第1話 迷子です!遅刻です!ごめんなさい。

ここは親魔物派の海洋都市サラセニア。

ジパングから船に揺られてサラセニアに降りた私‐稲荷のエストゥペンドは初めてのこの街で花屋のコンパーニュで住み込みで働くことになりオーナーのエイミアブルさんから私の実家に送られてきた地図を片手にコンパーニュを探して‥探して‥探して‥迷いました…。

地図通りに歩いてるのに‥気がついたら‥地図とは違う所‥ここはどこなの?コンパーニュに行くにはどうしたらいいの?もぅ2時間くらい迷っています。初日から完全に遅刻なのです‥。ダメダメです‥。ごめんなさいエイミアブルさん…。

紅茶の香りに誘われて‥違います!喫茶店に入ってコンパーニュの場所を聞くために‥紅茶を飲むのです!でも喉も渇いています。
喫茶店に入ってカウンター席に座り紅茶を頼んでから男の店員さんにコンパーニュの場所を聞きました。道を紙に書いて説明してくれたのに‥分かりません。簡単に分かったら道には迷いません!店員さんは迷子の気持ちが分かっていません!
「なんで迷子に自信を持って言い切るかな‥?」
「私だって好きで迷ったのではありません!これは私に備わっている特殊能力なのです!いらない能力なのです!私もできれば誰かに引き取ってほしい能力なのです!」
店員さんは大きく溜め息をつくとお店の電話から誰かと話し始めました。
「今コンパーニュに電話して店に置く観葉植物を店長に持ってきてもらうように頼んだ。だからお前はそのままコンパーニュの店長ついて行けばいい。」
すごい親切な店員さんなのです!感激したのです!お礼にケーキを頼みました。私が食べたかった訳じゃないよ?


エイミアブルさんが来るのを待っている間にケーキを3個食べちゃったけど‥全部お礼の気持ち…デスヨ。けして食欲を満たそうとして……ごめんなさい。誘惑に負けました‥。でも我慢はよくないのです!心にも体にも!


観葉植物を持ったダークプリーストが来て‥店員さんと話して…私の方を向いて‥「えっと…エストゥペンドちゃんね?
エストちゃんで決まりね♪私はエイミアブルでこれからはエイミと呼んでね♪私と電話越しで話した事は覚えている?」
「は‥はい!」
私はこの人‥エイミさんの声を電話越しで聞いたのを覚えているのです。
「クリミナごめんね。エストちゃんがお世話になって‥今度サービスしますね。」そう言って喫茶店を出たエイミさんについて行って外を歩いたのです。「初めての街なら誰でも迷子になるから気にしないでねエストちゃん♪それにしても電話越しで聞いた通りの甘ったるい声でいいわ。その声が地声なの?」
私はこの声があまり好きじゃない事をエイミさんに伝えました‥。
「あら‥もったいない。私はエストちゃんのその声も採用に至った1つの要素よ。きっといいコンパーニュの看板娘になるわ。‥と言うよりなりなさい。」最後のは本音ですよね‥声の質が変わっていましたよ。
「そぉね…明後日はお店が定休日だから何かと物要りでしょ?だから私がサラセニアを案内してあげる。そのかわりちゃんと道は覚えてね!」
すごい嬉しい提案なのです。私は即答で「お願いします。」って返したのです。
それから少し間を置いてからさっきの喫茶店の店員さんの事を聞いたのです。「エイミさんは喫茶店の店員さんと知り合いなんですか?‥その親しげに名前を呼んでいたので…」「ええ。クリミナとは初体験を捧げ合った仲ね。」周りの人にはエイミさんの声がよく聞こえたみたいですごく視線を感じます‥。「それ以来とはセフレに近い関係ね。エストちゃんもたまに男の人を襲いたくなる感覚があるでしょ?それとも自分から股を開いておねだりする方?‥まぁそれはどっちでもいいんだけど‥でもエストちゃんの声でおねだりされて私が男だったら襲ってるわ。ちょっと話がずれたみたいね。」話をずらしたのはエイミさん自身って思うのです‥。「私にとってそれを解消してくれるのがクリミナよ。エストちゃんも今度一緒に混ざって3人でする?クリミナは激しく責められる方が好みなのよ。それとも責めるのは苦手?」
あ‥あのエイミさん?なんでその話を普通に‥それも人通りの多い所でできるのですか?私は丁寧にエイミさんの提案を断ったのです。「サービスと言ってもお店の商品は簡単に値引きは出来ないから次回は少しあえぎ声を足そうかしら?そうすれば彼も満足よね。」
ごめんなさい‥。聞いた私が悪かったのです。
それ以来の会話が途絶えてしまって‥それに周りの人達には変な目で見られますし‥恥ずかしかったのです…きっと顔も赤かったよね‥。

「着いたわ。ここがコンパーニュよ。まずはもう1人いる従業員のフィリアちゃんを呼んで来るから待っててね。」
エイミさんはお店に入って行きました。私はお店の入り口の花壇に咲き誇っている真っ赤なバラを見ていたらエイミさんの声がし
[3]次へ
ページ移動[1 2 3 4]
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33