「いいえ。何も聞いてませんよ?」
オレは適当にごまかすことにした。騙せるとは思ってネェがどォ反応するのか知りたかっただけだ。
「そうですかー。ならいいんですー。それじゃ行きましょうスピエルちゃん」
「んー?」
アシュエルは意外なことに何も追及せず、スピエルの手を引っ張って来た方向に戻ろォとした。
「あ」
アシュエルは何もネェ所でわざとらしく転ンだ。そしてどこに隠してたのかわからネェが大量の紙をぶちまけた。
「大丈夫ですか?」
オレはとっさにアシュエルの体を支えた。別にどォなろォが知ったことじゃネェが、気付いたら体が動いてたンだよ。
「あ、ありがとうございますー」
おい。何でそこで顔を赤くするンだよ。もしかしてショタコンなのかァ?確かに見た目はロリだけどよ。
「1人じゃ拾うの大変でしょう。ぼくも手伝います」
どォせ罠だろォけどな。ここはあえて乗ってやるよ。
「み、見てはいけませーん」
アシュエルは明らかな棒読みで言った。一体何が書いてあるのかねェ。
「こ、これは」
オレはかなり衝撃を受けた。そこには『リア充死ね』とか、『自分たちが童貞を貫いているのを尻目にいい思いをしているやつを断じて許すわけにはいかない』だとか言う主神様のあっりがたいお言葉が書いてあったからだ。
「…見ちゃいましたねー」
アシュエルは腹黒い笑みを浮かべた。
「わかりましたかー?これが主神のお考えなんですー。こんな身勝手な理由で魔物を殺すとか言ってるんですよー。主神は正義のために戦うとか、英雄になりたいとかいう人の心を利用してるんですー。それでもあなたは教団のために戦えるんですかー?」
アシュエルは探るよォな目でオレを見てきた。
「愚問ですよ。どちらにしろやることは変わりません」
オレはそォ言って顔をうつむけた。
「つーかンな理由聞いたらなおさら教団を潰すしかネェだろ。これ以上主神の腐った計画の犠牲になるやつを出してたまるかよ」
オレの言葉にアシュエルはニヤリと笑った。
「それが本来のあなたですかー。でもそんなことを主神に忠誠を誓っているエンジェルに言っていいんですかー?」
アシュエルは試すよォな目つきで見てきた。
「あんたはエンジェルだが主神に忠誠を誓ってるわけじゃネェだろ。そォじゃなけりゃわざと主神の重大な秘密が漏れるよォなマネをしたり、勇者に魔物を殺すのは悪だとか言うわけネェからな。大方あんたの主は主神の敵か、主神の味方のフリをしてる神って所だろ」
オレがそォ言うとアシュエルは満足そォにうなずいた。
「すごいですねー。ご察しの通り私の主は主神勢力にスパイとして潜り込んでますー。まあ教団の方々は私はエンジェルだということだけで疑いもしないで信用してくれるから楽ですけどねー」
アシュエルはニヤリと笑った。
「まァエンジェルが自分たちを騙してるとか考えたくもネェだろォからな。まァオレも似たよォなモンだろォけどな」
あいつらはオレを騙して利用してるつもりなンだからよォ。それに勇者が実は全てを知っているなンてことになったら面目丸潰れだからよォ。
「ふぁ〜。勇者くんすごいね〜。まだこんなにちっちゃいのに〜」
突然後ろから頭を撫でられた。
「あ、スピエルちゃん起きたんですねー」
アシュエルはいつものよォに間延びした口調で答えた。
「いや、あンた寝言からして主神のエンジェルだろ。その反応は正直どォかと思うぞ」
「別にそんなのどうでもいいよ〜。エンジェルは『主神の教え』には忠実だけど、自分で唱えたことすら守れない汚物なんかどうでもいいもんね〜」
意外と毒舌だなこいつ。腹黒いアシュエルと違って悪気がネェ分よけいタチが悪いゼ。
「白さで腹黒さを隠してるあなたには言われたくありませんー。あの勇者の演技正直似合ってませんよー」
アシュエルはそォ言いながら笑っている。
「腹黒さがにじみ出て羽が灰色になっちまったやつに言われたくネェよ。それにあンなわざとらしい転び方してるやつに演技がどォとか言うな」
多分オレの口もニヤけてるンじゃネェの?
「む〜。人の安眠妨害しておいて2人の世界に入らないでよね」
スピエルが頬をふくらませながら言った。
「スピエルちゃんはどれだけ寝たら気がすむんですか。スピエルちゃんが真面目にやっていたら、私があのクソジジイからの指令書を捏造して発表する必要なんてないんですよ?」
アシュエルがドス黒い笑みを浮かべながら言った。それに体から何かやばいオーラ出てるンだが。
「やだよ〜。あんなのが書いてるの読んでると眠くなっちゃうんだもん〜。あふぅ」
スピエルが眠くネェ時なンてあンのかよ。それよりアシュエル今気になること言ってたよな。
「つまりアシュエルが主神の言葉を伝えることは少なくネェってわけだな」
「大体合ってま
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