友人「いやぁ、やっぱりTRPGの金字塔は面白いな、すっかり夕方だぜ…」
そう言いながら、俺や友達連中は帰路についていた
さっきまでやっていたクトゥ○フTRPGという名のこのテーブルゲームにすっかりはまりこんで、気が付けばもう夕方……
この勢いで時間が過ぎたら、春休みなんてすぐに終わっちまう……
そう思いながら帰っていると、不意に友人の一人がこんなことをいいはじめたんだ
友人「そういえば、知ってるか…?この公園にはさ……奇妙な噂があるんだ」
友人B「はぁ?また根拠の無い噂話か?まぁ、聞いてやるよ」
友人「この公園……ちょうど今ぐらいの時間……夕方に人がまったくいない時に、この公園の中央の池の近くに行くと……一人の女性が何かに困っているらしいんだ」
俺「何かって?」
友人「何かは何かだよ…俺も詳しいことは知らないんだ……でも、その女性を助けてしまったら、違う世界に連れて行かれてしまうって噂が……」
友人B「……ん?それってどこかで……あぁっ!!お前、それって昨日シナリオ探してた時にこれいいなぁって言ってたクトゥ○フのゲームシナリオじゃねぇかよっ!!」
友人「バレた?あっはっはっはっ!!雰囲気あったろ?次のゲームシナリオはこれで行こうって思っててさ……っと、そろそろ本格的に暗くなってきたな…悪ぃっ!!今日、注文していたビスクドールが届くんだ!先に帰るわ」
俺「おう、またなぁ〜」
友人B「さて、それじゃあ俺も今日はログアウトだなっ!!明日も朝一から、俺の家でやろうぜっ!!じゃあ、俺もワカメ買って帰るわ」
俺「おう、またなぁっ!!」
……さぁってっ!!俺も帰るとするかな!!
そうして、俺は帰宅するためにこの公園を大きく周り始めたんだ
この公園には出口と入口を兼ねた場所が三ヶ所あってさ、あいつらと別れた場所と、俺の家の通りまで通じている出口は違うんだよなぁ……
ちょうど、この公園の中央にある湖を大きく迂回して、回り込まないといけないんだよ
そうして、湖を半分ほど回った時だろうか……
??「ふえぇっ……メガネ……何処?」
俺は、THE 文学少女と呼べるであろう風貌をした女の子が、メガネを探しているらしい場面に直面したんだ
その子が落としたメガネは、探しているところとはまるで検討ちがいのところに転がっているわけで……
俺「無視するのも……可哀想か……すみませんっ!!」
少女「ふえぇっ!?だ、誰ですかっ!?どこですかぁっ!?」
俺「目の前だよ……これ、落としてましたよ?メガネ」
少女「あぁっ!!ありがとうございますっ!!よかったあ……」
ふぅ……さってと、帰るか……
えっ?会話しないのかって?するわけがないじゃないかっ!!
普通の男性は、メガネを拾った後に、図々しく話をしたりはしないものなんだ
それこそ、そのあとで話すのは、多少なりとも下心があるやつか、アニメや小説の主人公ぐらいのもんだ
俺はそんな下心もなかったし、早く家に帰りたかったからね
この反応は、別に何もおかしくなかったんだ
俺がこの時、読めなかったのは……まさか、相手の方から話しかけて来るなんて思っていなかったことぐらいか…
少女「あっ……あのっ!!ありがとうございましたっ!!助かりました」
俺「あー……はい…それじゃあ、俺はこれで……」
少女「あっ……その持ってる本……それって……」
彼女は俺の持っているクトゥ○フTRPGの公式ルールブックを指差している…
TRPGに興味があるのかな?まぁ、面白いしなぁ……
俺「……軽く見てみます?…興味…あるなら…ですけど……」
少女「いえ……ですけど……ふふふっ……その本がどのような本か……わかっていますか?異形の神々のことを明確に記した…その本……」
………わーお……まさか、軽く電波系入ってたか……
これは、関わるとヤバイ予感が……
少女「お兄さん……そういったものに興味が…あるのですか?お兄さんはとってもお優しい人でしたから……私、好きになっちゃいました……興味があるなら……教えてあげましょうか?」
雰囲気が……変わった?
俺の目の前にいる少女は、見た目は確かに……THE 文芸少女といった感じだが、何か……何かとんでもない何かを隠しているような……
そんな不穏な空気を俺は肌で感じ取ったんだ
これ以上、関わるのはよくない……
俺「ははっ……興味はあるかな?じゃあ、俺はそろそろ……帰らないと……」
少女「…………何をイッテいるのデすかァ?お兄さんの家は……今日から……私のイエに……ナルのデすよぉ?」
俺「ひっ!?ひぃっ!!」
俺はその瞬間、目の前で起こった奇妙な出来事に、腰を抜かしてしまったん
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