してはいけない" と言い聞かされているからだ。

「・・・親はいない・・・あんた達がまだ本物 "化物" だった頃に殺されたから!」

憎い、憎い。
魔物娘が・・・今にも殺してやりたい、殺意が芽生える。
そしてその殺意を目の前にいる魔物娘にぶつける。

「・・・そう、だったの」

ぎゅっと抱きしめる。
死体のはずなのに、温かい。
そしてイリスの目から・・・何故か "涙" が溢
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