人形を捨て、車で自分の家に帰ってから…
俺はやけに眠ることもできず、自分の部屋で一人のんびりとしていたんだ
なんだろうなぁ…いつもなら、10時ごろには少し、眠気が襲ってくるんだけど…
今日は、まったく眠気が襲ってこないんだ…
季節はバリバリの夏…夜にはものすごく不愉快なあの虫が俺の眠りを邪魔してくるとか…
汗が快適な眠りを邪魔するとか、眠れない理由を見つけようとすれば、無いこともないけど…
いつもは全くそんなことは気にしないんだけどなぁ…
まっ…眠れないときは布団の中に入って何も考えずにいれば…
自然と寝るんだけどな?それまでが長いんだよ…わかるかな?
「……しかし、本当に眠くならないな…まぁ、あの恐ろしい部屋のことや都会の事を一日で全部思い出しちまったから…その時に受けた衝撃的なもののおかげで眠くならないんだろうけど…」
そう呟きながら、冷蔵庫に入っているコーラを取りに行こうとしたときだった…
カツッ…カツッって音がおれの部屋の窓から聞こえてきたんだよ!
いや…正確には部屋の外なんだけどさ?いったい…この変な音は何の音なんだ?
……ははぁっ?キツネかカラスかな?もしかしたら猫かもしれないな
おれの家の周りは田舎だから、なんだかんだ言っても野生の動物をよく見かけるんだ…
だから、今回のような変な音が聞こえるってことも珍しいことじゃないんだ
ふっ…眠れない憂さ晴らしだ…俺のジュースを取りに行く邪魔をした動物を脅かしてやるか…
俺はそう考えると、音がした窓のほうにそっと移動したんだ…
そして勢いよく扉を開けたんだよ!!
もう…あの時の俺の扉をあける勢いは、嵐のように激しく暴風のようにものすごくだな…
だが、そこには動物の姿なんて影も形もなかったんだよ…
「あれっ…?おかしいな…あの音は確かに動物だと…」
俺はそこで、気になるものを見つけたんだよ
窓の縁のところに何かが引っ掛かっているんだ
今日の昼間にはなかったと思うんだけど…なんだろう?あれは…
んっ…おっ?微妙にだが、手が届きそうだな…
俺は手が届くとわかると、その謎の物の正体が知りたくなったわけだ
「よっと…この感触は…布か?結構大きいな…」
ガコッ…ガコッ…
あれ…?引っかかったか?
引っかかったってことは、中々変な形をしているってことになるけど…
それから俺はまた数分、その謎の物体を引っ張っていたんだが…
ようやく俺はその謎の物体を持ち上げることに成功したんだよ!!
……あっ、電気つけないとこの謎の物体が何なのかわからないじゃないか!
そう思い…俺は自分の部屋の電気をつけたんだ
さて…俺をこんなに苦労させた物体は……っ!?
俺はその物体を見た瞬間、思わず言葉を失ったんだ…
その物体の正体…それはなんと捨てたはずのあの人形だったんだ!!
来ていた服装やボディの部分に少し傷は入っていたけど…間違いない!!あの人形だ!!
ど…ど…どうしてあの人形が俺の家の窓の縁に!?
「と、とにかく…コーラを飲んで落ち着こう………ゴハッ!?ゲホッ…む、むせた…あ、焦るな…落ち着け、落ち着け…」
……あ、あ、明日…近所の神社にお祓いにでも持っていこう…
え、えっと…とりあえず今日は適当なダンボールにでも詰めておくか…!?
俺はそう判断すると、その人形をダンボールの中に詰めたんだ
な、何事もなかったらいいんだが…って思ったときだ
そのダンボールが物凄くガタガタ音を立て始めたんだよ!!
「ひ、ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?あわわわっ……」
あ、足がすくんでしまった…と、とにかくこれはなんかやばい!!
逃げないと…とにかく逃げないと…
だが…そう思って焦っているときに限って、結構前に進めないもんなんだよな…
俺も結局、その場であたふたしているだけで、全然逃げることができなかったんだ
そうこうしていると、ダンボールの中からあの人形が飛び出てきたんだよ!!
しかも…その人形の周りには紫色のオーラが…
「ただいま…お兄ちゃん?」
「ひゃあぁぁぁっ!?な、なんだっていうんだ!?俺が一体何をしたと…」
「そーだ…お兄ちゃん、お願いがあるんだー…」
お、お願い…!?ま、まさか…
あの人形を捨てようとした俺に対して、復讐させてくれとか…そんなお願いなんじゃないのか!?
もしそんなお願いだったら、俺は絶対に断らせてもらいたいんだが…
「これ…ちょっと見てもらえるかなー?」
そういうと、その人形は夜の闇から一冊の本を俺のほうに投げてきたんだ!
こ、この本は…なんだ!?た、タイトルが英語なんだけど…!?
えっと…これは…どーる・ふぁっしょん…?なんだこれは?
俺はその人形が投げてきた本を見てみたんだが…
この本…中に書かれているのが人形の服の写真ばっかりだったんだよ!
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