「さて、食事も頂いた所で部屋割をどうするかだが――」
教会の慎ましい夕食を御馳走になった後、ニール達は部屋の割り方をどうするかでモメていた。
「まぁ、私とニールが同じ部屋でその他は別の部屋でいいだろう。何せこいつは私のものだからな。」
イヴが大きな胸を強調するかのように張って自信満々にそうのたまう。ちなみに現在は角と翼は隠しているので見た目は普通の人間と大差はない。
「ちょっと待ってよ!それってすごく横暴すぎない?だったらあたしも同じ部屋が良いんだけど?」
ラナが負けてたまるかとオレの腕をとり、イヴに向かって威嚇しながら返事をする。とられた腕が怪力でしびれてきた。もぎとれるのも時間の問題かもしれない。
「あ、あの、だったら私も…なんて…」
しまいにはリディアまでそんな事を言い始める。そう言ってくれるのはうれしいが、今の状況だと火に油を注ぐようなものなので勘弁してほしい。
「お前達そんなことぐらいでケンカすんなよ、ニールも困ってるぜ?どうせこれからも旅は長いんだから――」
「「「そんなことじゃないっ!!」」」
三人の異様な熱気に健気に説得しようとしたバジルも閉口させられてしまう。うちのメンバーのヒエラルキーはやはり女子の方が上にあるようだ。そして、
「……あれ?結局俺の意見は…?」
いつ何どきもこういう時本人の意思は無視される傾向にあるものなのだなぁとニールはちょっと達観して事の成り行きに身を任せるのであった。
さらに数十分に及ぶごたごたの末、結局男女別の部屋に分かれるということで事が落ち着き、それぞれに用意してもらった部屋に分かれて寝ることにした。
「いやぁ、でもとりあえず今日寝る場所が見つかって良かったよな?バジル。」
「まぁ、そこは否定しないがな。気は抜くなよ?」
「わかってるって。」
意外にも小奇麗に整理された部屋のベットに飛び乗ると、刀を置いて体をグッと伸ばし歩き疲れた足を休ませる。
「まったく、呑気なものだよな、お前も。俺達は魔物退治に出かけたはずなのに、何でこんなことになってるんだか。」
「バジルは気を張りすぎだって。それにあのイヴの言ってた事もちょっと気になるだろ?」
「確かに気にはなるが…相手は魔物だぞ?俺達の村はあいつらのせいで無くなったんだ。それを忘れたのか?」
そう言ったバジルの顔はあの時の光景を思い出したかのように険しくそして悲しげな表情になっていた。オレ自身も小さかったあの頃の光景は未だに夢に出て来るほどトラウマになっている。
「いや、忘れた訳じゃないさ。ただ、魔物を倒すだけが本当に解決策に繋がるのかっていうのも疑問なんだ。」
「ふんっ、まぁいいがな。少なくとも俺はアイツらを信用はしない。今も、そしてこれからもだ。」
これ以上の言い合いは必要ないとばかりに話はそこで打ち切られる。
「どこ行くんだよ。」
「ちょっとトイレだ。先に寝てろ。」
そう言い残すと、バジルは扉を開けて出て行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「親分、ヤツら皆寝静まりやがりましたぜ…。」
ニール達が寝ている二つの部屋の前に荒々しい格好をした数人の男たちが息を押し殺しながら迫っていた。
「へっへっ、バカなヤツらだ。まんまと騙されやがって。」
せっかく奪った教会を改装して長い間教会を騙って待った甲斐はある。長年盗賊の頭をやってきたが、こんなに懐の温かそうでしかも女が多いやつらに会うのは初めてだ。
ここで逃すわけにはいかない。
「俺達盗賊が潜んでいるとも知らずになぁ。――それじゃ、お前とお前達は男の方な!俺は女の方にいく…!」
「あっ、親分ズルいっすよ。一人だけ女を一人占めしようだなんてっ。4Pじゃ体が持ちませんぜ?ここはオレもそっちに――」
「だったらオレも――」
「いや、ここはあっしに――」
「だぁ〜、いい加減にしろ!じゃんけんで決めろぃ!!」
親分の命令に渋々部下達は輪を組んでじゃんけんをする。まったくこういう時の部下の間抜けさにはほとほと呆れる。後で散々ヤレるというのに。
「よっしゃ、オレはこっちの部屋だぁ!」
「ちきしょ〜、オレは男の方かよ…。」
「よし、お前ら決まったな?じゃあ突入すんぞ!」
「「「ヘイッ!」」」
扉を気付かれぬように開くと、三つ置いてあるベットにそれぞれ女が三人小さな寝息を立てて眠っていた。どうやら起きる気配はなさそうだ。
「じゃあ、俺様は手始めにこのショートカットの姉ちゃんをヤる。お前達はそっちの色っぽいのとエルフの二人だ。」
そう言うと、下衆な笑いを浮かべながら親分は掛けてあった布団を引きはがすと一気にラナに襲いかかった。
「……!誰だお前!何するのよ!」
女は悲鳴をあげ抵抗しようとするが、もう遅い。
「ふ
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