砂虫と赤色魔導師の小戦争。


私はこの広大な砂漠を走る、一匹のサンドウォーム。
今日もまだ見ぬ旦那様を探して、砂の中を爆進中です!
私のいるところ、全然人来ないんだもんなぁ・・・



おや?
前方に男の気配を感知!しかも未婚っぽい!
これは下からガバっちょ行くしかないですね!
そうと決まれば作戦開始!!

ズゴゴゴゴ・・・



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俺の名前は『グレン・ヴェルメーロ』
世界を旅する大魔導師さ!

・・・何だその疑り深い目は。
いや本当に大魔導師なんだぞ。強いんだぞ。
しかも結構若いんだぞ。凄いことなんだぞ。
まあはぐれ者には違いないが・・・気にしない気にしなァい。

俺は今、広大な砂漠が広がる国『カラルサンドラ』にいる。
特に理由もなく、旅で立ち寄っただけだったんだが・・・現在砂漠のド真ん中。
べ、別に迷っているわけじゃないぞォう。さっきまでは。
俺が砂漠をさ迷いあrゲフンゲフン・・・横断に試みていると、なんと美女が現れてな!
「どうか助けてください!」なんて言うもんだからよォ〜、二つ返事でOKしちまったぜ!
あんな美人に頼み事されて断るなんて男じゃねェよな!

だ・か・ら、俺は理由を持ってこの広〜い砂漠を歩いて回ってるわけよ。
その頼み事ってのがこの砂漠と関係してるからさァ。
内容はいたってシンプル、探し物だ。しかもある砂漠の魔物の・・・


おっと、話・・・もとい頭の中での一人状況整理をしてたら・・・
そっちから来なすったようだぜ。



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よし、どうやらこの真上にいるようです。
ふっふっふー。
巷では単純などと言われている私たちですが、砂の中からの奇襲はお手の物です。
知能が低いだなんて失礼しちゃいますね。
私たちは本能に忠実なだけですっ!
・・・噂では、「上から来るぞ!気をつけろ!」なんて言いつつ仲間に飲み込まれた人もいるらしいですが。
うぇっへっへ・・・捕まえれば旦那様とあんなことやこんなことが・・・ジュルリ
#9829;
楽しみだなぁー!(≧∇≦*)
待ちに待った私の旦那様・・・今行きますよぉ!

しかし慌てず騒がず。
ステンバーイステンバーイ・・・

今 で す !



ザボォ!







・・・?



・・・あれぇ?誰もいなーい(´・ω・`)
おかしいなぁ、この上に・・・




「HAッHAッHAッ!ようやく来たかァ!待ちくたびれちまったぜェ!」シュゴー




(えええええええええええ!?空飛んでるぅううううううううう(;゚Д゚)!?)



何とも声に出して叫びたい気持ちですが、外殻に包まれている状態では声が伝わりません。
というより人間さんが空を飛んでる!?なんで!?
しかも足の裏から火が出てます!!熱そうですっ!!
男の人ってみんな空が飛べるものなんですか!?
だから今まで見つかんなかったとでも言うんですか!!?
むむっ・・・やはり旦那様探しはそううまくいかないものなんですね・・・!


「俺くらいの大魔導師様になればァ!足に魔法陣を展開しィ!炎を噴出!!
炎の精密なコントロールで宙に浮くくらい造作もないのさ!!」







・・・?←首傾げ







「だよなー!伝わるわけねェよなァァ!!゚(゚´Д`゚)゚」


なんとなく間を置いて首を傾げ、もとい外殻を傾ける動作をしましたが。
難しい話は私にはわかりません。
あの人が『だいまどーし』とやらで、空を飛んでいるのかな?ってことくらいしかわからないです。
『だいまどーし』ってすごいんですねっ。
でもなんで手を顔に当てて泣いているんでしょうかあの人は。
わ、私何か悪いことでもしてしまったんでしょうかっ!?


「まーそんなことはどうでもいいんだ!ちょいとアンタのことを探していたんだからなァ」


さっきまで泣いていたのに今は笑ってこちらを見ています。
表情がコロコロ変わって面白い人です。
楽しいなぁ。
・・・って私を探していた!?
まさか向こうから求められていたというんですか!?
初対面だというのになんと大胆な人なんでしょうかっ///
私そーいう人嫌いじゃないですっ!!
もうこれは結婚するしかありませんね!


「それじゃあ行くぜェ!

『大炎葬(フラム・パフォーマンシー)』!!」


ゴォオオオオオオ!


えええええ!?熱い抱擁ではなく熱い炎が私めがけて飛んできましたっ!!?
あ、これ避けられな


ゴオオオゥ・・・



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「さて、そろそろいいか」


俺は出し続けていた炎を一旦
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