準備が終わったボクとジュリアはコゼットサバトの本拠地にやってきた。
「なんでサバトになんか行きますの?」
ジュリアが不思議そうな顔をして聞いてきた。
「コゼットもロリコンの風上にもおけないクズをぶちのめし―――じゃなくて落ち込んでるスーザンを慰めたいだろうと思ってね」
ボクがそう言うとジュリアはムッとした顔をする。ボクと2人で行けると思ってたから拗ねてるのかな?
「残念だけど移動手段の都合上2人きりってわけには行かないんだよ。それならついてきたいっていう人を連れて行った方がいいと思ってね」
それを聞くとジュリアはますます不機嫌そうな顔になった。
「今度はどんな魔物ですの?」
その言い方だとボクが色んな魔物を引っ掛けてるみたいじゃないか。…あまり否定できないけどさ。
「それは見てのお楽しみってことで。あ、着いたよ」
「…。思ったよりすごいですわね」
そう言って見上げるジュリアの前には立派な建物があった。どこかの大聖堂って言われても納得できるくらいすごい。まあボクは主神じゃない神を信仰する教団のやつしか見たことないけどさ
「ベントルージェもフィアボルトほどじゃないけど信者が多いからね。寄付金もいっぱい集まるってわけさ」
ジュリアは呆れたような顔をした。
「…ロリコンの力ってすごいんですのね」
「あはは…。それじゃ行こうか」
ボクたちは扉を開けて建物に入っていった。
「あ、ロキお兄ちゃんだ!」
魔女の1人がそう言うとその場にいた魔女たちも集まってきた。
「みんなこんにちは。ところでコゼットは?」
ボクがそう聞いた瞬間に横から何かがすごい速度で飛び込んできた。ボクはとっさにその方向に向いて受け止めた。
「会いたかったのじゃお兄ちゃん!」
飛びついてきたのはこのサバトを統べるバフォメットのコゼットだ。なぜかボクに懐いてる。
「ボクもコゼットに用が会って来たんだ」
「用とは何じゃ?お兄ちゃんの頼みならなんでも聞くぞ」
コゼットははしゃぎながら言った。こうして見るととてもサバトの支配者
には見えない。
「…ずいぶん仲がよろしいですわね」
ジュリアはジト目でボクとコゼットを見た。
「…お主が最近お兄ちゃんと組んでる『陽光の中を歩く者』とやらか。さぞかしお兄ちゃんの足をひっぱっているのじゃろうのう」
コゼットも険しい目でジュリアを見る。
「わたくしはいつもロキと一緒にいますからね。まだまだ未熟なのでかばってもらうことも多いですわ」
そういうジュリアはなぜか得意げだ。いつもボクと一緒にいるのを見せ付けたいのかな?
「フン。儂の方が付き合いが長いわい」
「大切なのは密度ですわ。もうロキはわたくしの体じゃないと満足できないんですの」
ジュリアは勝手なことを言いながら胸を張って豊満な肉体を強調した。
「ウソじゃな。お兄ちゃんはロリコンの道に引き込まれておるから儂の幼児体型がないと生きていけないのじゃよ」
コゼットも適当なことを言っている。君たちは一体ボクをどうしたいんだよ。
「あーはいはい。頼むから落ち着いてね」
ボクは2人の頭を撫でた。
「ふにゅ」
「はぅん」
2人ともうっとりとした表情で目を細めた。なぜかボクが撫でるとみんな落ちつくんだよね
それからしばらくしてボクはコゼットにここに来た理由を説明した。
「…そうか。お兄ちゃんの知り合いがのう…」
「うん。そういうわけでフィアボルトに行きたいんだけどコゼットはどうする?」
ボクがそう聞くとコゼットはボクに強い視線を向けた。
「行くに決まっておろう。各地のサバトでも問題視されておるし、なによりスーザンが心配じゃからの」
「わかった。それじゃよろしく」
ボクが手を伸ばすとコゼットはボクの手を握った。
「うむ。よろしくなのじゃ」
それを見てジュリアは頬をふくらませた。
「言っておきますけどロキは渡しませんからね」
コゼットもジュリアをにらみつけた。
「フン。それはこっちのセリフじゃわい」
…もうちょっと仲良くできないかな。原因のボクが口をはさめることじゃないけどさ。
「まあなんとかなるか」
ボクはごちゃごちゃ考えるのをやめて2人を止めることにした・
つづく
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