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綺麗な雪が降っていた。しんしんと積もる雪が音を吸収して、世の中の喧騒さえもとどかない静謐で世界が包まれている。詩的だとは感じていても、そう思わずにはいられなかった。静かで、静かすぎて。お互いの息遣いしか聞こえない。肩で息をしながら、お互いの吐息を顔面に吐きつけながら、無我夢中で身体を貪り合う。音が吸収され、相手以外に何も見えなくなるまで延々と。
切羽詰った余裕のない息遣いから、相手がすでに限界なことを悟り、僕は乱暴に、壊すように腰を打ち付ける。彼女の小柄な身体は全身が性感帯になったかのように打ち震え、快楽を享受する喜びに蕩けていた。下半身が強張り、強烈な収縮を繰り返して脱力すると同時に僕も果てる。快感の迸りが子宮に向かって放出され、膣内で力強く脈動を繰り返す。射精後特有の倦怠感は訪れず、未だ興奮冷めやまない情欲を持て余す。が、それでも少しだけ辛そうにしている彼女を見ると、その気持ちも薄れた。
ぎゅっと彼女を抱き寄せると、嬉しそうに頬を緩ませる。額に珠のような汗を浮かべながらも、どこか美しいく可愛らしいその顔に、キスをすると彼女も負けじとキスをし返してくる。ムードを察してか、傘内部の長大な舌が僕たちに巻き付いた。蛇が獲物を捕食するときに似たそれは、しかし獰猛さとは無縁のものだった。
ねっとりとしたものが素肌に触れる感覚には未だに馴れず、くすぐったくもあるが、それでも自分を求めてくれているのだと思うと自然と温かい気持ちになれた。
初めて彼女に出会った時にこそ戸惑ったけれど、こうして身体を重ねていくうちに僕の中ではもう明確な輪郭を孕んだ大切な存在になっていた。つつましい胸も、しとどに濡れる女陰も、すっかりほだされて快楽に溺れるだらしない表情も、全てが愛おしいと同時に貪りたくなる。変態と罵られようが、蔑まれようが変わらないであろう原始的な欲求。
既に何度かお互いに絶頂を繰り返しながらも、行為が終わる気配はない。隠しようのない男女の爛れた瘴気が疲労すら麻痺させているのかは定かではないが。
休憩しながらも、互いに性器に手を伸ばして緩やかな愛撫を繰り返すあたりまだまだ元気なようだ。彼女のこちらをいたわりながらも、もっと深いところまで堕ちることを望む声音に、僕の理性はゆるやかに溶けていった。
男根はすでに三度射精をしているが、鋼のような堅さを保ったまま痛いほど勃起している。まだまだ、求めあう時間は終わらない。雪が降る中、僕たちは求めあう。
季節が流れるようなスピードで、彼女の『傘』が閉じられた。唐傘おばけという種族は、こうしてお互いしか視界に入らないようにするのも大好きらしい。なんというか、実に魔物娘らしい。それでも悪い気がまったくもってしない僕は、既に毒されている。
快楽と彼女に、毒されている。
雪が見えなくなったのは少し残念だったけれど、薄暗い中に彼女がいるだけで心に明かりが灯った気分になった。色濃くなっていく色欲の炎を昂ぶらせながら、彼女の唇を貪った。それと同時に再び彼女の膣内に肉棒が侵入を果たし、牝肉が敏感な粘膜を擦りあげる。淫臭がぐっとその密度を増し、時間の感覚さえ遠いものになっていく。
彼女の腰がうねる度に、神経が焼き切れそうな快楽が襲い掛かり、悦楽が身体から染み出していくのがわかった。切なげな声を上げ、必死に腰を上下に動かして献身的な奉仕を試みる彼女に対して嗜虐心を擽られた僕は、わざと律動のタイミングをずらして腰を思いっきり打ち込んだ。亀頭が丸い肉の輪にぶつかる感覚がし、彼女の腰がわずかに浮くと同時に淫らな悲鳴が耳朶をうった。
結合部から淫猥な水音をたてながら、突然リズムを崩されたことに悶える彼女を容赦なく責める。膣肉が甘美な収縮を繰り返してそれでも健気に子種を搾ろうとするが、それを強引に掻き分けて腰を推し進めるとたちまち肉襞はほぐれてしまった。甘い痺れが脊髄を走り、連続的に脳に電気信号を送り込む。
喘ぎ声と結合部の水音に、肌と肌がぶつかり合う音。心地いい、しかしぞっとするほどに退廃的なコーラスが奏でられ、もう僕たちの行動は一種狂気じみていた。狂喜に打ち震え、脳髄を悦楽と衝動で痺れさせる。
互いしか見えない。
互いしかいらない。
二人だけの淫靡な空間で、僕たちは交わり合っている。互いの体温を同調させて、快感までもシンクロさせて。
心臓が早鐘を打ち、どんどん思考が短絡的になっていく。はやく絶頂を迎えたい。旺盛な性欲に従順に、肉の鰓で引っ掻くようにして彼女の膣内をかき回す。貪るようにキスを繰り返し、唇の周りを唾液でどろどろに濡らしながら、呼気で肌の撫で合いを続けながら僕たちはたった一つの絶頂に向かって昇っていた。
最後の理性の薄い膜を切り裂いて、僕の身体は痙攣した。細切れになった理性をよそ
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