「さて…これでいいかな?」
俺は、そんなことをいいながら、自分が完成させた素晴らしい作品を眺めていたんだ!
この木材の特徴を生かした美しい作品…誰がどう見ても素晴らしいと言うに違いない!
えっ…?お前は誰だって?はっはっはっ…面白いことを言ってくれるなぁ…
前作を見てくれたらわかるんじゃないのか?
えっ?作者の名前が違うから、わからないって?
デメトリオだよ!!デメトリオ=スタンダ―ト!!
……あぁー…まぁ、魔界に最も近い宿屋で(ryって作品だから、見てくれるとうれしい!!
もう、俺のあまりの活躍ぶりに…感動すら覚えるに違いないからさ!
「デメさーん!!大変だよーー!!」
そう言いながら、低空飛行で俺に近づいてくるのはサリィっていう名前のハーピー…
昔、彼女を助けるためにメガロス帝国ってところに旅をしに行ったのは、今ではいい思い出だ…
それからいろいろあって、今じゃあ俺の大事な奥さんだ
「ん?どうしたんだサリィ…?そんなにうれしそうに…あまり飛び回っていると、また頭撃つぞ?」
「あのね…実はこんなものが届いたんだけど…」
そう言ってサリィが取り出してきたものは一枚の紙切れだったんだけど…
なんだこれは?正直、この紙切れが一体なんだって言うんだろうか?
そんなことより、俺のこの素晴らしい作品…椅子の評価をだな…
そう思いつつ、俺はサリィの出してきた紙切れを見てみたわけだが…
【おめでとうございます!!あなたは抽選にあたりました!
豪華ホテルに一週間宿泊の旅、お楽しみください!】
……えぇっ!?マジでっ!?
抽選ってのに応募した覚えは全くないけど…
一週間、豪華ホテルに宿泊できるだって!?
こ、これは…ものすごい話じゃないか!!
こんな話を持ってこられたら、俺の椅子なんてかすんで見えるね
んっ…?二枚目の紙に、詳しい情報が書いているのか…なになに…
二枚目の紙に書かれていた内容だと、人数は何人でもいいらしく、具体的な住所まで記されていたんだ
いやはや…何人でもいいって…それ、下手したら破産するぞ…?
でも、俺の宿屋もそれぐらい思い切ったことをしなきゃダメなんだろうか…?
「デメさん…私たち、結婚してから新婚旅行って奴…まだしてないでしょ?」
「えっ…新婚旅行は結婚したら絶対に行かなきゃいけないってわけではな…」
「……デメさん?なにか…?」
「いえ…何でも無いです、はい」
「それでね?この機会に新婚旅行に行こうって思って…いいよね?ねっ!?」
新婚旅行…ねぇ…
正直、俺はあまり新婚旅行って奴に行きたくはないんだけどなぁ…
サリィのおなかの中にいる子供のことを考えると、サリィの体にあまり負担もかけたくないし…
「いや…いくらタダでも、サリィやおなかの子供に負担をかけるわけには…ねぇ?」
「…………へぇー…心配してくれているんですかー…」
な…なんだ?あの心もこもっていないような…そんな返事は…!?
なんでだろうか?サリィのあの言葉に、俺は震えが止まらないよ!!
あれだ…わかりやすく伝えるとしたら…獲物を狩る鳥の目といったところか…
おっ…?結構かっこいいたとえだな…自分で言っておきながらなんだけどさ?
「デメさん…それじゃあ、今晩から毎晩、ヤってくれますよね?私たち…まだ1回しかやってないんですから…」
「……い、一回って…俺、その時の記憶ないんだもん…そのおなかの子供さえ、俺の子供か疑ったのに…」
「言い訳はいいんです…どうなんですか?他のみんなはかなりヤっているのに…不条理じゃないですか」
「い、いや…それとこれとは話がべ…」
「…………………デメさん?」
だ、駄目だ…もう駄目だ…
なぜかは解らないが…今の俺は完璧に獲物じゃないかって…
そんな気がしたんだよ!
これは…次の答えが物凄く大事だぞ…
もしも選択を誤ったら、ここで襲われても文句は言えない…そんな空気だ…
俺は少しの間考えると、結論をサリィに言ったんだ…
「わかった…新婚旅行に行こうじゃないか!!これでいいかい?」
「うん!!えへへっ…ありがとうデメさん!!」
「い…いや…別にいいよ…人数の指定とか無いし、他の連中も誘ってやろうか…?」
「そうだねっ!!だって、他のみんなも色々バタバタしてて新婚旅行とか行ってなかったはずだし…私、ミーシャたちに言ってくる!」
サリィはそういうと、元気に部屋を出て行ったんだ…
ふ…ふぅっ…とりあえず、嵐は去ったか…
えっ…?どうしてそっちの答えを選んだのか…
別にもう一つの選択肢で、毎晩イチャイチャライフを楽しんでもよかったんじゃないかって?
……甘いな、そんな選択肢、俺にはなかったんだよ!!
それはなぜか…理由はとても単純だぜ?
俺がもしも新婚旅行の話を断っていたら、俺はこの場所で今頃、サリィに襲われて
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