ボクの隣のお姉ちゃん

少年は反魔物領の生まれだった。


少年が10歳になったある年、彼の母親はサキュバスになってしまった。
たまたま親魔物領の近くを通ってしまった為だという。

それにより、少年は家族三人で故郷を離れなければならないのだった。






一家は、比較的平穏な親魔物領へと移住した。

ここは親魔物領には珍しく、魔物の割合はそれほど多くない。
反魔物領で育った一家にとっては移住しやすい土地だった。


少年はこの土地で、新たな人生を踏み出す事となったのだ。


父親は、元より更に若く妖艶になった母親と毎晩愛を交わしている。
昼間はもっぱら、散歩がてら森の中で交わっているらしい。

よって少年は、これまでよりも一人で居る事が増えてきた。


「お父さんもお母さんも…最近ちっとも僕と遊んでくれないなぁ…」

少年が頻繁に出掛けるようになったのは必然と言って良いだろう。



さて、少年の新居の隣には、一人のサキュバスが住んでいた。
彼女もサキュバスの例に漏れず、若々しく豊満な身体を持っている。


引っ越してきた一家が挨拶に行った際、少年が憧れを抱いたのも、また必然だった。



少年は意を決し、彼女の家のベルを鳴らした。

「あ、はーい」

出てきたサキュバスは、ヘソ出しのキャミソールとホットパンツというラフな服装だった。

豊かな胸やムチッとした太股を見せつけられ、少年は一瞬で真っ赤になって俯く。

「あ、お隣のボクじゃない。どうしたの?」
「え、いや、あの、えっと、その…」

話す内容すら決めずに訪ねてしまった少年は、その場から逃げ出したい衝動に駆られた。

しかし、逃げ出すと行ってもすぐ隣の家。気まずい雰囲気になるのは間違いない。


一方のサキュバスは、朝方に出掛ける彼の両親の姿を見かけていた。
それ故に、少年が何故ここに来たのか、それとなく察している。

「あの…その…………えっと…」

少年はまだもやもやと口ごもっている。


サキュバスは口元にフッと笑みを浮かべ、口を開いた。

「まぁいいわ」
「え?」
「…それより、上がっていかない? ジュースぐらいならあるし」
「えっ!?」

少年にとっては願ってもない申し出だが、あまりにも都合が良い故に戸惑ってしまう。

「いいのいいの、遠慮しないで? お父さんもお母さんも留守なんでしょ?」
「え、どうして…」
「ふふっ、お姉さんのカンは鋭いのよ?」

先述したとおり、勘などではなくその現場を目撃しているだけだ。
しかしその言葉で、少年の緊張は薄れた。

「じゃ、じゃぁ…お、お邪魔しまーす…」

少年はゆっくりと家の中に入っていった。


リビングに通された少年は、ジュースを飲みながらサキュバスと話していた。


「ボク、年はいくつ?」
「えっと…今年で10歳になりました」
「へぇ…♪」

サキュバスの瞳が輝く。
警戒されないようにしながらも、興奮を抑えきれない。

「ボク…って、いつまでもそれじゃ他人行儀ね。お隣さんなんだから…お名前は?」
「ルノって言います」
「そう…ルノ君。私はレミ。改めてよろしくね」
「よ、よろしくお願いします…レミお姉ちゃん…」
(お姉ちゃんッ…♪)

そのフレーズにレミの胸がときめく。

「ね、ねぇ、お菓子もあるんだけど、食べる?」
「え…いいんですか?」
「うんうん、遠慮しないでいいから!」


そう言ってレミはリビングの奥に消え…


「―ッハァァァァァ…♪」

興奮のあまり、ズボンを脱いで、そこに置いてあるバイブで一心不乱に自らを慰めた。
ルノに声が聞こえないようにしながらの自慰は普段とは桁違いの快楽を産み出した。

「イ…………ッッッ…ックゥゥゥゥッ…♪」

足をガクガクさせながらレミは絶頂した。
そのままへたり込み、荒い息をつく。


「…ハッ、いけないいけない…」

しかしすぐにルノを待たせていることを思い出し、慌てて股間の愛液を拭き取る。
そしてズボンを履き直し、お盆にお菓子を乗せてリビングへと戻っていった。


「ごめーん、待たせちゃった?」
「う、ううん…大丈夫…」

すると、ルノがレミの顔を見て首をかしげた。

「レミお姉ちゃん…どうしたんですか? 顔が赤いですよ?」
「え? …………あっ」

レミは先程の自慰のせいで頬が紅潮していた事を失念していた。


「熱でもあるんじゃ…」
「う。ううん! 大丈夫、大丈夫だから! ほら、遠慮無く食べて!」

慌てて取り繕う。



それから少しの間は、普通にお菓子を食べながら話をしていた。

しかしレミは、目の前のルノの事で頭が一杯で、興奮冷めやらぬ状態だった。


(いつもこの子の親が帰ってくるのは夕方よね…いっそ…誘惑しちゃおうかしら…)

ルノが反魔物領出身ということで、理性で抑え込んで
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