気持ちのいい朝。
「くー、くー…Zzz…」
バフォ様はまだ寝ている。
お昼過ぎまで寝てることもある。
この前、お昼過ぎに起きたときは、
「なぜ誰も起こしてくれぬのじゃー! 朝食のプリンを食べ損ねたではないかー!」
って怒ってきた。プリンなら朝でなくても食べられるのに。
そもそも私は誰かって?
…ご紹介が遅れました。
私、このバフォ様に仕える魔女の一人。
身の回りのお世話を担当してまーす。
え?
身の回りのお世話担当なのに、どうして起こさないのかって?
そんなの決まってる。
「くー、くー…」
バフォ様の寝顔、超かわいい。
この寝顔を眺めてるだけで一日過ぎたって後悔しない。
私がお世話担当だからこその特権。
朝食? この寝顔から離れてまで食べるわけないじゃん。
そして何よりの特権。
「…………ちゅっ♪」
この寝顔の、この柔らかいほっぺたに、内緒でキスできる。
さっきからもう十回ぐらいしてるんだけどね。
あぁーほっぺた柔らかいよぉー♪
「ん…うぅーん…っ」
…あ、起きちゃう。
仕方ないなあ。
「…バフォ様、朝ですよ」
「うぅ…あと五分ー…」
よし。
五分と見せかけて一時間ぐらい二度寝しててもらおう。
「五分ですかー、じゃあ仕方ないですn…」
「…ハッ! ワシのプリン!」
飛び上がって、バフォ様はすっかり目覚めてしまった。
プリンへの愛が眠気を上回ったみたい。ちぇー。
「は、早う着替えさせてくれ! プリンがなくなってしまう!」
「分かりましたから、そんなに慌てないでください」
バフォ様のこの「プリンは朝食のデザート」というこだわりはなんなんだろう。
それより。
今から私はバフォ様をお着替えさせます。
ええ、もちろん役得ですとも。
ピンク色のパジャマ姿、可愛すぎる。
それを脱がしていく…平らな胸がたまらない。
モフモフの手足でモフモフしたい。
ああ、我慢我慢。
そのためにバフォ様の寝顔でさっきから三回もオナニーしたんだから。
着せるのは、いつもの鎧…というか、なんというか。
図鑑通りの姿なんだけど、下着とかを着るよりよっぽど露出度高いよね。
だがそれがいい。
「では、ワシは朝食を食べに行くぞ! ついて来るのじゃ!」
「はい、バフォ様♪」
・
・
・
おはようございます。
お料理担当の魔女です。
個人名? プライバシーなんで、そこは。
ええ、バフォ様の大好物のプリンは私がお作りしてるんです。
…本当は三食プリン付きで出したいのですよ。
でもバフォ様は「朝のプリン」に並々ならぬこだわりをお持ちのようです。
ですからこの前、バフォ様がお寝坊をしてこられたときは。
バフォ様は泣く泣く、プリンを諦めてしまわれました。
私は一向に構わないのですが、バフォ様のこだわりがそれをお許しにならないようで。
きっとお世話係の魔女がわざと起こさなかったんでしょうね。
ガッデム!
ポムポムという足音。
バフォ様。私たちがバフォ様の足音を聞き違えるはずはありません。
今日はお目覚めになられたようで、食堂にいらっしゃいました。
「はむ、はむ…んー、やっぱり朝はこれじゃなー♪」
バフォ様お気に入りの、いつものモーニング。
目玉焼き、タコさんウィンナー、レタス、フレンチトースト。
ピーマンは決してお出ししてはいけません。めちゃくちゃ怒られます。
美味しそうに召し上がるバフォ様が可愛くて可愛くて仕方ありません。
濡れてます。
「バフォ様、お口が汚れてますよ…っと♪」
「んむっ、すまんすまん」
お世話係の魔女は、特に何もついていないのに口元を拭っています。
あのハンカチは後でたっぷり使うことでしょう。
てめぇそこ替われよ。
「ではバフォ様、お待ちかねのプリンです♪」
「おぉーっ♪ ワシのプリンー♪」
バフォ様はプリンをとても美味しそうに召し上がります。
「んーっふっふっふー♪ 美味ーい♪」
「それは何よりです」
「お主の作るプリンはやはり絶品じゃー♪」
こうして、私のお作りするプリンを褒めて頂く瞬間。
私だけにその笑顔を向けてくださる。
他の魔女の嫉妬の視線なんて気にならない、至高の瞬間です。
これも私の役得というのでしょうか。
ああ、濡れるっ。
・
・
・
どうも、私はお洗濯担当の魔女。
魔女しかいないって?
そう、ここはバフォ様と5人の魔女だけの小さなサバト。
バフォ様がお母様から独立してから、まだ一年。
私たち誰も、まだお兄ちゃんを見つけてない
まあ私たちの場合、バフォ様が可愛すぎて満ち足りてしまってるかも。
素敵な人がいたとしても、バフォ様とで迷っちゃう可能性ありね。
お洗濯は、役得の宝庫。
バフォ様の寝ていたお布団やシーツを干す。ついでに
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