前回も言った通り、六女と七女は双子。
蛇属なせいか、口の強さは母さん譲り。
母さんの個性の強さを色濃く受け継いでいるのかもね。
でも今回は、妹達の中でもちょっと変わった妹の話。
おそらく、一番距離があるであろう妹の話だ。
・〜ある日の朝〜
「ティーナ、朝だぞ」
「・・・ぅう〜ん」
「ほらほら、さっさと起きる起きる」
「・・・ぐぅ」
寝ているのは七女のティーナ。
髪の毛と下半身が蛇のメドゥーサだ。
我が家の蛇属はあまり寝起きがよろしくない。
寝ぼすけが多いのだ。
「全く、何でかねぇ」ナデナデ
「・・・・・・んへへ〜・・・///(´∀`*)」シュルシュル
「あっ・・・」
しまった。
つい頭を撫でたら髪の蛇達に絡みつかれてしまった。
この蛇達もまだ寝ぼけているようで、目は閉じたまま。
俺の手に体を巻きつけていく。
このままティーナが起きると、ちょっと面倒なことになるな・・・
「・・・んむぅ?」
「あらら」
言ってるそばからこれだよ。
朝からタイミングが悪いなぁ。
それじゃ『覚悟』しとこうか・・・
懺悔の用意はできているか?俺はできている。
「ふわぁ・・・・・・タク兄、おはよ・・・」ゴシゴシ
「おう、おはよう・・・」
「・・・ん?あれ?」
「キャーーーーーー!!??///」
バシィン!!
「ひでぶっ」グラッ・・・
「ちょ、ちょっとタク兄ぃ!ななな何で私の頭触ってるの!!?///」
「スマン・・・つい、な」
「いいいつも言ってるでしょ!?か、髪の毛勝手に触らないでよっ!!///」
「ああ、悪かった・・・」
ああ、またやってしまった。
妹達を起こす際、頭を撫でるのが少し癖になってしまっているのだが、ティーナは俺に髪を勝手に触られるのを嫌っている。
まあ普通は誰だって触られたら嫌だろうけどな。
そのため、驚いたティーナに尻尾ビンタを顔面にくらったというわけである。
俺も気を付けようといつも思っているんだがな・・・痛いし。
でも気持ちよさそうな寝顔を見ていると、ついつい撫でたくなってしまうのだ。
撫でないと駄目などっかの妹もいるし・・・
まあ、この通り。うちのティーナは標準的なメドゥーサ。
母さんの強気な部分はしっかりと受け継いでいるらしい。
「次からは本当に気を付ける。朝からごめんな・・・」
「も、もういいわよっ!・・・私の方こそ、いきなり殴ってごめんなさい・・・」
「それは別に気にしてないよ。怒るのは当然のことだし、俺が全面的に悪い」
「で、でも・・・!」
「それにティーナの尻尾はいい気付けになる。よーく目が覚めるんだ」
「き、気付けって・・・馬鹿なこと言わないでよ!」
「とにかくすまなかった。お風呂沸いてるから入っておいで」
「う、うん・・・」
朝から、嫌な思いをさせてしまったな。
もう迂闊に頭に触るのは止めよう。
・・・まあそれができたら苦労はしないんだけど。
慣れって怖いね。・・・言っておくが俺はドMじゃないぞ。
普通に痛くて困ってるんだから。
でもこれは早めに直さないと。
困ることが、もう一つある。
「・・・・・・・・・」
「ど、どうしたの?」
「いや、頭の蛇達が離れないんだが」
「ええっ!?ちょ、ちょっと!アナタたち早く離れなさいっ!!///」
シャー♪シュルシュルシュル・・・
「余計に絡みついてきてるんですけど」ワシャワシャ
「あん・・・
#9829;タク兄!手動かさないでよぉ・・・!///」
「俺は動かしてないぞ。蛇達が動かしてるんだ」ナデクリナデクリ
「くぅ・・・ふみゅぅ・・・
#9829;い、いい加減にしてよぉ///」
「なあ蛇達。俺はまだやることがたくさんあるんだ。そろそろ離してはくれまいか」
シャー・・・チロチロ
俺がそう言うと、蛇達は俺の手から離れてくれた。
何とも申し訳なさそうに舌を動かしている。
力任せに引っ張れないから、聞き分けがよくて助かる。
「ありがとう。ティーナも重ね重ねすまないな」
「別に全然気にしてないよ・・・私は勝手に髪触られるの驚いただけだし・・・
・・・それに、本当はなでなでして・・・///
#9829;」
「何だ?あまりよく聞こえないが・・・」
「べ、別に何でもないわよっ!!それじゃお風呂入ってくるから!!///」
「ああ、ゆっくり入っといで」
何やら慌てて出て行ったが。
そんなに嫌だったのかな。
俺のせいだから仕方のないこととはいえ・・・
少し、凹むな・・・
(うぅ・・・本当はなでなですっごく嬉しいのにぃ・・・!/// 私の馬鹿っ!)
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