ただ魔物といっても色々な種類の色んな魔物がいるわけで。
その魔物によっては理知的で誇りを重んじる種族とかいたりするよな。
でも、それはあくまでも同種族の部族だとか村だとかの話。
エキドナのランダム要素と一般家庭という状況の前では。
そんな常識じみたことも関係なかったりするんだよね。
今回は、そんな感じの妹の話。
・〜ある日の朝〜
「起きろー、ベル」
「・・・ぐぅ、ぐぅ」
全く、布団がごちゃごちゃじゃないか。
バレスじゃあるまいし、寝相もうちょっと良くならないものかなぁ。
まあそれはいいとして・・・
この寝ぼすけはケンタウロス。普通なら、威厳のある誇り高き部族の・・・とかだろうけど。
我が家は威厳があるわけでも誇り高いわけでもない、ただの一般家庭である。
つまり・・・
「早く起きてくれよ。気持ちの良い朝だぞ?」
「ん〜・・・あと5時間・・・(-_-)゜zzz…」
「長ぇよ。昼になっちゃうぞ」
「うぅん・・・兄ちゃんも寝ようよー・・・」
「俺は朝忙しいの。分かってるでしょう?」
「うぅ〜・・・(=-ω-)zzZZ・・・」
「こら、二度寝するな」
つまりこういうことだ。
うちの教育方針は『割と自由にのびのびと』。
そうだな、自由にした結果がコレだよ。
ケンタウロスはクールキャラ?何ソレおいしいの?
悪いとは言わないが、原種ブレイカーであることは間違いないだろうな。
「たまにはいーじゃ〜ん・・・寝ててもバチは当たらないよー・・・」
「規則正しい生活を送りなさい。寝て過ごすのはもったいないぞ」
「むぅ〜」
何とも渋るベル。
昨日、元気に外走り回ったから疲れているのかもしれない。
仕方ないなぁ・・・
「あ〜あ〜、折角今日の朝飯はベルの好きな物なんだけどなぁ〜」
「・・・えっ」ピクッ
「魔界豚を母さんが昨日持って帰ってきてたから、ハムサンドにしたんだけど。
ベルが大好きな肉厚のハムサンド。仕方ない、ベルが起きないなら皆で・・・」
ガバッ!!
「待って!起きるー!!」
ドタドタドタ・・・
・・・元気なもんだな。
疲れなんてベルには無用の心配だったか。
まあベルは元気が取り柄だしな。
ドドドドド・・・!
「ん?」
「兄ちゃん!」
「どうしたベル」
「ボクちょっと一走りしてくる!いい汗流してお腹空かせるんだ!
だから先に食べてちゃダメだよ!絶対だからね!!」
「はいはい、待っててやるから早く帰って来るんだぞ?」
「はーい!行ってきまーすっ!!」
ドドドドド・・・
本当に元気だな・・・
さっきまで起きるのを渋っていたとは思えんな。
ベルの体力は無尽蔵か。でも子供って大体そうだよね。
・・・きっと相当お腹空かせてくるだろうなぁ。
これはちゃんと準備してあげないとね。
「ひゃっほーい!風が気持ちいー!!」
玄関の方から声がする。
おそらく・・・街は一周してきそうだな。
ベルの足なら・・・15分もあれば帰ってくるだろ。その後お風呂に入ってあがって・・・
俺は他の妹起こして、着替え準備しつつ、朝飯の残り作って・・・
・・・うん、問題ないな。予定調和。
さて、次の妹起こしに行きますか。
(やった!やった!あっさごはんっ!たっのしっみだな〜〜♪兄ちゃん大好き〜〜!
#9829;)
パカラッ、パカラッ、パカラッ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・〜ある日の散歩〜
「兄ちゃ〜ん!今時間ある〜?」
「んん?どうしたベル」
「一緒に散歩しようよ!今日いい天気だし!」
家事も一段落ついた昼過ぎ。ベルがそんなことを提案してきた。
朝あれだけ走ってたのになぁ。
まあ割といつものことだし、別に付き合うこと自体は問題じゃない。
丁度時間もあることだしな。
「別に大丈夫だよ」
「やったー!それじゃ早速行こうよっ!」
・・・・・
外は快晴。雲一つない良い天気だ。
洗濯物がよく乾く乾く。これほど嬉しい天気はない。
暖かな風が心地よく、昼寝でもしたらさぞ気持ちが良いだろう。
俺達は現在家近くの平原の道。ベルは俺の隣を歩いている。
一般的な、平和な散歩である。
「ねぇ兄ちゃん」
「何だ?」
「折角の散歩だし、背中乗らないの?」
「乗ったらどうせダッシュするんだから、最初くらいゆっくり歩かせてくれ」
「分かった!兄ちゃんとゆっくり歩くのも好きだし!」
ただし、ベルはいつも背中に乗せたがり、そして必ずと言っていいほど走るのだ。
まあ聞き分けは良い方だから、最初は普通に歩いてくれる
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