DяΕ∀Σ

俺は確かにベッドで寝たはずだった。
けれども目が覚めるとそこは冷たい石の床の上で、
なぜか目の前にみかんが転がっていた。

「...みかん...冷てぇ」

むくりと起き上がって辺りを見回してみる。
薄暗い。
っていうかここはどこだ?
夢か?現実なわけがないよな?
ゆっくりと立ち上がるとみかんが裸の女性になっていた。

「...は?」

あまりにも予想外の出来事に首をひねる。
一体何が起こった?
みかんが女の人に変わったけど...

その女性はゆっくりとこちらへ歩いてくる。
しかし、スタイル抜群だ。
ちょうどいい大きさでつんと立った乳首の胸といい、きゅっとしまったウエストといい、大ぶりでも小ぶりでもないがやはりちょうどいい大きさの尻。
プロポーションは抜群だ。
無論顔もそれに劣らないほどの美人だ。
でも...何故だろう?
ち○こが勃たない。
欲情さえ湧いてこない。
きっと綺麗過ぎるせいだ。うん。そうに違いない。

その女性は俺の目の前まで来て止まった。
そしてゆっくりと俺の手を取り、自らの胸へ持っていく。
でも、俺はその手を振り払った。

女性は驚いているみたいだ。
何故手を振り払われたのか納得のいかない表情をしている。

フン 俺はあなたのような女性は好みではない...

なぜなら俺はッ

ロ○コンだからなッ

そういうわけで俺はほっぺたを思いっきりつねってやった。

すっごく痛い。

痛い....あれ?

おかしいな...起きられないぞ?

俺が頭上に疑問符をぷかぷか浮かべているとまた女性がにじり寄ってきた。
大方押し倒す気なんじゃないだろうか。
案の定その通りだったようで、すばやい身のこなしで飛び掛ってきた女性を軽く避けてやった。

フッ 遅いな....

なんて油断してたら足払いをかけられた。
受身も取れずしたたかに石の床に叩きつけられ...
って場面を想像したんだろう。たぶん。
でも俺は身体を縮めて何とか床に両手をつきハンドスプリングの要領で復帰した。

...あっぶねぇ 物心ついたときから体操やってなかったら今頃...

はっ 

なにやら背中にザクザクと突き刺さるような視線を感じ振り返ると...
例の女性がこちらを睨みつけていた。
心なしか両目が潤んでいるように見える。

やばっ 泣かしてしまったか...?

それになにやらブツブツとつぶやいている。
耳を傾けてみると...
聞くんじゃなかった。
コ○す系統の罵倒を連発しております本当にあr(ry

まずい...これは本気でまずい...
アレか?妖艶な容姿でひきつけて喰らうタイプの化け物だったのか!?
俺はてっきり最近見つけたエロなんたら図鑑とやらに載っているナイトメアだとばかり...
いや、それにしては出来すぎか。
ありえないよな、うん。

例の女性は相変わらず 全 裸 でこちらに呪詛を呟いている。

もうやめてー 夢に出てくる...
あ、これは夢か。

俺が一人ツッコミしている間に女性がこちらに向かって走り出した。
つまり俺が正気に戻った頃には目の前まで来ていたというわけだ。
俺は本能的に後ろに跳んだ。
そこへ女性のハイキックが叩き込まれる。

...なんだかいろいろ見えた気がする。

たぶん正常な性癖の男なら鼻血噴出してぶっ倒れていただろう。
しかし俺は違う!
なぜなら俺はッ

うおっと危ないっ

脳内でおそらく異常な性癖を叫ぼうとした直後右ストレートが打ち出された。
かろうじてかわす。
が、頬に痛みが走った。
あわてて手をやると生暖かい。
嫌な予感がしてその手を見つめると...赤い液体が付着していた。

 ガ チ で 殺 さ れ る 

本能でそう悟った俺は腹に打ち込まれそうになった膝蹴りを後ろに跳んでかわし、ハンドスプリングで距離をとった。
数メートルは距離をとったが女は相変わらず呪詛を呟きながら 全 裸 でこちらに向かってゆっくりと歩いてくる。
今にも吹っ切れて豪快に笑いながら突っ込んできそうな気がする。
軽くトラウマになりそうだ。

それにしてもどうするか...
確かに体操は習っていたものの、当然ながら戦闘なんかするためじゃなく、もちろん攻撃を回避するためのものでもない。
最近ではダンスを趣味でやっているものの、それだって石の床じゃブレイクダンスなんて出来たもんじゃないし、他のだって恐くて出来ない。
相手の体力が尽きるまで待つか?
いや、たぶんそれは無理だ。
相手は明らかに人間じゃないし、俺はれっきとした人間。
たとえ夢の中であろうが現に息が上がってる。
無謀にもほどがある。
じゃあどうすればいい?
どうすればっ

俺はだんだんと近付いてくる不気味な女から逃げつつも頭をフル回転させる。

みかん。

突然みかんが頭に浮かんだ。
あれ?前方にみかんが見え
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