魔物と教会が激しい戦争を繰り広げていた時代。
時代が進むにつれ、魔王軍には大勢の人間が
次々と共存を求め彼女たちと手を取り合いその勢力を増やし、
ついには教会軍の一部からも
そんな魔王軍に亡命する者たちまで現れる始末になるまで衰退してしまった。
しかし、そうなると必然的に教会軍に残る者も限られてくる…。
確固たる信念を持った狂信者。
訳がありどうしても教会を離れるわけにいかない被害者。
浅ましい欲望と野心を抱く愚者。
人によってソレは様々だろう…、
そう…人によっては、確固たる理由を持っているのだ。
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地方の田舎に設けられたとある教会の支部拠点。
支部という名の一つの小さな聖堂とも言える作りだ…。
巨大な女神像と長椅子などを設置された聖堂の中央ホールにて、
一人の白い修道服を纏った神父風の中年男と、
腰に緑色ののマントを羽織い赤黒い鎧を纏った若い男が何かを会話していた。
「ぬぬぬ…っ、なんということじゃ!
ついに前線拠点の連中までもが、あの生意気なゲテモノ娘どもの
手中に落ちてしまったではないか!」
「………………………………………」
その修道服を纏った男は、教会側でも高位な位に位置する神父であり、
日につれて教会側の領土に進行する魔王軍を食い止めるべく、
その国境近くであるこの田舎地方の教会拠点まで派遣された代表神父だ。
「大体お前もお前じゃ!なぜもっと前線部隊の教訓を厳密にしなかった!?
そうしておればこのような事態には……!」
「……お言葉だが代表神父、貴方が言う前線に赴いた連中は
その大半が我が教会領土からかき集めた市民兵………
貴方は教訓と言うが……、早急にかき集めたような
烏合の集ではそんなものでしょうよ、結果は見えていた…」
「くっ……!!ではなぜ!!」
「『そう進言しなかった』と? 生憎だが代表神父、俺は忠告したはずだ。
だが俺の記憶が正しければ…奇襲を恐れ、精鋭をこの聖堂支部に
俺共々あえて兵を置いておいたのはそちらの身勝手な判断のはずだが?」
「うぐ……っ!?き、貴様…!片田舎の将軍風情が生意気な…!!」
「…………この状況で俺を軍法会議にかけるおつもりで?」
怒りに顔を染める神父とは裏腹に、その男は平然な顔を向けていた。
その平然さから何かを察したのか、神父はその感情を押さえ込む。
こういったところはさすがというべきか。
「…ふんっ!今お前を失うわけにはいかん!
気に入らんが、残った兵士どもは貴様を人望としておるからな……。
情けないが…今が藁にも縋る状況なのも事実……。
ただし!この事態に収集がつけば、それ相応の厳罰は覚悟しておけ!」
「……そりゃあもう…、我等が絶対たる神の代行たる神父殿には
逆らいやしませんよ……。では兵士たちの様子を見てきますのでこれで…」
その将軍はそうとだけ述べ、その場を後にすれば、
残った神父は苛立ちを隠せない表情で、
近くの机に置かれたワインをグラスで飲み干し、
ガンッ という音を聖堂に轟かせるのであった。
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その将軍は中央ホールを後にすれば、
その足を聖堂に設けられた中庭の訓練場へと赴く。
そこでは多くの赤鎧の兵士たちが槍や剣やら斧やら弓やらの訓練に励み、
その将軍が中庭に現れれば迅速な速さで集合し整列した、
かなり訓練された猛者ぞろいである。
「……兵士の様子は?」
将軍がそう呟けば、整列した兵士たちから代表で一人が前へとである。
「はっ!心身とも異常なし、時が来ればいつでも戦えます!」
「…ふん、そうか。…お前たちにもとりあえず状況だけは伝える、
知ってる奴もいるだろうが前線拠点の連中が魔王軍の傘下に下った…
この聖堂支部にやってくるのも近いだろうな……。
さっきこいつが言ったとおり、いつでも出れるよう戦の準備をしておけ…
後訓練も怠るなよ?本営から派遣された神父殿の
機嫌を損ないたくなければな……以上だ、持ち場に戻れ……」
報告を終え、その将軍は彼らに背を向けその場を後にしようした。
「はっ!……しかし将軍、どちらに?」
「周囲の偵察だ、状況も確認しておきたいからな…」
「そ、それならば担当の者に……」
「必要ねぇよ、それともお前は上官たる俺のやり方が気に入らないか?」
「い、いえ……そういうわけでは…」
兵士の返答も聞こうとせず、その将軍はすぐにその場を後にした。
(……ふん、偉そうに…っ!)
立ち去った将軍の後姿を見ながら、その兵は内心
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