chapter1-2(B) 変貌

デメトリオと別れてから、俺はドラグーンと二階の廊下を歩いていたんだ
デメトリオたちはちゃんと捜索しているんだろうか?
正直言うと、俺はそのことが二階に着いたときからの不安要素だった
あいつら…根は真面目だけど…メンタル面が弱いからな…
それを克服させるために今回の捜索にはあいつらを入れたんだが…
まさか、俺がドラグーンとセットになろうとは…思ってもいなかったんだよな

いや…あいつらを信じよう
俺は俺にできることをやる…それだけだ

俺はそう思うと、ドラグーンに話しかけたんだ
今後の計画を立てて行動する…これが、色々な出来事をうまく運ぶコツだからな

「ドラグーン、あいつらはうまくやってると思うか?」
「大丈夫だと思うぜ?でも、あいつらヘタレている部分あるから…」
「あー…確かにな、二階は2か所調べようと思うんだ…よろしく頼む」
「わかった、役に立つか分からないけど…一応武器も持ってきたし…」

武器…?ドラグーン、いつの間に…まぁ、俺も持ってきてるけど
っと、それにしてもだ…やはりこの廊下は暗いな…
俺だって、大海原のように広い心を持っているわけじゃないからな…
はっきりと言うと、明かりが欲しいわけだ
その明かりはきっと気を楽にさせてくれるだろ?

「しかしだな…こう暗いと、やっぱり少し不便だよな」
「ん?ナッカーサーは暗いの駄目なのか?」
「いや、もしもゴーストが来たら…闇の中だと不利な気がするから」
「……たぶん、明かりがあってもそうは変わらないと思うけどな」
「なんで?ゴーストだから明かりを見たらひるむだろ?」
「世の中、そんなに甘くはないと俺は思うぜ?」

……ドラグーン、さすが元傭兵…
うーん…いらない心配だったようだな
あっ…この胃がむずむずする感じは…コーヒータイムだな…

俺がそう思いながら控えているコーヒーを飲もうとした時だ
俺は見覚えがある部屋の前で立ち止まったんだ…
確か…この部屋は開いたはずだったな…
最近、物覚えが少し悪いから…そういうところが少し怪しいんだよな…


「たぶん、ここが目的地の一つだ」
「えっ!?も、もうついたのか?結構速いな…」
「この部屋は入り口のほうにあるからな…よっと!!」

ギィィィィィ……ガッ!!

ん?なんだ?何かつっかえたのか?
まぁ、それなら前に引っ張ればいいんだが…

ガッ!!ガッ!ガッ!

ん!?扉が…動かない…だと…
これは…扉が壊れてしまったのか?
うわぁ…やっちまった…どうする?

「こ、壊しちゃった…」
「……い、いいんじゃないか?もう、壊しちゃったんだから」
「そ、そうだろうか?じゃあ…もうぶち破ってもいいか?ここ…」
「…仕方無いんじゃないか?体当たりして破っちまおうぜ」

俺とドラグーンはそう話し合い、この扉をぶち破ることにしたんだ
……後で怒られたら、謝ればいいだろうしな
そうと決まれば…行くぞ…

「「でりゃああぁぁぁっ!!」」

ガンッ!!バンッ!ドゴッ!!

……か、固いな…しかし!!
大の大人が二人で扉に体当たりをしているんだ…
いつかは耐久力が持たずに壊れるはずだ…

それから5分くらいか…俺はひたすら扉に攻撃していたんだが…
この扉のこの耐久力…賞賛に値するな…
まさか、大人二人の体当たりを耐えきるなんて…
さらに、中途半端に壊れたから木くずが刺さって…

「……ナッカーサー、ちょっと後ろに下がってくれ」
「ん?どうするつもりだ?」
「俺の槍で突き壊す!!まぁ、見てな?」

……ほぉ?武器を使うのか…悪くない考えだ
俺はそう思い、後ろに下がってドラグーンがどうするのかを見ることにしたんだ
あいつなら、たぶん扉を壊せるだろうし…心配はないだろ…

「……俺の槍、見切れるか?てやあぁぁぁぁっ!!」

サクッ…

「なっ!?さ、刺さったけど…ぬ、抜けん…だと?」
「ドラグーン…お前…」
「な、なんだよ?やめてくれ!そんな目で俺を見るのは!」

ドラグーンは慌てて扉に刺さった槍を引っ張ったり、押したりしたが…
槍は深くまで入り込んでいるようで、全く抜ける気配がしないんだよな
………まぁ、ドラグーンならやる可能性はあったけどな
仕方がない、俺も手伝ってやるか…

「ぐぎぎぎぎっ……くそぉっ!抜けねぇ…」
「…ドラグーン、ちょっと退いてろ」
「えっ…?って、ナッカーサー!?そ、それ…まさか…」
「男なら、ここはかっこよく扉を壊すべきだろ?」
「お前の武器…威力が段違いなんだから、こんなところで使ったら…」
「まぁ…出力をいじれるし…大丈夫だろ?まずは…30%くらいで…」

……いや、待ってくれよ?確かかなり前に…
30%で小さい小屋が吹き飛んだはずだったな…
そ、そんな出力で撃ったら部屋ごと吹っ飛んでしまうじゃないか!
昔の標準出力は3%だったし
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