天井には乱反射して、美しく輝くシャンデリア。
床には優雅に踊る見目麗しい男女…………………
ではなく、
確かに美しいが、鈍い光沢を放つ黒い六本足のアラクネ。
エメラルドのような美しい甲殻のマンティス。
黄色い針とお尻を振りながら飛ぶハニービー。
そう、魔物娘虫系舞踏会である。
『ありのままで、自由に踊る。』
をモットーにした数千年続いている舞踏会。
踊る曲もクラシックやjポップなど様々だが、今回はオーケストラ総出の美しいワルツである。
音楽にあわせて優雅に舞う魔物娘達の踊りは必見だ。
ーーー前置きが長くなったが、今回の主役の登場である。
「……………変、じゃ、ないですか?」
照れがおでドレスを見せてくる彼女はとても綺麗だ。
5、6mの大きな身体にシルクの白く美しいドレスがよく映える。(はえる、ばえるではない。決して)
6本の長い足には紅いハイヒールが丁寧に履かれ、歩く度に軽快で心地いいステップを響かせる。
もちろん彼女自身が着ているドレスも美しい。黒い、胸元を強調したロングドレス。
何から何まで童話に出てくるプリンセスそのものだ。
「ああ、綺麗だよ。那知ちゃん。…いや、
『一緒に踊って頂けませんか? お姫様?』」
「……はい! もちろん!!」
恭しく一礼しながら、彼女の手を取る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ベルサイユ宮殿も目ではない会場は、那知ちゃんが入っても全く問題にならない。
ここでは彼女も他と同じ“お姫様”だ。
そんな事を思いながら二人と一緒にワルツを踊る。
絹のようなすべすべした手を引きながら、ぎこちなくくるくる回る。
「すいません、…上手く踊れなくて、」
「なーに、俺も一回やっただけだよ。とにかく、俺の動きに合わせるだけでいいから。」
煌々と光るシャンデリア。それに照らされ、様々なドレスを着た魔物娘が踊る。踊る。踊る。
目の前に視線を戻し、不意に彼女と目が合う。
楽しそうに、笑顔を浮かべる彼女。
慌てるように俺も笑顔を返した。
曲がフィナーレに近くなる。
「もっと、もっと踊っていたいです。」
「…俺もだよ。」
大きく盛り上がる音の波。やがて、徐々に静かになっていく、…たしかな余韻を残しながら。
それを見届け、彼女に言った。
「どう? たった一晩、魔法にかけられた感想は、」
「楽しかったです
#10071;
#10071;」
そう、今日は静かに、彼女に素敵な夜をプレゼントする。
そのはずだったのに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「からだが、あついれす…」
頬を赤く染め、暑そうにドレスを脱ぐ那知ちゃん。
……盛りやがったなクソ悪魔!!!!!!!!!
どうせドレスを着させる時に、気付け薬だとかで飲ませたんだろ!!!??
しかも家に帰ってから効果が出るとかどんな都合のいい薬なんだ!!!畜生めぇ!!!!!!
「あーーー、落ち着こう、那知ちゃん。まずはシャワーを浴びて、頭を…」
「しゃわ〜? えっちれすね〜、い、ぐ、ち、さん
#9829;
#65039;」
駄目だ完全に目が座ってる。
目の輝きが肉食獣のソレだ。
そして、ベッドに座っていた俺に近づいてくる。
「もう、いいじゃないですか、どうでも。」
急にはっきりした声になり、甘えるようにしなだれかかってくる。
魔物娘特有の怪力でベッドに押し倒され、手も押さえつけられる。
もう理性が限界寸前なのに、だめ押しの一声。
「1ヶ月たっても手を出してくれないなんて、ひどいです…だ、か、ら、井口さんのこと、レイプしちゃいますね
#9829;
#65039;」
ちゅ、柔らかい唇が口に触れ、一気に舌をからめとられる。
「ちゅっ、ちゅぷ、ん、んむ」
ねぶるような、味わうような、深い、深いキス。
たった一分くらいの時間がとてつもなく長い。
全身に寒気のようなゾクゾクとした快感が行き渡る。
「ぷはぁ…
#9829;
#65039;」
満足してアーチになった唾液をいとおしそうに伸ばす。
肩からまた、虫のような手が“生えて”俺の顔に添えた。
「ずうっと、こうなることが夢でした
#9829;
#65039; 普通の女の子みたいに恋をして、惹かれるように努力して、こうして結ばれること
#9829;
#65039;
…ああ、もうだめです。
もう、いいですよね?
もう、じゅうぶんがまんしましたよね?
もう、しあわせになっていいですよね?」
腰からまた新しい手を生やし、ズボンを器用に脱がしていく。
二本は俺の両腕を抑え、もう二本は俺の顔を抑え、そして最後の二本は俺のソレを女性器にあてがっている。
手も足もでないとはこの事だ。
途端におれは那知ちゃんに“捕食”されてる事を理解し、その事に興奮して、彼女をとて
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