―――エアナ―――
兄様はすぐに見つかった。
兄様はフィリやクーニャの旦那様と一緒に待機していた部屋に立ち尽くしていた。
「兄様・・・」
ああ、なんだろう。なんだか頭がぼぅっとする。思考に霞がかかったみたいで何だかフラフラしている。
さっきので疲れが出てきたのかな・・・
おかしいな・・・なんだかお腹がすっごく空いた・・・
あ・・・そうだった。血が欲しかったんだ。
「兄様・・・血が飲みたい。血、血、血、血が欲しいよ」
兄様は私の求めに何にも反応しない・・・それって飲んで良いって事だよね。
兄様の首が・・・スゴク美味しそうな頚動脈が・・・綺麗・・・吸わせてもらっていいよね。
カプッ
兄様の首に噛み付いて血を吸い出す・・・
兄様の血が口腔に、喉に、胃に、どんどん流れてくる。
美味しい、美味しいよ。兄様の血は本当に美味しい。
兄様に会うまでは父上に飲ませてもらっていた。
でも、兄様が使用人として母上に連れられて『そろそろ他の男の血を試してみるといい』と母上に勧められて兄様の血を飲んだ瞬間、もう父上の血は飲めないと本能で感じた。
だってこんなに美味しいのだ。こんなに愛しいのだ。
愛しい兄様の血を飲む。
これ以上に■■■事などあるものか。
―――そうだ。この世にこれ以上■■な事などあるものか―――
ああ、兄様の血を飲んでいるだけで魔力が戻ってくる。
それと共にどんどん体が熱くなってくる。
今なら何だって出来るかもしれない。
―――今なら何だって出来るだろう? さぁ、あの時の答えを貰おう―――
そうだ、今もう一度告白しよう。そして・・・既成事実を作ってしまえば・・・
「兄様・・・あの時の答え、まだ頂いていませんでしたね。もう一度言いますので、今度は答えを下さい。私は、エアナ・リーデンは貴方を、ジュウロウ・ユウキを愛しています。貴方を永久に愛しています。だから、私と結婚してください」
あれ? 結婚ってなんだったっけ? ああ、そうか。『ケッコン』って男と女がくっつく事だった。
よし、もう一回言おう。兄様だってくっつきたいよね? だってこんなに気持ち良い事なんだもの。
血を吸っただけでこんなに気持ち良いんだから。
■■で■を吸ったらもっと気持ち良いはず。兄様も出してくれたら絶対気持ち良くなるから。
兄様、私を受け入れて?
「・・・・・・・」
「ねぇ、兄様。何か言って? 兄様も気持ち良くなりたいでしょ? 私が気持ち良くしてあげる。兄様が私以外見れなくしてあげる。私以外必要なくしてあげる。だから―――」
その時だった。兄様は急に私を床に組み伏せてきた。
あはっ、兄様やっと素直になってくれた。いいよ、兄様の好きにして。
「コ・・・・・・・・タイ」
え? 兄様何言ったの? 声小さくて聞こえないよ。
「殺したい。俺はお前をコロシタイ」
え・・・・兄様? 何・・・言ってるの?
「死ね・・・シネ死ねシネ死ね死ね死ね死ね死ね死ね・・・死ね? シネ・・・ってナンダ? アアア、ソンナコトドウだってイイ、シネシネ死ね、綺麗だキレイダキレイだ美しいウツクシイウツクシイ」
兄様が私の首を絞めてくる。
苦しい、苦しい苦しい苦しい苦しいどうしてどうしてどうしてどうして?
兄様・・・私が嫌いなの?
私兄様に嫌われてたの? 殺したいほど憎まれてたの?
兄様は私を殺したいほど嫌いなんだ。
なんだろう。胸に穴が開いたみたいだ。
スースーする・・・体中に風穴が開いて私がそこから全部流れたみたいだ・・
兄様に嫌われたくない。
息出来ないよ・・・苦しい苦しい・・・兄様、なんでそんなに悲しい顔してるの? どうしてそんなに苦しそうなの? どうしてそんなに辛そうなの?
ああ、兄様にそんな顔似合わない。
私が兄様を笑顔にしてあげたい。
私が兄様を受け入れるから。
でも、どうして・・・
「どう・・・し・・・て・・・?」
「にい・・・さま・・・・」
「っ!!」
首を締め付ける手の力が緩んだ。
「ゲホッ・・・ゲホゲホ・・・」
やっと呼吸が出来る。でも今大事なのは兄様。呼吸なんか二の次だ。
「兄様・・・」
私は兄様にどんなに嫌われたって兄様を好きでいるから。
兄様に近づきたい。
兄様の胸に抱かれたい。
気づいたらもう兄様に近寄ろうとしていた。
「来るなっ!!」
「っ!!」
でもその歩みは兄様の拒絶の一言ですぐに止まってしまった。
「殺したい・・・違う違うっ!! そうじゃない!! 殺したくないっ!! 血が見たい・・・死ね・・・シネ死ねシネ・・・ああああああ違う違う、そうじゃないんだ。そうじゃないんです・・・お姫様!! 私が望んでるのはそうじゃない・・・そうじゃない? 何が?
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