神々の陰謀

 部屋の中でくつろいでいると何度も感じたことがある気配がした。
「げ」
 ボクは思わず声を上げた。
「どうかしたんですのロキ?」
 小説を呼んでいたジュリアが聞いてきた。
「…すぐにわかるよ」
 明るくて活発そうな気配が2つ、快楽に溺れていながらもどことなくクールな気配が1つ近づいてくる。なんで気配だけでわかるのかって?何度もその気配の持ち主と会ってるからに決まってるじゃん。
「「ロキ兄ちゃんおっひさー☆」」
「久しぶりだねロキくん」
 現実逃避してる間に窓から小柄な影が3つ抱きついてきた。…あの、ジュリア?殺気をこめてにらみつけるのやめてくれない?
「エンジェルとダークエンジェルにまでフラグを立てるとは。わたくしとしたことがあなたの女たらしぶりを見くびっていたようですわね」
 ジュリアは怒り8割、驚き2割くらいの視線を向けてきた。いや、他に驚くことがあるんじゃない?なんでエンジェルがダークエンジェルと一緒にいるのかとか、ベントルージェなんていう親魔物領にエンジェルがいるのかとかさ。
「「お姉ちゃん誰?」」
 鏡にうつったように瓜二つのエンジェル2人組がジュリアに気付いて目を丸くする。最後に会ったときにはいなかったからね。
「多分父さんが話してたヴァンパイアじゃないかな?」
 やっぱりそういうこと把握してるんだ。さすが神だね。
「…ヴァンパイアのジュリアですわ」
 ジュリアは少し不機嫌そうに言った。3人はニヤニヤ笑いながら体を離す。やっぱりわざとやってたんだね。
「ミリーはミリエルだよ。よろしくね☆」
 髪を右にサイドでまとめたミリーがあいさつする。
「メリーはメリエル。ミリーとは双子だよ。よろしく☆」
 左にサイドでまとめたメリーもあいさつする。あいかわらず元気だね。
「ダークエンジェルのグルニエルだ。よろしくジュリアさん」 
 長髪でクールっぽいグルニエルがあいさつする。この娘も変わりないみたいだね。やっぱり双子の暴走エンジェルには苦労させられてるのかな。

「それにしてもエンジェルがベントルージェ領に何しに来たんですの?しかもダークエンジェルと一緒になんて聞いたことありませんわ」
 ジュリアは疑わしげに聞いた。少し今さらすぎるような気もする。
「安心していいよジュリア殿。私たちは主神なんかに派遣されていない。父さんはかなり魔物に寛大な神だよ」
 ジュリアはボクに視線を向けてきた。ボクがうなずくとジュリアは少し落ち着いたみたいだよ。
「「パパは楽しいことや気持ちいいことが好きだからね☆」」
「逆に快楽を理不尽な理由で制限されたり、誰かが傷つくのを見るのは大嫌いなんだ」
「…なるほど。確かに主神とは相容れませんわね」
 ジュリアは少し警戒をゆるめた。主神は快楽が嫌いで、それを理由に快楽を与える魔物を殺しているということになってるからね。…少なくとも表向きでは。
「でもそんなに魔物寄りの神ならなんでグルニエルさんはダークエンジェルに堕ちてしまったんですの?」
 確かによっぽど厳しい神じゃない限り堕天するようなことはないっぽいからね。
「あー。グルりんは快楽を求めすぎちゃったんだよ」
「それに合わせて体がダークエンジェルになっちゃったんだってさ」
 ジュリアは意外そうな目を向けた。見た目がクールなだけに想像しにくいんだろう。
「まあついついやりすぎてしまったというわけだよ。ジュリアさんにも経験があるんじゃないかな?」
 グルニエルはボクの方を見てニヤニヤ笑っている。インキュバスになったことがバレてるみたいだね。ジュリアは顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。 
  
「…それで今回は誰を倒せばいいの?」
 ボクはあまり入りたくない本題に入ることにした。
「なんでそんな嫌そうな顔するの?」
「メリー達のこと嫌いなの?」
 ミリーとメリーが泣きそうな目で見つめてきた。
「君たちのことは好きだよ。一緒にいると楽しいしね。でも君たちが来るってことは教会のゴミ掃除に関することだろ」
 ボクの言葉にグルニエルは申し訳なさそうな顔をする。
「すまない。このようなことに巻き込んでしまって」
「気にしなくていいよ。君たちはあくまで伝令だし、何も知らないで対処するよりはマシだからね」
 ボクがそう言うとグルニエルはいくらかほっとしたような表情を見せる。

「…話が見えませんわ」
 ジュリアがむくれながらにらみつけてきた。自分だけのけものにされてるから怒ってるんだろう。さて、どこから説明しようかな。
「…昔レイがいるレストランで教会から変なのが来るって話したの覚えてる?」
 ジュリアは一瞬考えた後顔をあげた。
「ああ。そう言えばロキと初めて会った日にそんな話を聞きましたわね」
 どうやら思い出してくれたみたい。これなら話が早い。
「その時教会を裏で操ってる
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