俺たちがロビーを後にしてから、数分後…
俺とナッカーサーの二人はあの本棚だけの部屋の中にいたんだ
さてさて…話し合いでは、ここに隠し部屋があるとかどうとか…
正直、俺の頭ではこの部屋のどこに隠し部屋があるのかさっぱりだよ!!
デ「なぁ…ナッカーサー、本当にこの部屋に…セムちゃんが監禁されているシザァの隠し部屋があると思うか?」
ナ「……いまさら、そんなことを言ってどうする?とりあえず、調べてみればいいだろう?」
デ「そ、そりゃあそうだけどさ…」
ナッカーサーに言われ、本棚を軽くたたいていく俺…
だけど…特にへこんだ部分があるというわけでもなく…
何か変なスイッチがあったってわけでもなかった
やっぱり…何の変哲もない…ただの本棚だったわけなんだよなぁ…
まったく…やっぱり無駄足だったんじゃないか!!
これだから、俺はロビーで待っていたいと…
えっ?諦めろ?お前は常に行かされるって?はっはっはっ!!そ、そんな馬鹿な…
……でも、そうかもしれないと気づき始めた俺がいて…怖いよ俺は!!
デ「うーん…やっぱり、いくら調べてみても変なところなんてないぜ?外れだったんじゃないか?」
ナ「……そんな馬鹿な……デメトリオは気になるところはなかったか?調べていて…」
……気になるところ?
うーん…言われてみても…無駄に白いってことと、側面が傷だらけってことしかわからないなぁ…
デ「いや…無駄に白くて、側面が傷だらけってことしかわからないなぁ…」
ナ「…………側面が傷だらけ?……確かに、何か刃物で切られた後のようなものがあるな…しかも、これは最近の傷だぞ…」
デ「……もぐもぐ…えっ?」
ナ「………おい、お前…真剣にしろよ…たまには…」
なっ!?お、俺はいつだって真剣だぜ…?
こ、これはただ、小腹がすいたから干し肉をかじって体力回復を図っていただけなんだから……まじめだろう!?
なぁ、みんなはどう思う?俺…ふざけてると思うか?
……はいはい、どうせスルーなんだろ?そうなんだろ!?
あぁ、人気者はつらいね…こりゃあ、今回の人気投票も俺が断トツで一位かな
………これ以上ふざけていたら、本当に俺の立つ瀬がなくなりそうだな…
デ「悪かったよ…それで、側面の傷が最近できたから…どうしたっていうんだ?」
ナ「この傷の入り方…普通なら、この本棚が壊れていてもおかしくない…」
デ「き、傷を見てそれがわかるのか…ただの宿屋の店主には、理解できない世界だな…」
ナ「だが、この本棚は壊れていないだろう?つまり…壊されてもある程度したらもとに戻る可能性がある…」
デ「そ、そんな馬鹿なことが…あり得るのかよ!?」
ナ「わからん…だが、試してみる価値はあるんじゃないか?」
そういうと、ナッカーサーは持っていたガトリングを本棚に乱射したんだ…
本棚は、ものすごい木屑と埃をまき散らしながら小さくなっていく…
……なんか、形あるものがなくなっていくっていうのは、つらいものがあるよな…
そして、土埃が収まったとき…俺たちは目撃したんだ…
本棚の裏に…小さな窓みたいなのがあったんだよ!!
そして、その窓からは見間違えようもない…
大きなはさみを持ったシザァに、磔にされているセムちゃんの姿があったんだ
まさか、こんなにあっけなく見つかるなんて思わなかったよ俺は!!
ここはこう…もっとひねりを加えてくれるものだとばかり…
い、いや…まぁ、早く見つかるに越したことはないんだけど…
ナ「どうだ?やっぱりな…後ろに何かあると思ったんだ…」
デ「……お、恐れ入ったよ…それで、これからどうするんだ?」
ナ「そりゃあ、セムちゃんを助け出すに決まっているだろう?問題は、入るときにまず、音で彼女にばれてしまうことだが…」
……た、確かに…この窓には開けるところがないみたいだから…
開ける方法は、少々手荒だけど…壊すしかないよな…
そして、壊したら確実にシザァには見つかってしまう…
そうなったら、戦闘は不可避じゃないか!!
………か、帰ろうかな…ケイに相談したら、いいアイデア出してくれると思うし…
俺はものすごい速度でその答えを頭の中で導き出し、ナッカーサーに言おうとした時だった…
デ「なぁ、ナッカー…」
ナ「しっ……何かくる……」
デ「えっ!?で、でも…GTRにはなんの反応もないけど…」
ナ「あぁ…だが、間違いない…この部屋に向かってきている…デメトリオ、油断するな…」
デ「だ、大丈夫だよ!!もしもの時は、ナッカーサーにすべて任せて応援しているから!!」
ナ「……お前も手伝ってくれると助かるんだが……まぁいい」
ナッカーサーと俺は、互いに扉を挟んで身構えたんだ
く、来るなら来い!!返り討ちにしてやる…
・・・・・・・・あれ?
来ない…だって?うーん、おかし
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