「ん〜、委員会かぁ・・・」
トイレをさっさと済ませた俺は、外の空気を吸いに中庭に来ていた。
「キツそうなのばっかりだったし・・・俺はやるとしたら、もうちょいゆる〜いのをやりたいな」
「ほほ〜ぅ、なるほどなるほど〜ぅ?」
「うわぁ!?」
急に後ろから声をかけられた。
慌てて振り向くと、そこに立っていたのは先ほどまで壇上にいたハイテンション狸・・・
放送・広報委員会の委員長、オサカベ フミ先輩だった。
「先ほどぶりなんよー!新入生クン!」
「あぁ、えーと、オサカベ先輩・・・? どうもです・・・」
「なんかムズ痒いんよ・・・アッシのことはー、親しみを込めて『フミさん』と呼ぶといいんよー!」
「え、あ、はい、分かりました」
思わず勢いに押されてしまう。
まだこのテンションには慣れないなぁ・・・
ルークとは勝手が違うし・・・
「えぇとフミさん、なんで俺の背後に立ってたんですかね?」
「新入生に説明会の感想調査してたんよ。こーいった意見を聞くのも大事なことなんよー!」
「それで面白そうな話があったら記事にするってことですか?」
「おぅ?なかなか分かってるんよー!キミィ!」
「はは・・・ありがとうございます」
「ん〜、素質がいいんよ!記事まとめるとかのもうまいんじゃないん?」
「別にそんなことは・・・」
「というわけで、新入生クン。アッシの委員会に入るんよ!」
「お断りします」
やっぱメンドくさいわこの人。
感想調査とか言ってメンバー勧誘してるんじゃん。
「即答!?でもワンチャンスくらい」
「ないですから」
こういうのはキッパリ断っとかないと面倒なことに巻き込まれかねない。
「うぅ・・・なかなか厳しいんよ、キミ・・・。
・・・・・・ま!勧誘はまた後でかけるとして、どうでやしたかねぇ?説明会は」
あれだけキッパリ言ってもまだ諦めてないご様子。
もうすでに面倒なのに絡まれてる気分なのは気のせい、じゃないか・・・
でもまぁ質問に答えないのは失礼だよね。
「なんというか、なかなか個性的な人揃いというか・・・一部はできれば関わりたくない人もいましたね・・・」
「あははー!確かにちょっぴりとっつきにくい人が多いんよー!
まあアッシは中でもまともなほうでやすがねー?」
どの口が言うか。
「確かにフミさんは、相談事とかなければまだ絡みやすいですよね」
「むむ?それどういう意味なんよ?」
「だってそんなことを話は日には、記事にされて学園中に知れ渡りそうでしょ」
「むー(・ε・)、そんなことするわけー、あるんよー!」
「あるんじゃないですか!?」
前例アリっぽいな。
気をつけとこ・・・
「そういえば一つ聞きたいことがあったんですけども」
「はいはいー!なんなんよー?何でも聞いてくれなんよー!」
「あのランキングのことなんですが、なんで1位の人の二つ名、空白だったんですかね?」
「あー、いいところに気がついてるんよー!やっぱり委員会に」
「却下で」
「チキショイ!」
さりげなく勧誘挟まないでください。メンドクサイ!
「で、何でなんですか?」
「1位の人なんでやすがね?どーにもしっくりこないんよー」
「しっくりこない?一番強いんだから何でも言いようがあるんじゃないですか?」
「そうはいかんよー。・・・例えば仮に『最強』という二つ名つけるとするんよ?」
「それでいいじゃないですか?」
「でもね?その『最強』という字が霞んで見えるほどなんよー、1位の人は」
「ん?えーと?つまりどういうこと?」
「あまりにも凄すぎて、形容しようがないってことなんよー!」
「うーん?」
分かったような、分からないような・・・
つまり二つ名が決められないってことだよな。
「それを頑張って決めるのが、放送・広報委員の役目じゃないんですかね?」
「むー!なかなか痛いとこをダイレクトにつくんよー・・・」
あ、ちょっと尻尾が垂れてる。
流石にまずいこと言っちゃったかな?
「そんな未だに決まらない二つ名を決めるためにも!キミには二つ名マスターとしてアッシの委員」
「やりませんて」
「まだ言い切ってないんよ!?」
言い過ぎぐらいでちょうど良さそうだ。
・・・・・・
「それじゃ時間なんで、そろそろ戻りますね」
こうしてやり取りしている間に、休憩が終わる時間になっていた。
「んー、では気が変わったらまた声をかけてくれなんよー!」
「それだと二度と声をかけることはないでしょうね」
「寂しいこと言うものじゃないんよー!ではまたなんよー!」シュタタタッ
そう言ってまるで疾風のごとく走り去っていった。
・・・・
と思ってたら戻ってきた。
「新入生クン!名前を聞いてなかったんよ
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