朝
うっすらと差し込む光で目が覚めた。
目に映るのは見慣れぬ天井・・・・
(そうか・・・・昨日から寮生活が始まったんだっけか・・・)
初めて寝たベットにしては気持ちよく寝れたと思う。
体を起こして辺りを見回すと・・・・
「あ、おはようございます。よく寝てましたね〜。」
・・・リントがすでに起きていた。俺より遅く寝てたよな。なんで俺より起きるのが早いんだよ・・・
「おはよう。起きるの早いな。」
「え?でももう8時ですよ?」
時計を見る。確かに8時。
俺昨日何時に寝たっけ・・・
「授業開始は9時だよな・・・1時間あれば準備は余裕かな」
「何言ってるんですか。今日と明日はまだ休みですよ」
「へ?・・・あ、そうか」
あー・・・まだ寝ぼけてんな俺。確かこの二日で学園内把握しといた方がいいんだっけ。あと選択授業とか。
「・・・入学式の次の日が休みってどうなんだろうな」
「どうって、何がですか?」
「いや、何でもねえ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
着替えや洗顔で頭を起こし、今日は何すっかなーとぼんやり考えてる。
「それじゃ朝ごはん行きましょうよ。僕が奢りますから」
「え?いや悪いよそりゃ」
「昨日言ってたじゃないですか。掃除のお礼だって」
・・・別に本当にいいんだけどな。好きにやってただけだし。
「まあ奢るかどうかは別にして、飯には行くか」
「そうですね」
そういって俺たちは飯を食いに外に出た。ルークは・・・どうすっかな・・・
・・・・・・・・そしたら男子寮の目の前でエルフが寝ていた。寝顔可愛いな。
「なんでこんなところでリティさんが寝てるんですかね?」
俺に聞くな。
「しょうがねえなー、おーい、朝だぞー」
俺はリティの肩を優しく揺する。
「ぅみゅぅ・・・・ひゅい!?」
ある程度揺すってたら奇声をあげて起きた。
なにこの子面白いんだけど。
「あ、え、う、お、おはよ・・う・・・」
「おう、おはよう」
「おはようございます」
驚いたような顔して、まずは朝の挨拶。
いや驚いてんのはこっちなんですけど・・・・。
「リティ?お前なんでこんなとこで寝てんだ?」
「あ、うぅ・・・えっと・・・それは、だね、その・・・」
「君を待っていたらしいぞ?」
「っ!??」
後ろから声がしたのでびっくりしたが、そこには石像・・・いや寮監さんであるマキナさんがそこにいた。
いやガーゴイルだから最初からいたのか・・・
「あ、おはようございます。寮監さん」
「うむ、おはよう。気持ちのいい朝だな。まさしく外出日和じゃないか」
「おはようございます・・・で俺を待ってたって?」
「ふふ、それはだな。彼女2時間ほど前に来ててな?理由を聞くと君にどうしても会いたかったそうだ」
「ほー、なんで、ですか?」
「それは本人の口から聞きたまえ」
にやにやしながらこっちを見ないで欲しいな、寮監さん・・・
「あ、あのだね・・・えーと、うん・・・・すぅー、はー」
しどろもどろになりつつもリティが話始める。
そして自分を落ち着けるように深呼吸をしている。
「ふぅ・・・・わ、私と一緒に買い物に来てくれにゃにか!!!」
「ぶふぅ!?ww」
え?噛んだ?今盛大に噛んだ?
俺は内容よりもそっちの方に思わず吹き出してしまった。
「セインさん、笑っちゃダメですよ。気持ちはわかりますけど」
「あぅ・・・」
リティ耳まで真っ赤だよ・・・。いや結構構えて聞いてたら噛むんだもん・・・。
でも流石に罪悪感出てきた。後ろで寮監さん全力で笑いこらえてるし。
「ふぅ・・・・あー、ごめんごめん。で、えーと・・・・・・・え?俺と買い物?」
冷静になって状況を整理するとだ。
俺、女の子に、買い物誘われてる?なんで?昨日あったばかりの女の子に?
「えー、と。なんで俺と?」
どうせ買い物に行くなら女の子同士の方がいいんじゃないのか?
「それは・・・」
「ふぅくくww、ふぅ・・・・おいおい少年。理由を聞くのは野暮ってもんじゃないかい?」
寮監さんが笑いのツボからようやく復帰し、俺にそう言う。
「こういうのは黙って了承するのが男じゃないか」
それもそうだな。何か言えない理由があるのかもしれないし。
「そうですね・・・俺でよければ構わないよ?」
「ぅぅ・・・・ふぇ?」
「昨日は全然見て回れなかったからな。俺も学園内とか外とか見ておかないとな」
「ほ、本当か!?」
「ああ、いいよ」
「じゃ、じゃあ・・・」
グゥ〜
腹の虫が聞こえる。
「あはは、まずは腹ごしらえですね」
「そ、そう
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5 6]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録