H1 さよなら日常、いきなりヒーロー!?

普通…それは、なんの変哲もない人生を送ってきたであろう青年…
俺にとってはとてつもなくぴったりな言葉だった

俺の名前は…
って、いきなり自己紹介から入るところからも、俺の普通さが伺えるだろうが…ここは流して欲しい

俺の名前は秋山 ハヤテ
この街…未来町フューチャータウンに住んでおり、未来技術専門学校というなんともひねりのない学校にかよっている一般人だ
得意なことはパズル、苦手なことは運動という、インドア派の男だが…
一応学校には普通に通っているんだ


そんな俺が…今、普通ではありえない状況に陥っているというわけで…

事の発端は今朝…
仕事人間で滅多に家に帰らない母が珍しく帰ってきて、親父と口喧嘩したことから始まるんだけど…
ちなみに、俺の母の名前はスズネ、親父の名前はアキラ…
この二人…最近事あるごとに喧嘩をしているんだ


昔は仲がこれでも良かったらしいが…今はもう……
なんていうか、離婚寸前って感じだよ…見てるこっちが辛くなるくらいだ


スズネ「……なにか?なにか言いたそうだけど…」
アキラ「…そ、そりゃあ!!スズネもたまにはハヤテの学校の行事に参加してあげたり…そんなことをしてくれって言いたいんだ!!僕は、父親の愛情と同じくらい、母親の愛情も子供に注いで上げないと…ダメだって思ってるんだ」
スズネ「………くっだらない、愛情?愛情なんて必要な歳でもないでしょ?だいたい、何?私が働かないと、この家…持たないわよ?誰のおかげで毎日ごはん食べれると思っているの?この無職で甲斐性なしのヘタレが…」
アキラ「うぐっ……ぼ、僕だって…必死に探してる!!」
スズネ「結果は?結果もないのに、必死なんて言葉を軽く使わないで、惨めだから…じゃあ、私今から仕事だから…今度もどるのは2週間後なので、じゃ」


といいながら、母が家を出ようとした時だ
母が何かを思い出したかのような顔をすると、俺にこういってきたんだ

スズネ「あぁ…ハヤテ、あなたあてに手紙が来てたわよ?机の引き出しの中に入れてるから見ときなさいよね?じゃ…」


バタンという無情な音を立て…閉まる扉…
そして、玄関前で無残に倒れる親父……なんていうか、惨めだ…
その背中からは、憂いのようななにかまで漂っている気までしてきやがる…


ハヤテ「親父……そう、気を落とさなくてもいいんだよ?」
アキラ「ん……?あ、そうだな…いつものことだもんな…じゃあ、父さん晩飯作って置くから、風呂から出たら食べてくれ…ちょっと疲れたから…寝るよ」


ここまではいつもと対して変わらない日常……
そして、俺が風呂を出て飯を食べ終わったあと…
俺の普通の日常は微妙に変な方向へと動き始めてしまったんだ…


ハヤテ「手紙…っていうより、封筒だな…なんだ?」


そう言いながら、机の引き出しの中の封筒を開ける…
すると、中には子供が喜びそうな感じの代物が出てきたんだよ!!
そう…中には紙が三枚と変身ベルト…のようなものが入っていたんだよ
変身ベルトというには、あまりに小さいけど…
まぁ、そんなことはどうでもいい

問題は、中に入っていた紙の方だった


【ヒーロー協会から、秋山ハヤテ様へ…
 あなたは、この世界を救うヒーローの素質があると判断されました
 よって、明日の朝9時にお伺いさせて頂きます
 穢れなき体を持ったあなたならば、きっといいヒーローになれるでしょう
 なお、今回は特例のため…ヒーロー条例153条、ヒーローになることを拒否という項目の【拒否】という概念が一切通用しません。
 あなたには問答無用でヒーローになってもらいますので、覚悟をお決めください】



ハヤテ「……あ、怪しい……明らかに怪しい…俺がまだ学校に通っているからって、こんな明らかに詐欺だろっていうような封筒に興味が抱かれるわけないだろ…?バカバカしい…だいたい、9時に伺うって…その時間帯は学校に登校してて、俺家にいないし」


俺はそういうと、その封筒を机の上に投げ、ベッドに身を投げ出す
そして、そのまま睡魔に流されて、眠ったのだった…


そして翌日…俺はいつものように学校に向かっていた
すると、後ろの方から男女合わせて二人の、俺を呼ぶ声がする
俺の友達の春風 コナミと夏目 シンタロウ…こいつらとは、小学生の頃からの知り合いだ


背が高く、右手に大事そうにノートパソコンを抱えているほうがシンタロウ
やれば出来るのにやろうとせず、毎日どこでもPCでゲームやらなんやらをやっている困った奴だ
学校にも持って行っているが、先生にばれていないのは奇跡だと思う

そして、この褐色に軽く日焼けした、ショートカットの女がコナミな?
こいつは……ものすごく運動ができる…
水泳部期待のホープなんて、そう呼ばれてるやつだ
しかし、本人はあ
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