チョコっとバレンタイン!!

今日は2月13日。
ここは親魔物領の町ジラード。
町の一画にある一軒のお菓子屋の厨房に数十名の魔物娘が集まった。
「は〜い、みなさ〜ん!!
それではこれからチョコ作り教室を始めま〜す!」
「は〜い!!」
店員のの掛け声で各調理台ごとに分かれた魔物娘達は一斉に作業を開始した。
彼女達の目的は皆同じ。
大切な人へのチョコを作ることである。

その中、ある調理台では5人の魔物娘が作業していた。

「よし、形はこれでいいわ。
後は飾りつけだけね。
どんな形にしたら気に入ってくれるかな?」
説明通りにチョコを作るのはローパーのセリア。

「あはは〜!
チョコ〜、チョコ〜、エムルへのチョコ〜!」
ケセランパサランのラフィはチョコを作る際に自分の毛玉を撒き散らしているのにまったく気付いていない。

「・・・・」
一言も喋らず黙々と作業をするマンティスのロート。

「普通のチョコじゃ面白くねぇな・・・
ま、こんなこともあろうかと虜の実のエキスを持ってきて正解だったぜ!
これを食ったあいつらとバレンタインは乱交三昧だな!!」
なにやら怪しい発言をするのはアルプのメイル。

「ふっふっふっ、このソノミスペシャルチョコで先生のハートをがっちりゲットしてやりますよ!
え〜っと、チョコは溶かしたから調味料として塩と胡椒と隠し味に・・・」
チョコと呼ぶにはおぞましい何かを作ろうとしているスフィンクスのソノミ。


暫くしてそれぞれのチョコが完成し、用意されていた箱に入れリボンを結んで・・・
「上出来ね!」
「出来た〜!」
「・・・」
「まぁ、こんなもんだな!」
「完成です!」
全員が作業を終えた後、着替えるために調理台を離れると後には同じ包みの5つのチョコが残った。

そこへ・・・
「だあ〜っ、遅れちまった!!
俺を置いて着替えに行っちまうなんてひでぇよ!!」
作業に手間取っていた別の調理台のオーガが彼女らの調理台の傍を走り向けようとした時、事件は起きた。

グワッシャ〜ン!!

オーガは調理台にわき腹をぶつけてしまった!
吹っ飛ぶチョコ。
「痛つつ・・・!
おっと、元通りにしとかないとな。」
しかし彼女は困ってしまった。
「やべぇ・・・どれが何処にあったかわかんねぇぞ・・・」
暫く考えたが、
「う〜ん・・・ま、適当でいいだろ・・・
・・・
これでよしっと!」
落ちたチョコをさっと元通りにして走り去るオーガ。
その後戻ってきた5人は自分達の作業場所に置いてあったチョコを持って自宅に戻った。
彼女達は気付いていない。
この行動がそれぞれの明日のバレンタインに波乱を生み出すことを・・・



そして明くる2月14日。
「ん〜、朝か・・・」
冒険者エムルはベッドの中で差し込んでくる朝日に目を細めた。
「もう少し寝るか・・・」
そう呟いて寝返りをうった彼の顔に・・・
「あはは〜、エムル〜!!」
「うおっ!!」
フワリとラフィがぶつかった。
「おい、ラフィ勘弁してくれ。
昨日は一日依頼を受けていて疲れてるんだ・・・」
エムルが呻いてもラフィは気にせず、ニコニコしながら箱を差し出した。
「何だこりゃ?」
「えへへ〜、きょうはなんのひ〜?」
「今日?
2月14日・・・ああ、バレンタインか!!」
「せいか〜い!!」
「まさか、これチョコか!?」
「うん、ラフィが作った〜!」
「そうか、どれどれ・・・」
エムルが箱を開けると中から豪華に飾り付けられたチョコが出て来た。
「おおっ、こりゃすごいな!!
ラフィこんなチョコ作れたのか!?」
「あはは〜!
(あれ〜、ラフィのチョコこんなだっけ〜?
でも、エムルよろこんでるしいいか〜)」
「パクッ・・・
うん、味も最高だ!
ラフィお前も食え。」
「うん、あはは〜!!」
「わっはっはっ!!」
二人はニコニコ顔でチョコを頬張った。



それとほぼ同じ時間、
「おし、全員集まったな!」
メイルは自分の屋敷の使用人達、ノーリ、ユーリク、キジェ、ネオニア、オニキス、ウォレス、ナバリの7人を自室に呼んだ。
「どうしたんです?
私達全員を一度に呼び出すなんて。」
「あー、そのことだがな、ノーリ・・・
お前達は俺のために日々、一生懸命働いてくれているな。」
「そりゃそうです。
俺達はあの日、メイル様に襲われてから一生付いていくって決めたんですから。」
「うれしいぞ、キジェ。
そこでだ、今日はそんなお前達にプレゼントがある!!」
「?」
「これだ!」
首を傾げる男達にメイルは一つの箱を差し出した。
「俺の手作りチョコだ。(媚薬入りだが)
ありがたく食べろよ。
いいか、これはあくまで日ごろの感謝を込めての報酬だ、感じ外するな!」
そう言って胸を張るメイル。
「・・・ヒソヒソ(今日ってバレンタインだったよな?)」
「(ああ、好きな相手にチョコを送る日だ
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