「さて、ここのはずだが・・・」
海岸で地図を手に俺は呟いた。
俺の名はコレック。
親魔物領ジラードに事務所を構える探偵だ。
「先生〜、まだ着かないんですかぁ〜?
もう数時間歩きっぱなしですよ〜?」
横で文句を言うのは俺の助手であるスフィンクスのソノミ。
行動力はあるのだが少し考えが足りないのが困ったところだ。
「大体、何で私達が事務所からこんな遠くまで歩かなくちゃ・・・ブツブツ・・・」
ソノミ君の愚痴を聞きながら俺は俺達がここに来た原因を思い出していた。
五日前のこと・・・
俺達が事務所でくつろいでいた時の事だった。
トントン
「すいませーん!
お届け物でーす!」
「はーい!」
応対に出たソノミ君はしばらくして一つの袋を抱えて戻ってきた。
「それはなんだい?」
俺の質問に彼女は首を捻った。
「さぁ・・・あて先がこの事務所になっていますが、差出人が書いてありません。」
「ふむ・・・」
袋を受け取って、少し振ってみるとチャラチャラと音がした。
「一応、危ないものでは無さそうだが・・・」
用心しながら口を開けると中身が大量にテーブルに零れ落ちた。
「わっ、これ金貨じゃないですか先生!
しかもこんなに!」
ソノミ君が思わず飛び上がる。
よく見ると金貨と共に手紙と地図が入っていた。
『コレック様
助けてください。
私は命を狙われています。
つきましては貴方の力で私の命を守っていただきたいのです。
金貨は依頼料です。
五日後、地図に示した所まで来てください。
オリファ』
手紙にはそう書いてあった。
「何ですかね、これ?
怪しいにおいがプンプンします。」
「確かにな。
しかし手紙には命を狙われていると書いてある。
こんな大金を一緒に入れてくるとは悪戯の可能性は低い。
幸い、今は他に依頼も無いから行ってみようじゃないか。」
そんなことを思い出しながら歩き続けた俺達はやがて船着場にたどり着いた。
「ここが手紙にあった所ですかね?」
「おそらくな。」
俺達がそんな会話をしていると・・・
「誰だ、君達?」
後ろからそんな声がした。
振り向くと大剣を担いだ精悍な男が立っている。
「ああ、私達は・・・「他人に名を聞くときはまず自分から名乗るものじゃないのか?」
ソノミ君の言葉を遮って俺はベタな台詞を口にする。
この男ただ話してるだけの様に見えるが身のこなしに隙が無い。
おそらくかなりの猛者だ。
この依頼に関わりがあるなら依頼内容が命に関わってるだけにあまりこちらからベラベラ身分を明かすのは良くないな・・・
「・・・・・」
男はしばらく黙っていたがやがて、
「・・・フッ・・・」
と笑って自己紹介を始めた。
「ハッハッハッ!
礼を失してすまない。
俺はケビン=ゼーレフォン、ケビンと呼んでくれ。
オリファさんから助けてくれって呼ばれてここに着たんだ。」
そう言って彼は懐から俺達が持っているものと同じ地図を取り出した。
どうやら彼は信用できそうだ。
「分かった。
俺は探偵のコレック。
あんたと同じくオリファさんからの依頼でここに来た。
こっちは・・・」
「先生のスーパー助手、ソノミです。
よ・ろ・し・く♪」
ソノミ君のアホな自己紹介にケビンは少し驚いた風だったが、俺が肩をすくめて見せると納得した様に頷き、
「そうか、よろしく。
コレックにスーパー助手のソノミさん。」
と俺達と握手した。
「なるほどな。
コレック達はそういう風に依頼を受けたのか。」
俺からここに来た過程を聞きケビンが言った。
「と、言うと・・・?」
「俺は魔物を討伐する旅をしていてね。
ああ、討伐するのは周囲に危害を加えてる奴だけだから身構えないでくれ。」
魔物を討伐と聞いて思わず身構えた俺達をケビンはそうフォローした。
「それでだ。
旅の途中でしばらく滞在することになった近くの町で一人の女の子がゴロツキに絡まれていたんだ。
放って置けなくてゴロツキを追っ払って宿に戻ったら、俺宛にあんたのところに来たものと同じような手紙と金が届けられたんだ。
どうやら俺がゴロツキを追っ払う所を見てたらしい。
困ってる人は常に助けるのが俺の主義でね。
指示されたとおりの場所に来たってのが今って所だ。」
なるほどな。
どうやら俺達の他にも依頼を受けた者がいるってことか・・・
俺が考えをめぐらせていると沖の方から一艘のボートが近づいて来るのが見えた。
ボートは俺達の目の前で止まり、中から一人の青年が現れる。
「すいません。
貴方達はオリファ様の依頼を受けたコレックさん、ソノミさん、ケビンさんですか?」
「ああ、そうだが。」
「では地図を見せてください。」
俺達が地図を見せると青年はそれを確認した。
「はい、確かに。
それではこれか
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