「はぁぁ!!」
私はオリヴィアとか言うドラゴンへ駆け寄り距離を縮め、レイピアによる縦斬りを繰り出した。
「Flying!!」
だが、オリヴィアはその場で高く飛び上がり、私の斬撃をかわした。
「さぁ、空中の敵とどう戦う!?」
オリヴィアは空中で滞空したまま、挑発的な笑みを浮かべた。
上等だ!こっちから向かって来てやる!
「空を飛べるのは……貴様だけじゃない!」
魔力で背中に黒い翼を生えさせ、滞空しているオリヴィアに突進した。
「何!?」
私が飛べる事など予期もしなかったのだろう。オリヴィアは私の翼を見るなりひどく驚いた。だが、私は構う事無くレイピアの切っ先をオリヴィアに向けたまま突撃した。
「うぉっと!」
それに対しオリヴィアは身を翻して私の突撃をかわした。私は空中で止まり、背後にいるオリヴィアに向き直った。
中々素早いな……十分気を付けなければ……!
「ヒュ〜♪あんた、飛べるのか?空中バトルとは、ホントに楽しめそうだ!」
オリヴィアは楽しそうな笑みを浮かべながら身構えた。
そこまで余裕を見せるとは……癪に障る!
「その減らず口、二度と叩けないようにしてやる!」
「OK!Come on!」
私とオリヴィアは勢い良く翼を羽ばたかせ、同時に迫った。
「はぁぁぁぁ!!」
「うぉぉぉぉ!!」
私はレイピア、オリヴィアは両手の爪で怒涛の斬撃を繰り出した。互いに連撃を繰り出す度に、レイピアと爪がぶつかり合う音が響き渡る。
このままでは埒が明かない……!
私は瞬時に後方へ引き下がり、一旦オリヴィアとの距離を取り、レイピアをオリヴィアの頭上目がけて投げ飛ばした。
「……!?」
私の突拍子もない行動にオリヴィアは目を丸くしながらもレイピアに視線を奪われた。
コリックに手を出した罰だ!串刺しになれ!
私は片手の人差し指を下に向かって下げた。それと同時に、レイピアが物凄い速さで切っ先からオリヴィアの頭目がけて突進してきた。
「おわぁ!」
「……ちっ!」
くそっ!かわされたか!
咄嗟にかわされた事を心の中で毒づきながらも、私は人差し指をクイッと曲げてレイピアを自分の方へ引き戻させた。レイピアはクルクルと円を描きながら私の手元へ戻った。
「……なぁ、あんた……!」
突然、オリヴィアは物欲しげな表情を浮かべた。
……何だ、突然?
「その剣、面白いな!突っ込んで来たり、戻って来たり!ヤバい!欲しい!その剣、欲しい!」
「はぁ!?」
いきなり何を言い出すんだ、この女は!?戦いの最中だと言うのに!
「よし!私が勝ったら、その剣を貰うぞ!」
「はぁ!?」
何なんだ、このドラゴンは!?意味が分からん!
「だ、駄目だ!このレイピアは私にしか扱う事が出来ないんだ!このレイピアには私の魔力が宿っている!レイピアを自由自在に操れるのは私だけだ!」
「……what?じゃあ、なんだ?私じゃその剣を操れないのか?」
「ああ、そうだ!だから貴様が所有する価値など無い!」
「え〜、つまんなーい!」
…………不貞腐れた…………。
もう頭に来た!許さん!逆にこっちが丸焼きにしてやる!
「そうか……ならば堕ちろ!」
私は翼に力を込めてオリヴィアに突進した。その勢いを保ったまま前方に回転し、オリヴィアの脳天に踵を振り下ろした。
「……よっと!」
「なっ……!」
だが、オリヴィアは両手ででいとも容易く私の足を受け止めた。
「怒りに任せて攻撃なんて、無謀過ぎるな!」
オリヴィアは私の足を掴み直す。
な、何だ!?一体、何を……!?
「ジャイアントスイング!!」
「きゃああああああ!!」
突然、オリヴィアが回転し始めた。私の足を掴んだまま放さない為、振り回されてダメージが蓄積されていく。
「どうだ!?空中で回るってのも悪くないだろ!?」
「き、貴様!止めろ!やめ……ぐっ!うぅ……!」
……マズイ……苦しい……このままでは……!
「さぁて……そろそろフィナーレに入ろうじゃないか!」
……何だ?回転が……止まって……!
「沈めー!!」
オリヴィアは下に叩きつける様に私を投げ飛ばした。その先には……海が!
マズイ!私は泳げないのに!このままでは溺れてしまう!
「このまま……沈んで……たまるかぁ!!」
私は体勢を立て直して力を振り絞り、海面ギリギリの所で止まった。少しでも遅かったら海で溺れていたところだ。
だが……!
「Go to sea!!」
私の頭上から勝ち誇った笑みを浮かべながら両手を握って振り下ろそうとするオリヴィアが……!
「調子に乗るな!トカゲが!」
私は咄嗟に身を翻し、オリヴィアの拳を避けた瞬時に、オリヴィアの後頭部に回し蹴りをお見舞いした。蹴りをまともに喰らったオリヴィアは、一旦私から距離を取る
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