やぁ、よく来てくれた。
ご指名、ありがとう。
ん? 他の子より指名料が少し高かった理由か?
よくぞ聞いてくれた!
私の耳掃除メニューは、耳のマッサージから耳かき後のケアまで一通り揃っている。
メニューが多いと言うことは、時間も長く、その分指名料も多く頂くというわけさ。
指名して頂いたからには、全身全霊で完璧にこなさせてもらう。
では早速、私の膝の上に横になってくれ。
ほら、遠慮せず。
…今日は寒い日だからな。
耳たぶ等の外耳は身体の中でも特に冷えやすい。さぞかし冷えたろう?
だからまずは、温かい濡れタオルで耳を暖めるぞ。
耳が冷えていると耳垢も少々取りづらくなるからな。
…どうだ? 熱くないか?
そうか、それならよかった。
耳が充分に温まったところで、次に耳のマッサージをしよう。
身体の力を充分に抜いてリラックスすれば、耳掃除もより気持ちよく感じるぞ。
まずは、外耳を軽く揉みほぐしていくからな。
これでも、肉球の柔らかさには定評があるぞ?
<フニフニフニフニ>
ふふ、どうだ?
…あっ、こらっ、涎をあんまり垂らすな!
膝がズルズルになっちゃうじゃないか!
き、気持ちいいから仕方ないって…………言われても…
あぁっ、ほら! ティッシュあるから涎は拭ってくれ!
<プニプニプニプニ>
さぁて、マッサージはこれくらいでいいかな。
今度はこれで外耳を軽く掃除するぞ。
…ん?
ああ、これは消毒液で湿らせたウェットティッシュだ。
ちょっとヒヤッとするかもしれないが、我慢してくれ。
<シュッシュッシュッ>
外耳は耳かきや綿棒だと掃除が行き届かなかったり、傷を付けてしまったりするからな。
例えばこの内側のとこなんて、耳垢が結構溜まりやすい。
<シュッシュッシュッ>
さて、と…ここはこんなものでいいかな。
じゃぁいよいよ、お待ちかねの梵天付きの竹耳かきだ。
ちょっと耳の中を見せてもらうぞ。
んー…うわっ、かなり溜まってるじゃないか。相当サボッてたな?
ここで耳かきしてもらう為に溜めてきた?
…確かにこっちとしてもやりがいはあるけど、あんまり溜めてもそっちが困るだろ?
ただまぁ、あまり頻繁にしすぎても耳にあまり良くないというが…
おっといけない、早速始めよう。
<カリカリッ>
どうだ? …そうか、良かった。
自分で言うのも難だが、技術には自信があるからな。
<カリカリカリッ>
どうしてこの仕事をしてるかって?
まぁ…一つには、部下のマミー達を養う費用を稼ぐためだな。
で、もう一つは花嫁修業の一環だ。
いつか私の夫になってくれる人に全身全霊で耳かきをしてあげるために…
<カリカリカリッカリカリッ>
マミー達もここで働かせようとしたんだが…あれじゃダメだ。
膝枕で発情するし、耳かきの技術も危なっかしくてとても店には出せない。
やるとしたら技術を磨いた上で、包帯で太股をグルグル巻きにでもしないとな。
<カリッカリカリッカリリッ>
さて、随分綺麗になったところで…綿棒の出番だ。
耳かきだとあまり強く出来ないからな。
ほら、もうしばらくじっとしててくれ。
<シュリシュリシュリシュリ>
うーむ。これはかなりの量があったみたいだな。
さっきも言ったが、溜めすぎはよくないぞ?
<シュリシュリッシュリッ>
ん…よし、だいぶ綺麗になったな。
これで…終わりだぞっ、と。
<シュリシュリ…ッ>
じゃぁ仕上げに、梵天入れるぞ。
ちょっとくすぐったいかもしれないが、動かないでくれ。
入るぞ。
<モフモフモフッ>
お、気持ちいいのか?
私の指とはまた違った感覚だろう?
…え? 私の指も…あっこら、そ…そんな事言われたら手元が狂うじゃないか!
<モフモフ…ッ>
それじゃ、最後の仕上げだ。
動くなよ?
ふぅぅぅぅ…ッ♪
…ふふっ、どうだ?
びっくりしたか?
よし、じゃあ反対側だ。向こう側を向いてくれ。
何? 私の身体が見えなくて残念? …か、からかわないでくれ!
…ふぅ、ではこちらも耳のマッサージから始めるぞ。
<フニフニフニフニ>
こっちはどうだ?
…それなら良かった。
ああ、眠かったら寝ても良いぞ。
終わったら起こそう。
<フニフニフニフニ>
マッサージは終わったぞ…っと。
んー…眠ってる、ようだな。
寝ても良いと言ったのは私だからな…このまま外耳を掃除しよう。
<シュッシュッシュッシュッ>
…ふむ、やはり結構溜まってるな。
この分だと、中も結構溜まってるだろうな。
まぁ、耳かき師としては喜ぶべきなんだろうか…
<シュッシュッシュッシュッ>
よしよし、次は耳かきだ。どれどれ…
うわっ、溜ま
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