02 運命の出会いの事件 

初めての魔物裁判が終わったあと…僕は法廷を後にして一人、事務所に戻っていたんだ。
結果、無罪判決を頂いた……師匠に、この最高の成果を伝えないとっ!!


6月16日 某時刻 絽籐荷法律事務所前

ん……?


事務所の前に…何やら黒い車が一台…停まってるな…
あの場所はうちに用がある来客用の人の駐車場だ…

ってことは、もしかして…師匠に弁護の依頼が来たのかっ!?
師匠はかれこれ5年くらい…一切弁護から離れていたというのに…
珍しいこともあるもんだな


6月16日 某時刻 絽籐荷法律事務所

タイガ「ただいま帰りました、マヨウさん、お客様ですか?」




マヨウ「うわぁっ!?た、タイガ君、いつからそこにいたんだい?」


タイガ「へっ?いや…本当に先ほど、裁判を終えて帰ってきたところですが……どうかしたのですか?」


マヨウ「いや…それならいいんだ、それで、結果はどうだったんだい?」



マヨウさんは僕の姿を見ると、すぐに裁判の結果を聞いてきたんだ
だけど……僕の結果を聞く前に…依頼人の方の話を聞いたほうがいいんじゃないのか……?



??「ん?あぁ、アタシのことなら気にしないでいいよ、もう話も終わったし…」



マヨウさんの来客は、そう答えると僕の方をじっと見てきたんだ
あの耳……あの尻尾……あの目つき…間違いなく魔物娘だな…

確か……形部狸って種族だったはずだ
頭が偉くて、計算も早くて…ビジネス系の会社で大活躍しているってTVで見たなぁ…
いやぁ、ほんとに狸みたいな尻尾しているんだな…少し、感動だよ




マヨウ「ほら、彼女もそう言ってることだし……結果をはなしてくれるかい?」




〈裁判の結果〉



タイガ「魔物裁判の結果は、無罪でした…でも、あんなに緊張した裁判は初めてですよ……状況は自分の不利な方向にすぐに変わるし……検事さんはサバキ検事ってすごい怖い人だったし……」



マヨウ「あれ?優椎検事じゃなかったのかい?それはそれは……でもまぁ、無罪を勝ち取れたならよかったじゃないか。依頼人の笑顔は見られたかな?」


タイガ「はい!!」


マヨウ「ならば、それで全てよしだっ!!今晩はひとつ、割り勘で焼肉にでも行こうかっ!!」



タイガ「やっぱり、こんな時でも割り勘なんですね……?」


マヨウ「当然っ!!私に依頼なんかほとんど舞い込んでこないのに、君に焼肉を奢る余裕なんてないさっ!!」








〈お客さん〉



タイガ「マヨウさん、彼女は依頼人ですか?」


マヨウ「いや、彼女は……」



??「アタシは依頼人じゃないよ、アタシは……」



マヨウ「ちょっと、マコトさんっ!!タイガには、あのことは内緒にしておいてくださいっ!!」


マコト「あぁ、ごめんごめんっ、大丈夫…アタシは口は硬いから…わかった、内緒にしておくよ、さてタイガ君、はじめまして」



タイガ「あっ…こ、これはどうも……逃出 大牙(ニゲダシ・タイガ)と申します」


マコト「アタシは笹江 マコト(ササエ・マコト)職業は……そうだなぁ、人助け……かな?困っている人に、救いの手を差し伸べ、助けてあげる…そんな仕事をしているんだ、以後…よろしく頼むよ?」



救いの手を差し伸べて…助ける……?
医者かな?人を助けるって言う意味では、弁護士と似ていて、好感が持てる



タイガ「はいっ!!いやぁ、マコトさんの職業…弁護士みたいですね!!」


マコト「いやいや、そんな大したモノじゃないさ、おっと…もう夕方も近いか…すまないけれど、もう帰らないと……タイガ君だったね?アタシが困ったときは、弁護してくれよ…なんてね、それではっ!!」




マコトさんはそう言うと、荷物をまとめて帰っていったんだ
……なぜだろう、近いうち、もう一度会う予感がするな……

まぁ、そんな偶然、ありえないよなぁ……







そして僕たちはこのあと、焼肉を食べに行って話に華を咲かせたのち、ぐてんぐてんに酔っ払ったマヨウさんを事務所に連れて帰り…僕は自宅に帰ったのだった……






それから、三ヶ月ほどたった時……事件は起こった
だが、この日もいつものように依頼も来ず、暇を持て余していた僕は事務所でナンプレを解きながら、暇を潰していたんだ



9月27日 午後4:30 絽籐荷法律事務所内


マヨウさんは、一体どこに出かけたんだろうか……
僕は事務所の中でナンプレと格闘していたが、ようやく問題が解けて気持ちがすっきりとした時に、マヨウさんが用事があると言って出かけてから、2時間が経過しようとしていることに気がついたんだ



タイガ「マヨウさん、まさかまたパチンコや競馬に行ったんじゃないだろうな……ゲームの課金アイテム購入資金稼ぎに…
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