第十一章†魔物浪漫†

先日と打って変わらず快晴の日差しが窓から差すなか
私ことザーン・シトロテアは今現在廊下を歩きながら、
昨晩の………サキサと交わったことを思い出していた…。



(リゼッタに悪いことをしてしまったな……)



思い出すと同時に悩んでしまう……、
いかんなぁ…ただでさえ日ごろ軍略などで悩んでいるのに
こうも悩みすぎるといつか禿げてしまうぞ私……。
私は複数の悩みを心配をしながら頭……というよりも髪の毛を手で擦った。
そうしているうちに私は、現在リゼッタが一時的な自室としている
キャスリン将軍の拠点にある来客用の部屋までやってきた。

「………………………」

……うーむ…扉とは、開けるのにこんなプレッシャーあったか…?

「……………すぅーっ……よし……」

深呼吸をし、私は意を決してドアノブに手をかけようとした………がっ。


「隊長…?」【ガチャッ】
【ドガッ】「ドアッ!?」


絶妙なタイミングで向こうから扉が開き、
私の顔面に攻撃を仕掛けてきた。

「た、たっ、隊長ぉぅ!?だ、大丈夫ですかぁっ!?」
「…………………問題ない…」(おぉ痛っ……)

衝撃を得に強く受けた鼻をおさえ、
なぜか天罰でも受けたような気分になった……。



「す、すみませんっ!部屋の前から隊長の匂いがしたので、それでつい…」
「いや、お前が謝る必要はない。部屋の前で呆然と立っていた私が悪い」
「でもぉ……」

リゼッタが犬耳を垂らして申し訳なさそうな顔をしている。

「…ほらっ、そんな悲しそうな顔をするな。
耳もだ、お前は表情が同時に耳でもあらわれるな……」

私はその犬耳をつま先で掴み取り、出来る限り優しく上にあげた。

「キャンッ!?もぉ…隊長ぉ…、耳は敏感なんですからぁ…♪」

口ではこう言っているが、私に耳を触られて嬉しいのだろう。
尻尾をかわいらしくパタパタさせているのがそれを物語る。
心和むものだな、うん。耳から手を離し、私はリゼッタの頭を撫でてやった。

「わっ…!?わっ…!?隊長、そんな…こんな廊下でぇ……///」
「今は私たち以外都合よく廊下には誰もおらん、
いつぞやに寝ぼけていた私の目元を弄ってくれたお返しだ」
「そんなぁ……私はただみんなに隊長がだらしないとか思われたくなくて…」
「『嬉しかった』という意味でのお返しだ……」
「………クゥンッ/// そっ、それはそうと隊長、私に何か御用ですか?」
「おっと、そうだった。キャスリン将軍より収集がかかった」
「将軍さまから……ですか?」

「そうだ、『森』での一件でな。それぞれの情報を集め
これからのマスカーへの対策会議といったところだ
無理もない、あのマスカー・グレンツが突然戦場に姿を見せたのだからな」

「マスカー・グレンツの登場は、
これからの戦いのさらなる活発化を意味するっていうことですか…?」


「まだそうと決まったわけではない、しかし……もしまた近いうちに
奴が戦場に姿を現し………尚且つそれが続くようであれば……だな。
元々、奴は無碍にできるような存在でもない……
そのうえ、お前たちが戦ったダヴァドフなどという男の率いる
まやかし兵たる特殊部隊の存在も明らかとなった以上、
それら全てを含む情報を総合し纏め上げる必要があるのだろう……、
だからこそ、あの戦闘に参加した隊長格は出席しろとのことだ、
お前も私の補佐役として出席しろリゼッタ、いいな?」



「はっ、了解しました!
……………でも隊長、ひとついいですか?」
「……?なんだ……【グイッ】 お、おい!?…………んッ…」



突然腕を引っ張られ、部屋の中に入ったと思った瞬間だった、
リゼッタが素早く扉を閉めて、私に唇を重ねてきた……。
そのうえ舌を絡ましたディープなモノではあったが
意外にもリゼッタのほうからゆっくりと唇を離してきた。


「おはようございますザーン隊長……♪」

「……………ああ…」


控えるように注意しようとも一瞬思ったが…
唇を離されたあとに…こんな表情で言われると…な、
そんな気もどこぞへと失せてしまった。
私は今一度、少しの間リゼッタの頭を撫でてやると、
嬉しそうに尻尾を振る彼女とともにその場を後にした。













二人で廊下を歩く足を一旦止めて、
私は懐中時計を取り出し時間を確認した。

「会議までしばらく時間がある、
その間にある程度、我々で情報を整理しておこう」
「了解しました、第四部隊のみんなから情報を集めるんですか?」
「………いや、そこまでの時間はないだろう。
今日は自由時間を与えている分、みんなが今どこかにいるのかもわからんよ、
探している間に時間切れだ………、最低限だけでいい…一人だけ探すぞ」
「だれなんですか?」



「………サキサだ…」




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