2-1話 オフの日の出来事

カストルが屋敷に住むようになってから数日が経ち、とある日の朝食の後……
屋敷の台所でグラースは皿を拭き、リエータはその様子を見ていた。

「なぁ‥グラース。ウェールを見なかったか?」
「ウェルちゃん?ご飯を食べていた時はいたわよねぇ?」
グラースは食器を拭きながらリエータと話を続けた。
「ああ。今日はウェールとアタイが休みだから、街の方に行って買い物でもしようと思っていたんだが‥」
「部屋にはいないのぉ?」
「ああ。居ない」
「1人で買い物に行っちゃったとかぁ?」
「1人でか‥それは考えていなかったな」
グラースは台所から出ていこうとするリエータを呼び止めた。
「リエタちゃん。街の方にお買い物に行くならぁ……お野菜が少ないから買ってきてくれる?」
「ああ。分かった。で何を買ってきたらいい?」
「メモを書くからちょっとまっててねぇ…」


必要な野菜を書いたメモをリエータに渡し、リエータが屋敷を出ていくとグラースは1人で黙々と食器を片付けながら…朝食の時にお嬢様は何も言ってなかったから‥カストルさんのお部屋に行こうかしら?等々考えていた。

食器を片付け終わると、鼻唄混じりでカストルの部屋へと向かった。

「カストルさん。お部屋に入っていいかしらぁ?」
ノックをして声を掛けてからドアを開けると1匹の猫が部屋から出ていって廊下を走っていった。
「猫?カストルさん猫を飼っているのぉ?」
「やけに人に慣れた猫だったから、屋敷の猫って思ってたけど‥グラースに心当たりがないって事は‥?」
「お嬢様も飼ってないしぃ‥リエタちゃんやウェルちゃんも飼ってないからぁ……迷い猫なのかしらねぇ?」
グラース猫の事を特に気に止めずに、改めてカストルを見て……衣服を持っていた事に気付いた。
「身体を洗いに行くならぁ‥お背中を流しますよぉ」
「いや、自分で出来るからいいよ」
「いぇいぇ…私たちは、お嬢様とカストルさんに快適に過ごしてもらうためにいるのですからぁ」

そして‥長い問答を重ねて……カストルはグラースの熱意(?)に折れる形で負けて、同伴して入浴場(外にある広い湖)へと向かった。



「カストルさん。背中を洗いますよぉ」
「背中に柔らかい感触があるのですが‥」
「はい。胸を押し付けて洗っていますからぁ」
………。胸で洗っている。これを聞いて自然と前傾姿勢に変わっていった。


「背中は洗いましたからぁ。前も洗いますねぇ」
「前は自分で出来る!だから!!」
カストルの言うことを聞かず、グラースは前に立ち……ここで初めてグラースが服を着ていない事に気がついた。
「カストルさん。背中を丸めていると身体が洗いにくいですよぉ」
「自分で‥洗え…ますから」
カストルは弱々しい声をあげながらも、グラースを正視して話すことが出来ずにいた。そして諦めて、腿で直立した物を強引に挟むと、曲げた背中を戻していった。


「体の次は……」
グラースは立ち上がり頭を洗っていき、カストルは視線を上にすれば胸が、下にすれば体毛に覆われているとはいえ‥女としての部分が見えてしまい、切れる寸前の理性で押し倒してしまいたい衝動を必死に抑えつけていた。


「次は…ここですねぇ」
カストルの股の方へと手を伸ばし……カストルは避けようと身体を反らした途端にバランスを崩してイスから倒れた。

「いたたたた……」
「ご、ごめんなさい」
カストルへと手を差し出すも視線は完全に直立した物を見ていた。
「このまま洗いますねぇ‥」
今のこの体勢に羞恥を覚えるよりも先に、グラースによって手で洗われている事が気持ちよくなり………程なくして、精を手に放ってしまった。

「これが‥カストルさんの精‥」
顔は紅潮し、恍惚な目で自身の手を見つめるグラース。その表情にカストルの理性が切れ………


カストルの部屋にいた猫は茂みに隠れて、今までの出来事の全てを見て……2人に気づかれないようにその場から離れた。





場所は変わり街の中。


「リエータさん。そんなにたくさんの荷物を持ってどうしたのですか?少し持ちますよ」
「ウェールか‥すまない。グラースが野菜を買って欲しいと言うから買ってきたのだが‥買いすぎてしまったようだ」
グラース‥。その名前を聞いてウェールの表情は曇ったがリエータは全く気付かなかった。
「ウェールと一緒に買い物に行こうと、屋敷を探したのだが‥やはり街にいたんだな」
「あ、あの‥ごめんなさい。リエータさんがせっかく……」
「いや‥責めている気はない。都合なんて誰にもあるからな。」
「私と一緒に何を買いにいく気だったんですか?」
「下着だ。グラース‥いや、自分より明らかに大きい人と一緒に買いに行くと……なんと言うか‥負けた気になるからな」
「それって遠回しに私が小さいって言ってますよね…」

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