・四女がアヌビスな場合


双子ができたことにも驚いたけど。
二人がお腹にいた時は凄かったなぁ。
母さんのお腹の膨れ具合が。
母さんは「腹ん中がパンパンだぜ」とか言ってた。
そんな時でも冗談言えるあたり、母さんはブレない。
今回はその双子の妹の話。

・〜ある日の朝〜


モゾモゾ・・・

ムクリッ

「ふあ・・・あぁ、朝か」


我が家の朝は早い。
俺だけだけど。
毎朝5時起きである。
数十人分の朝食を作らなければならないからな。
しかも朝から皆よく食べるんだこれが。
いい顔して食べてる姿を見るのは、作ってる方としては満足だけどね。


「おはようございます。兄殿」

「・・・うん。おはよう」

「? どうかしましたか?」

「いや、何でいつもコルネッタがいるんだろうねってさ」

「私の日課でありますから」フフン


朝起きるといつもコルネッタが俺の顔を覗き込んでいる。
本人曰く起こしに来ているそうだが、起こされるのは大概6時まで寝過ごした時くらいだ。
こちらとしてはありがたいのだが。
5時には部屋に来てるなら、その時に起こしてくれても構わないのになぁ。


「まあ寝過ごした時は助かってるよ。ありがとね」

「当然であります。私は兄殿の妹なのですから」


それ妹あんまり関係なくないか?
むしろうちでは、妹は全員俺に起こされる立場だしな。
コルネッタは唯一その例外だ。

コルネッタの種族はアヌビス。
だから時間にはきっちりかっちりしているのだろう。
黒髪に狼耳が可愛いアヌビスだ。
兄としては勿体無いくらいにな。


「それじゃ起きるよ。起こしに来てくれるコルネッタには、いつかご褒美あげないとね」

ピクッ「・・・では今『ご褒美』を頂けませんか」

「今?でもあげられるものなんて何も・・・」

「『ナデナデ』を所望します」

「えっ?」

「いつもホルンにはやってるではありませんか。『ナデナデ』を所望します」

「・・・・・・」


そんなのでいいのか。
何だか悪い気がするな。
てかホルンにやってたとこ見てたのか。
いつ見られたのやら。


「・・・やはり、私には貰えないでありますか」シュン

「そんなことないよ」ナデナデ

「・・・・・・わぅ///」パタパタ♪


双子とあってか、ホルンと反応がよく似ている。
気持ちの変化で尻尾や耳をパタパタさせるのだ。
色合い的には対になってるんだけどね。
ホルンは明るい金色で、コルネッタは静かな黒色。
もはや芸術の域なんじゃないかなとも思う。
一番凄いのは・・・産んだ母さんなんだけど。


「よし。それじゃ料理の下ごしらえして、皆を起こしてくるよ」

「了解であります。行ってらっしゃいませ」






(兄殿の手は気持ち良いでありますなぁ・・・
#9829;ホルンはずるいであります・・・
でも兄殿の寝顔が見れるのは、私だけの特権であります///
#9829;)



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・〜ある日の秘密計画〜


「う〜ん・・・やっぱり少し難しいかなぁ」


俺は今カレンダーや通帳とにらめっこしている。
以前からある『計画』を、実行に移せるか考えているからだ。


「兄殿?どうかいたしましたか?」

「おわぁっ!?コルネッタ!?」


不意に後ろから話しかけられて思わず驚いてしまった。
コルネッタも俺の反応に驚いてしまったようで、尻尾がピンとしてる。


「何を驚いているのでありますか?」

「いや、集中してたから突然声をかけられてびっくりしただけだよ」

「ふむ。それは申し訳ありませんでした」


ぺこり、と素直に頭を下げるコルネッタ。
俺が驚きすぎたのが悪いんだけどな。


「別にいいよ。大丈夫」

「そうですか・・・ところで」

「何かな?」

「何をそんなに集中していたのでありますか?」

「・・・・・・( `・ω・) 」


うーむ。マズイ。
これは妹達にはあまり知られてはならない『計画』ッ!
なんとか隠し通さねば・・・ッ!


「・・・何か、私達には言えないようなことでも」

「・・・・・・ソンナコトハナイデスヨ」

「怪しいであります・・・」ジトー


見ないでー。
そんなにジト目でミナイデー。


「では何か言ってみるであります」

「晩御飯何作ろっかなーって」


「嘘だッ!!!」


「ッ!?(;゚Д゚)」

「・・・失礼。それは嘘であります。私には分かります」

「・・・・・・(;゚д゚)」


一発で嘘を見破られた。
参ったな。
どうにも隠し通せそうにもない。
・・・仕方ない。
コルネッタにも協力してもらうとするか。
計画や予定を立てるのはコルネッタ得意
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