ことは、俺が行為を行い…泣き叫んだあとから始まる
俺を散々弄んだ悪女…見切さんがいきなり別人になったところからのスタートだ!!
見切「はぁ…はぁ…ふふぅ…」
明「……き、君はいったい…?」
見切「えっ…?やだなぁ…明さん、見切に決まって…はっ!?」
目の前の、狸の女の子はあわてて自分の体を触り始めたんだ
そして、俺を見てものすごく泣きそうな顔をしたんだ
……さ、さっきの話を頭で整理したところによると…彼女は見切さん…だよな
だが、俺の目の前にいる女性は…なんというか…
見切さんのイメージである完璧っていうよりは、弱引きこもりみたいな見た目をしているんだが…
ぱっと見ただけでも、眼の下のくまやぼさぼさの髪の毛が彼女の健康状態を表しているのは明らかだ
まてまて…待ってくれ…
あんなことをしてしまった後だから、変な言い訳はしない…
しないけどさぁ…本当に別人じゃないか!!
しかし…彼女、見覚えが…
……気のせいか?
見切「あ…あぁあっ!!へ、変化が解けちゃってる!?そ、それも…一番見られたくない人の前で……う、うぅ…ぐすぅっ…」
明「へっ!?ちょっ!!どうして泣く!?」
見切「えうぅ…わ、私…私ぃっ…ひっく…」
彼女は、だんだんと本格的に泣き始めてきたんだが…
俺は物事の急展開についていけてないんだ
まず、どうして見切さんの姿が変わったのか…
そして、どうして彼女は今、俺の目の前で泣いているのか…
こう聞きたいことが多いと、困るというのが俺の本音だよ
と、とりあえず…彼女を落着けないと…
だが…どうやって落着ければいいんだろうか?
………うぅ…気まずい…
明「と、とりあえず泣き止んでくださいよ、見切さん…そんなキャラじゃないでしょう?」
見切「だって、だって!!私…私っ!!」
明「私…なんです?その続きが大事でしょう?」
見切「ひっくっ…えぐっ…」
ダメだ…まったく埒があかないぞ…
さっきまでの強気な態度とは打って変わり、今度はずっと泣いてばかり…
いったいなんだっていうんだ!?
……俺だって、俺だってなぁ…泣きたいよ!!ちくしょーー!!
朝から…見切さんの罠にはめられて落ち込んでいるのに…
夜には大切な純潔を奪われるし…
明「見切さん…落ち着いてくださいよ…ね?」
見切「……だって、こんなぼさぼさのだらしない姿…いやでしょ?」
明「……へっ?」
見切「髪の毛はぼさぼさだし…睡眠不足だし…狸だし…胸も本当は小さいんだもん…」
………ま、まさか…彼女は自分の見た目のことを気にしているのか…?
…べ、別に、そこまでいやじゃない…むしろ、どちらかと言えば好感を持てるんだけどなぁ…
まさか、彼女は今の姿を見られたら…嫌がられると思っているのか…?
明「見切さん…そんなこと気にしていたんですか?俺は別に…」
見切「嘘っ!!気にしてないなんて嘘に決まってる!!こんなだらしがない見た目で、なおかつストーカーをする…そんな女、好きな人がいるわけないじゃない!!明さんは優しいから…わざとそう言ってフォローしようとしてくれているんでしょ?」
明「フォロー…?いや…本当に俺は君のその姿を変だと思っていないんだよ」
見切「嘘だ…嘘…私はあなたを好きだから…あなたも私を好きになってもらおうと思って…あなたの理想像を学んで…変化していたのに…私…私は…」
………そうか、これで俺を悩ませていた謎がようやく一つ解けてくれたんだ
彼女がどうして…いきなり姿形が変わったのか…その答えが
確かに、彼女は俺の理想像だった…
正直、美人だと思っていたし…胸だって大きいのには惹かれていた
だけどさ?完璧すぎると思ったんだ
……俺は、世の中をうまくわたっていくスキルがそなわっていない
いわゆる…凡人の下部分みたいな男だ
いや…たいていの人はその位置が関の山だと俺は思っている
……ほかの人が聞いたら、怒るかも知れないけどね
それに、彼女は会社で完璧な存在として君臨していた…
そう…俺のいた会社では彼女と俺は月と太陽だったんだ
だから、俺は彼女のことを本当に好きになれなかったんだ
凡人は天才を羨み、そして妬むんだから…
そうだろ?
明「そのままで…そのままでもいいじゃないか!!その姿が本当の見切さんだというのなら、むしろ見切さんはその姿でいるべきだ!!」
見切「……えっ…?」
明「俺は…たとえ事故だったとしても、見切さんが本当は自分の姿をコンプレックスに感じている、かわいらしい形部狸なんだとわかってうれしい!!自分の姿を偽り、それで仮の幸せを手に入れるのも、いいかもしれない…だけど、俺はそれを愛とは言わないと思うんだ」
正直、自分でも何を言っているのかさっぱりわからん
だが…それでも俺は、心に宿った熱い炎のままに、見切さんに自分が思っ
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