旅の物語。街と路地裏。

お昼頃を過ぎてようやくお風呂を終えた2人。アルは旅装束に着替え、クレアは局部を鱗で隠せば手を繋ぎ、ホテルから街へと向かうために部屋を出て、廊下を歩いていく。


「受付の人、昨日と違うね」


「たしかに……まあ、いつも同じ者が居るわけではないとは思うが」


「それもそっか」


階段から降りて受付の前を通り過ぎれば、昨日受付をした刑部狸ではなく、代わりに5本の尻尾を生やした妖狐が受付にいた。通り過ぎる2人を妖狐は微笑みながら見送るのであった。2人はホテルを後にすると街の散策をするために活気溢れる露店通りに向かう。


「昨日もそうだったけど、すごい賑やかだねー」


「何か掘り出し物でもあれば買ってみるのも……」


「あ、クレア。あれ美味しそうー」


品定めしていたクレアの腕を引くようにアルは串焼きを売っている露店に向かう。その露店は少し人が居る程度には人気があり、アルの子どもらしい行動にクレアは思わず笑みをこぼしながらその露店へと移動する。朝ごはんもお昼ご飯も食べていなかったためお肉の焼けている匂いに思わず空腹感を覚える。


『いらっしゃい
#8252;魔界豚の串焼きだよ
#8252;少し他より値段は高いがかなり厳選してる一品だ
#8252;』


「えーと…すみません。2本くださいー」


『まいどー
#8252;よし、カッコいい坊ちゃんと綺麗なねぇちゃんにはサービスしないとな
#8252;おまけで1本追加だ
#8252;』


「やったー」


「ふむ、それはありがたい」


2本分の代金で紙に包まれた3本の串焼きを受け取れば露店の店員へと周りの人達が値引きを求め始める。しかし、店員は笑いながらその要求を却下していた。


『綺麗なねぇちゃんと仲睦まじい様子を見せてくれたら考えてやってもいいがな
#8252;』


そんな様子を眺めながらもアルとクレアは串焼きを食べようと近くのベンチに隣同士でくっつくように座る。そして、まずはお互いに1本ずつ手に取れば熱いうちに串焼きを食べていく。その肉の柔らかさと美味しさに2人は夢中で1本を食べ終えてしまう。


「すごく美味しかったー」


「少し高いとは言っていたがこれほどなら文句はないな…」


「うんー。それでクレア……最後の1本なんだけど……」


「アルが食べてくれて構わない」


「クレアもこのお肉食べたいよね?半分個ずつ食べよう?」


「アルがそう言うなら……」


アルが最後の1本を見ながら言えばすぐにクレアはアルに勧めるがアルは最後の1本を手にとっては半分個ずつと言ってくる。クレアも食べれるなら嬉しいし、アルからの提案を断るのもと思い頷くとアルはお肉の半分を食べるとクレアに渡す。クレアは残りのお肉を食べると串を近くのゴミ入れに捨てる。


「美味しかったね
#9825;」


「そうだな
#9825;むっ……アル、口が汚れてしまっているぞ?」


「あっ……何か拭くもの……」


「ふふ、目の前にあるだろ?
#9825;」


「え…?んぅ……//」


口元を拭くものがないか探していたアルだがクレアの言葉に少し動きを止めた時にはクレアの舌がアルの唇を舐め始めている。露店通りからは外れている場所にあるベンチだが、それでも通行人は多く通っているためアルとクレアのキスは当然、多くの通行人から見られてしまう。


『お熱いわね……ねぇ……私もキスして欲しくなっちゃった……』


通行人である、人とサキュバスの夫婦はアルとクレアのキスシーンを見ては通りから外れて通行の邪魔にならない場所でキスをし始める。


『……ご主人様。ちょうどあそこに食べると少し口元が汚れてしまいそうな露店がありますね。美味しそうですね。行きましょう』


通行人である、人とキキーモラの夫婦はアルとクレアのキスシーンを見ては、手を引いて露店へと向かっていく。偶然にもアルたちが行った露店に向かっていく。もしかするとこれを見越してのサービスだったのかもしれない。


周りからの視線が感じながらもクレアはキスを続けていき、アルも最初は驚いて身体を緊張させていたがキスを続けていけば周りに見られていることも忘れてしまってクレアとのキスを楽しんでいる。


「クレア……//んっ……//れろぉ……//」


「んちゅ……//ちゅぅ……//アル……れろぉ
#9825;」


すでに口元を綺麗にするために始めたキスであることをアルとクレアは完全に忘れてキスに没頭してしまっている。お互いの舌同士が絡み合い、唇を重ねて押し付けあう。どちらもキスを止めることなく続けていけば当然のようにアルのおちんちんは反応して硬くなってしまう。


「キス気持ちいい……
#9825;」


「んふふ
#9825;興奮してしまった
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