第三章†ハルケギ村防衛戦†

ハルケギ村まではそれほど距離は離れていない。
馬を全力で走らせて20分っといったところだろう、
私は隊員たちを拠点の門に集合させ出動内容を説明、
現地にて作戦を練るため、私たちは今全力で森の中を馬などを走らせている。

隊の中で馬を使うのは私とサキサ、シウカとヴィアナの四人だけであり
下半身が馬のキリアナ、狼であるリゼッタ、羽を持つノーザは
馬に遅れを取らない俊敏力がある為、必要としない。
ついでに下半身がクモのヴィアナは
長時間の素早い動きと乗馬は得意としない為、シウカにしがみ付いている
かたちとなっている。

「ノーザ、空から村は見えるか!?」
「はい!ですが酷いものですよ!と私は思います、
村中に火矢が打ち込まれています」
「マスカーめ!村人を皆殺しにするつもりかっ!?」
「魔王側に対する見せしめにとしてはそれもあるだろうキリアナ、
だがおそらく連中、村を攻撃して民を追い詰めることによって、
魔王軍の行動を縛っているんだ。ノーザ、魔王軍の動きを見てくれ……
私のこの考えが正しければ、おそらく戦況は魔王軍の防戦一方だろう」
「え〜〜っと………、隊長の言うとおりです!と私は思います。
魔王軍のみんなが村人を守りながら苦戦を強いられています!」
「おのれなんと卑怯なっ!隊長!
このままマスカー軍に突撃し、奴らを一掃しよう!!」
「落ち着けサキサッ!お前の気持ちは理解できるがそれは許さんぞ。
一度魔王軍の防衛拠点に向かい本隊と合流。
そこで作戦を練り、行動を開始する。それまでの辛抱だ」
「だが隊長!奴らは今村に攻撃を集中している、
今なら背後から強襲できる!そうすれば迅速に戦いを……」
「もう一度言うぞサキサッ!!勝手な行動は私が許さん!
感情に流された突撃など、戦場では己の命を危険に晒す物に過ぎん」
「だがっ……「貴様は隊を殺す気かッ!?」……っ、……了解だ……!」
「それでいい、ほかの全員もわかったなッ!?」
『了解ッ!!』
「………よし、村が見えてきたぞ!」

地図に記された近道のルートもあったため
私たちは予想よりも早くハルケギ村に到着することができた。
村全体がマスカー軍に囲まれており、
魔王軍は村を中心に円陣で防衛体勢を取っている。
しかしその村もノーザが言ったとおり、村には火が放たれており
実際は敵軍と火による挟み撃ちを受けてしまっている。

「あれでは永くは持たん………急ぐぞッ!
これより戦闘区域を突破する!全員私について来い、遅れを取るなぁッ!!」
『オオォォッ!!』


咆哮と共に私たちは戦闘区域に突撃した。
マスカー軍は村の攻撃に集中していた為、
サキサの言ったとおり、背後からの強襲には成功した。
突然の背後からの攻撃に一部のマスカー軍は混乱を起こしていた。
しかし深追いはできない、私たちは無理に攻めようとせず
村にある防衛拠点を目指し、戦いに渦巻く人の波を斬って押し進んでいった。

『ありがたい、援軍だっ!!』

私たちの姿を確認した魔王軍の兵がそう叫び、
私は聞きたいことがあるので、その兵の元に向かった。
魔王軍の鎧を着ているが、どうやら人間兵のようだ。

「我らがシュザント、援護要請を受け参上した。防衛拠点は?」
「こちらですっ!」
「礼を言う、全員行くぞ!」

その人間兵に案内のもと、私たちは無事防衛拠点に辿り着くことができた。
しかしその拠点は村の中に築かれたもので、周囲は火の海であり
安全なものとは到底言えるものではなかった。

「将軍!シュザントより援軍が来ました!」
「知っている、君は消火活動にあたってくれ」
「ハッ!」

私たちを案内してくれた兵士はそのまま村のほうにへと走り去っていく。
そして私を先頭に、第四部隊全員がその将軍であるデュラハンに敬礼をした。

「援護要請を受けシュザントより参上しました
第四部隊隊長 ザーン・シトロテアです!」
「救護要請を受けてくれて誠に感謝するわ。
私は現在この場を持って魔王軍の指揮をとっている キャスリン です」

デュラハンの「キャスリン」将軍は自己紹介をし敬礼で返す。
だが彼女は私の事を少し珍しそうな顔で見ていた。

「へぇ〜……、人間の隊長とは珍しいわね…」

将軍のその言葉に、私の後ろにいる隊員の何人かがムッとしたようだ。
しかしこの価値観は仕方がないことだろう
元来より魔物を率いているのは優れたより強力な魔物というのが主流だ。
人間が軍の一個隊隊長を務めるなど珍しいことだろう。
実際私が知る限り、シュザントで人間の隊長を務めているのは私ぐらいだ。

「人間ではなにかご不満でも……?」
「………いいえ、些細な事ね。御免なさい、もしかして気に障った?」
「いや、珍しいというのは事実でしょう、気にしておりません」
「貴方はそうでも、後ろにいる隊員
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