6人でダークラバーズ!

異世界テミスバスタの侵略作戦を
決行するにあたって暗黒の渦を発生させた魔王。
そしてその渦より大挙として現れた魔物娘たち。
このテミスバスタに訪れた彼女たちは、世界と世界を結びつけるゲート発生の条件が一番適した地、つまるところ暗黒の渦たるゲートの真下に、魔界幹部会ダークラバーズは拠点である魔界、城を構えていた。
魔王の力をもってすればカップラーメンを作るよりも早く城一つ作り出すこと造作もないことなのだ。まおうのちからってすげー!!

そしてその城「ラバーズキャッスル」の一室、
無駄にだだっ広い玉座の間にて魔界幹部会一同は集結していた。
今現在、テミスバスタを侵略しようとする一同が
こうしてひとつの部屋に集結したその様子は
テミスバスタの民からしてみれば悪夢に等しい光景だろう…。




「えーそれじゃ、色々とグダグダなところはありはしたが
我ら魔界幹部会ダークラバーズの『決め台詞揃いました!』記念を祝して…姫、どうぞ」
「ありがとうクラティカ、それじゃぁみんな…カンパァーイ!!」
『カンパァ〜イ♪』


悪夢に等しい光景である…悪夢に等しい光景である!悪夢に等しい光景である!!!




玉座の前には簡易的なテーブルが設けられ(それでも豪華な造りだが)
一見恐ろしい風貌をした、魔物娘の中でも上級の魔物娘…そのなかから魔王直々に選びすぐれた幹部たちが、こうして祝杯を挙げていた。
テミスバスタ侵略もほったらかして。

ちなみに彼女たちが飲んでいたのは女性受け…というか魔物受けが良い魔界特産の葡萄ジュース的な飲み物である。


「たくっ、うまくいったからよかったものの…
もう少しでグダグダになるところだったよ。あんたたち!姫に恥をかかすことはこのクラティカ様が許さないよ!」
「はははっ!そうカッカされるなクラティカ殿。眉間のシワがさらに深くなるぞ?」
「はっ倒されたいかタラマ!それにあたしの眉間にもともとシワあるみたいな言い方するんじゃないよ!!あたしは今も昔もシワなんかないピチピチだよ!!」
「うむ、自分でピチピチと言ってしまうあたりもう手遅れだったか!」
「よーしわかったはっ倒されたいんだな!?そうなんだな!!」

「よさないかクラティカ、いちいちタラマの天然さに付き合っていたらそれこそ本当にシワができてしまうぞ」
「で、でも姫ぇ!」
「まぁまぁ、貴方も私の右腕ならもう少し落ち着いた立ち振る舞いをだな…」

(決め台詞失敗して大勢の人の前で泣いちゃった姫様にだけは言われたくない…)


ひとりちびちびと飲んでいたナクレラは内心ツッコむのだった。


「ほ〜っほっほっほっ!ですが姫様!
こうして私たちダークラバーズの決め台詞が揃ったからには、このテミスバスタの完全制圧も目前となったも当然ですわね!」
「ほぉソフィリア、言うじゃないか。
その通り!今まで決め台詞ひとつも失敗に失敗を重ね、練習を重ねに重ねて侵略もままならなくなっていた毎日だったが、こうして我ら魔界幹部会『五人』全員の決め台詞が揃ったからには、このような異界…制圧したも当然!そう…なぜなら我らは!」

魔界幹部会首領たるエルナンディルナが握り拳を掲げると、
ほかの幹部一同も拳を掲げた。

「我ら五人!魔界幹部会!!」
『ダークラバーズ!!』





















「待てやぁっ!!!」

バーーーーンッ!と、豪快な音とともに
玉座の間の扉が開かれ、そこには全身ボロボロの男。
魔界幹部会第六位、【狂乱】のギュラスが登場した。

「さっきから聞こえてたがどう考えてもおかしいだろ!
魔界幹部会はオレ含めて六人だろうがっ!!
しかもお前らあの後いきなり帰ったからなにしてんだと思って魔力もほとんどないのに頑張って帰ってきたと思えばなにちょっとしたパーティーやってんの!?
名乗るだけ名乗って満足したから帰るって子供かお前ら…!俺のこと助けに来てくれたんじゃないのか!?お前ら帰った後の空気どんだけ気まずかったと思うよ!?敵さんも「隊長、帰りますか…」「……そうするか」って言ってこれ以上にないほどやるせない表情で帰ってったよ!ズタボロだった俺のことも完璧に忘れて!色々とつっこみが長くなったから結論言わせてもらうがお前ら本気でこの世界征服する気あんのか!?」



「そうですわ姫様!実は祝杯のとっておきに我が家から取り寄せた秘蔵の一品がございますのよ♪」
「ほほぉ、それは楽しみだなソフィリア!」
「あんたにしちゃぁ気が利くじゃないか」



「ねぇゴメンほんっっっっと傷つくから無視しないで!!」



怒りのままに乗り込んできたギュラスであったが、
そのメンタルはすでにひび割れたガラスのハートもいいところであった。







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