「バジル、耳かきしてあげる!」
「……は?」
……我が妻メアリーよ、部屋に戻ってくるなり何を言い出すんだ。
「だから、お耳の掃除をしてあげるの!」
「なんでだ?」
「え?」
「なんでまたそんな事を?」
とりあえず、頭に浮かんだ疑問をそのままぶつける。
「なんでって、耳の中が溜まってきたんじゃないかな〜、なんて思って」
「いや、子供じゃあるまいし、耳掃除くらい一人で出来るぞ」
「ぶぅ〜!分かってないなぁバジルは。寂しく自分で自分を慰めるオナニーの如くお耳を弄るより、可愛いお嫁さんにセックスの如く隅から隅までたっぷり愛情を注がれながら弄繰り回される方が快感でしょ?」
「なんでそう話に下ネタ成分を含ませる?」
「分かりやすいでしょ?」
「どうでもいい」
性格は子供っぽいのに口から出てくる言葉は卑猥なものばかり。
流石は現魔王の娘と言うべきか。
「そうだね、たとえ話なんてどうでもいいよね。というわけで、さぁどうぞ!バジル専用の膝枕だよ〜♪」
「何がというわけでだ」
ショートパンツから露わになってる肉感的な腿をポンポンと叩くメアリー。色々とそそる仕草だが、今はちょっと……。
「済まない。別の機会にしてくれ」
「もう、何時まで経ってもツンデレだね。バジルしか味わえない特別な枕なんだよ?ここは素直に甘えてよ」
「そうしてやりたいが、その必要は無い」
「え〜?なんでなんで?私に膝枕されるの、嫌なの?」
「そうじゃなくて、本当にやる意味が無いんだ」
別に膝枕は嫌いじゃない。寧ろ……まぁ、好きだが。
「え?なんで?ちょっと意味分かんないんだけど……」
「いや、実はな……もう今朝起きた時に済ませた」
「は?」
「朝起きた時に心なしか音の聞こえが悪く感じてな、もうそろそろだなと思って自分で耳掃除したんだ」
「…………」
つまり、もう綺麗にしたところをまた綺麗にする意味は無いと言う事だ。
「まぁ要するに、俺の耳の穴はもう掃除済みってことだ。これ以上やる必要無いだろ?」
「……なんで……」
「ん?」
……なんだ、そんなにポカーンとして……。
「なんで君は私のお楽しみのお時間を奪い去ってくれるのかなぁ!?」
「知らん。てかお楽しみって言い過ぎだろ」
「何言ってるの!大好きな旦那様と触れ合える時間がどれほど貴重なものか分かってるの!?私、バジルに膝枕してあげるの楽しみにしてたのに!」
そこまで思ってくれていたとは。嬉しいことだがタイミングが悪かったな。
「それは悪かった。じゃあまた今度頼む」
「やだっ!今やりたいの!」
また我がまま言って……。
「また溜まったらやってもらうから……」
「や〜だ!待てない!今やりたい!」
「かくべきものも残ってないんだから意味無いだろ」
「意味無くてもやるのっ!」
「それこそ意味分からん……」
なんで耳かき程度のことでそんな屁理屈を並べるんだ。
「……やりたい……」
「?」
「やりたいやりたいやりたいやりたいや〜り〜た〜い〜!!」
挙句の果てにベッドの上で駄々こねて……本当に子供だ。18歳の子供だ。成長したのは身体だけだ。
「いい歳してジタバタするな!そんな子に育てた覚えはないぞ!」
「バジルと私は親子じゃなくて夫婦でしょ!」
「分かってたらいい歳して駄々こねるな!」
「じゃあ耳かきさせてくれる!?」
「それとこれとは別」
「やだやだやだ〜!お耳掃除したい!し〜た〜い〜!」
……世界広しと言えど、耳かきしたくてベッドの上で子供みたいに駄々をこねる女の夫は俺しかいないのだろうな。
「全く……いい加減にしないとお仕置きするぞ!」
ちょっと強めの一声を放った瞬間、動きがピタッと止まった。
お?少しは効いたか?
「……お仕置きって、どんなお仕置き?」
枕に顔を埋めながら上目遣いで見つめてきた。
どんなって……あ〜……えっと……。
「ん〜……お尻ぺんぺんとか?」
子供か!
ってツッコミが来るかもしれんが、子供みたいな妻にはそれがちょうどいい。
「……お尻……ポッ
#9829;」
……待て待て待て。なんで枕を抱きしめてモジモジする?
なんで頬を赤くしてトロ〜ンとした目付きで見つめてくる?
そしてなんで物欲しそうな目を向ける?
「バジル……私のお尻、触りたいの?だったらいいよ
#9829;好きなだけ触って……」
そこでショートパンツを脱ごうとしてる妻。
流石リリム、卑猥。
「触りたいなど一言も言ってないぞ」
「あ、やっぱりバジルってお尻よりおっぱい派?いいよ
#9829;いっぱい揉んで……」
すぐにシャツを脱ごうとする妻。
流石リリム、淫乱。
「だから何故話に下ネタ成分を含ませる?」
「好きだから!」(キリッ)
「何が?」
「エッチな事!でもバジルはもっと好き!」(キリ
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