04 宿屋店主の旅立ちwith唐突

ゾーネたちが俺の家に住み始めた翌日……
結局、昨日はお客さんを呼んでの商売をしている余裕はなかったんだ


なんと言っても、家具の設置やスカニの店の準備で忙しかったからね……
まぁ、今日からは普通に宿屋業務に戻れそうだし…


そう思いながら、ロビーで干し肉をかじっての至福のひとときを過ごしていた時だった……



バンッ!!


急に玄関の扉が力強く開けられ、外からとある人物が入ってきたんだ


メ「お邪魔するわ……デメトリオ、さっそくで悪いんだけど…ついて来てくれるかしら?」


デ「メリィっ!?ついてきてって…何処に……?」



メリィといえば、モンスターラグーンって集団のリーダー……って最近しったばっかりだけど……
そ、そんなメリィがいったい俺にどんな用事が……?


ま、まさか……俺が集会に参加していたってことが、バレたのかっ…!?
それは非常にまずい……だ、だけど……それなら、もっと早くに来てもいいはず……だよな?


と、とにかく、変な行動はしない方がいいな……
ここは素直に従おう……うん


メ「……城よ…ところで、あなた…サリィと最後にあったのはいつ?」

デ「えっ?それは……5日ぐらい前だったけど……」

メ「……っ(ぎりっ……)とにかく、急ぐわよ……捕まりなさい、すぐに城に向かって飛ぶわ」



し、城って……
いよいよもって、バレたって可能性が浮上してきてしまったぞ……

しかも、今日のメリィはいつも以上に目が冷たいし……
いや、いつも俺をものすごい冷ややかな目で見ているけれどさ……

でも、そんなメリィもサリィと一緒にいるときは穏やかで優しい目をしてるんだけどね?




そして、時は20分後……俺はフェルス城の謁見の間の前で、謁見の準備をしていたのだった……


デ「(待て待て…どうして俺が女王様と謁見することになってるんだ…!?メリィも一緒だけど……あまりに急なことに、俺は動揺を隠せない……)」


そういえば、王女様はリリム……見ただけで、ありとあらゆる男が魅了され、我を忘れてしまうほどの美貌だとかどうとか聞いたことがある……
今回の謁見で、俺が粗相をしてしまわないように、宿の秘伝の薬を飲んでおかないと……


この薬を飲めば、神の加護を受けた勇者の如き精神力を誰でも得ることができる……らしい、なんとも都合のいい薬……
この薬を飲んでおけば、粗相をしてしまうことはない……はず……



兵「お待たせした…それでは、フェルス王女との謁見を……ついて来てください」



兵士のサキュバスの人に連れられ、物凄く大きな扉の向こう側に移動すると、そこは物凄く広い部屋だった
そして、その部屋の真ん中に、リリムの女性が座って、こちらを見ている…

ヤバイな…あの微笑みは……男だったら一撃というのは、間違いないな…
いやぁ、お薬飲んでてよかった……



フ「ようこそ、いらっしゃいました。さて、デメトリオ…あなたに質問があります、昨日……サリィとは会いましたか?」


王女様も、この質問をするのか?
会ってはないけれども、俺がサリィと昨日、会ってるかどうかが一体、何に関係するんだ…?


デ「いえっ……会っておりません」


フ「そうですか……これは、我が国民の命が危険に晒されているかも知れない、重要な問題です。メリィ、デメトリオに事の説明はいたしましたか?」


メ「いえ……まだ……」


フ「それでは、まずはその部分から話をするべきでしょうね。メリィ、お願いします」




メリィはフェルス様にそう言われると、俺の方を向いて、話を始めたんだ


メ「あれは……昨日のことだった……」



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メ「遅いっ……サリィ、いつもよりも物凄く帰ってくるのが……」


私は、そろそろ宅配業が終わる時間になっても、サリィが帰ってこないことに、不安を感じていた

いつもは、遅くても宅配に出て6時間後には絶対に帰ってきていたのに……


デメトリオのところに行っている……にしても、遅すぎる…
サリィ曰く、デメトリオはサリィに対して、まったくもって鈍感らしいのよね

でも、お姉ちゃんとしてはサリィには幸せになってもらいたいし……
デメトリオの事、なんだかんだで私は嫌いではないし……
デメトリオにはなぜか、避けられてるけど…
お似合いだと…思うんだけれどねぇ……



メ「少し、探してみようか……えっと、サリィの最後の配達は……少し遠いわね……でも、行き慣れてる峠にあるカフェ…か……」


私は、そのカフェまで飛んでいく……


メ「すみません、サリィはここにきましたか?」


店員「えっ?サリィちゃんですか?来ましたよ?あれは……今から4時
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