chapter1-2 (A) 鋏と呪

「さて…今後の計画についてなんだが…」

ナッカーサーはそういいながら、俺たちを机越しに見回していたんだ
この光景…知らない人が見たら…ナッカーサーがリーダーに見えるじゃないか!
なんて…そんな小さい小言…今の俺は言わないぜ?
……えっ?言うと思った?ちょっ…
お、俺のこと、読者のみんなはどう思っているんだよ…
どこからどうみても、俺のほうが主人公向きだと…
怖いことが起こったらすぐに逃げる…それが正義ってやつだろ!?なっ!?
えっ…いいから、早く話の続きを見せろって…?
……わ、わかったよ…


ユ「今後の計画といっても、全く何も変わってないじゃねぇか…なぁ?」
ヤ「あぁ…花梨たちは行方不明…おまけに、男が暗闇でテーブル囲んで話してるし」
ケ「おまけに、おそろしいゴーストまで出てきたしね…」
ド「その状態で、計画も何も…」
ナ「お前ら…本当に何も考えていないんだな…」

ナッカーサーはそう言うと、少し呆れたような表情を浮かべたんだ…
くっ…くそぉっ…何となく、悔しい…
ここは、意味もなく俺も知ってたって顔を…会心のドヤ顔をだな…
って、そんな事を頭の中で思ってはいても、実行する勇気なんてなく…
俺はナッカーサーが何か紙を取り出すのをじっと見てたんだ

ナ「いいか?俺は各部屋を隈なく探したって言ったろ?そのルートがこれだ…」

そう言うと、ナッカーサーは持っている紙に自分がサリィたちを探したってルートを書き込み始めたんだ
へぇ…一階は隈なく探しているんだなぁ…
えっ!?二階も!?…よ、よく探す気になったなぁ…
廊下はあんなに暗いのに…ひとりでだぜ?お、俺だったら怖くて無理…はっ!?
い、いや?俺はできるよ?でも…たまには楽してもいいかなって思って…

ナ「一応、ほとんどの部屋は閉まっていたんだが…開いていた部屋もあってな…?」
ユ「それで…そこを俺達が調べるってのか?もう一度?」
ナ「あぁ、もしかしたら、電気室と同じように、見逃してしまったものがあるかも知れないし…」
デ「じゃあ、みんなで探しに行こうよ…もしかしたら何かあるかも…」
ナ「いや…それはあまり効率が良くないだろ?だからさ…二人のチームに分けようかと思うんだ」
ド「ち、チーム?」
ナ「あぁ…まぁ、じゃんけんで決めるのが一番いいと思うけど…」

じゃんけんかぁ…俺、じゃんけんは弱いんだけどなぁ…
いや、しかし…ここで勝利の女神は俺に微笑む…なんか、そんな気がする!
さて…じゃんけんのスタートだ!!
なんて、思っていた時だった…いきなりケイが衝撃的な一言を言い放ったんだよ!

ケ「あぁっ…僕、ちょっとこの部屋でやりたいことがあるから…」
ナ「やりたいこと?何だ、それは…?」
ケ「作りたいものがあるんだ、みんな電気に困ってるだろ?役にたつと思うよ」
ナ「それだったら仕方がないな…誰か、置いていこうか?」
ユ「だったら、俺が残るぜ…手伝いぐらいならできるだろうしな」
デ「あぁっ!!ずるいぞユーマン!!お、俺だって!!」
ヤ「俺も残りたいぞ!!おいっ!!」
ナ「お前らはダメだ、一緒に行くぞ」
デ&ヤ「えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

く、くそぉっ…ユーマンめぇ…うまく逃げやがってぇ…
おかげで、逃げることができなかったじゃないか!!
うぅっ…くそぉっ…こうなったら、じゃんけんでナッカーサーと当たるしかない!
そして俺は、覚悟してじゃんけんを行ったんだけど…


結果、俺はじゃんけんで勝って…ヤマトとペアになったんだ
ま、まさか…勝利の女神が微笑んで…こんな結果になるなんて…そんなバカなことが…
い、いや…でも、ヤマトだって…いないよりはましじゃないか!!
ひとりでいるよりはずっといい!!だろ!?

デ「ヤマト、よろしく頼むよ」
ヤ「おぉっ!!なかなか、悪くないペアだと思うし…がんばろうな!」
ド「じゃあ、俺たちは二階でも調べるか?」
ナ「そうだな、じゃあ…俺たちは行くよ…デメトリオたちは下を頼む」

ナッカーサー達はそう言うと、さっさと二階に上がって行ったのだった…
うーん…じゃあ仕方がないなぁ…俺たちも行くとするかな?

そして、俺たちは一階の廊下に足を踏み入れたんだけど……えぇっ!?
目の前は物凄く真っ暗だったんだよ!!
そりゃあそうだ…電気がなぜかついていないんだから!
う、うぅっ…ど、どうする…?むやみに行って、あのゴーストみたいな子が出たら嫌だし…
そうだっ!!明かりだ!!明かりさえあれば…どうにかなるんじゃないのか?

「……い、行くの?デメトリオ…」
「い、いや…これはだな…明かりを手にして行ったほうがいい気がする…」
「明かり?明かりって…あのろうそくか?さすがにあれはダメだろ…?」
「そ、そうだよなぁ…うーん…仕方がない!!行こうっ!!」
「そ、そうだなっ!!」

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