「目を覚ましたまえ」
「ああ?もう朝か…本当に朝かどうかもここじゃわからんな…」
一人の男性が目を覚ます。
一人の女性が男を起こす。
なんて事はない用に見えるかもしれないがその起こした女は…
「目覚めの紅茶でも淹れてくるよ」
「イヤ!お前の紅茶は止めてくれ!媚薬入りはもう懲り懲りだ!」
「何でだい?美味しいのに…」
「聞いてたかなー、媚薬入りはもう懲り懲りだ!っていったよね?」
「流石の僕も朝から媚薬なんて入れないよ?」
「本当か?」
「精力剤のようなものは入れるが」
「はいアウトー、マッドハッターはこんなやつばっかか…」
「愛してるんだろ?」
「たった一日で進展しすぎな気もするけどな…」
その女性はマッドハッターである。
先ずは男が何故マッドハッターのいるところにいるか?
この不思議の国に来て彼女と何があったのか?
時を遡り見てみよう。
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「あー、何でこんなとこに来なくちゃならんのだ…俺が一体何をした…」
一人の男が意気消沈としていた。
理由は簡単。
盗賊に襲われ、魔物娘に襲われ、普通の野生の動物に襲われetc...
とにかく追いかけ回され変なとこまで来ていた。
「自分に運がないことぐらいわかってたよ?でもこの様々なものにひどい目に逢わされたのは久しぶりだよ?」
どうやらこの男はつくづく運がないようだ。
一度あることに驚きである。
「とにかく家に戻らねえとなあ…ああ?」
辺り一体が一瞬にして変わる。
「…なにこれ?」
変なところに来たと言うより変な空間にいた。
「…良くわからんが自分のいた場所じゃないところに移動でもさせられたか?はあー、なるほどなあ、なら変なところに振り返っただけで移動させられのも納得いく。ふむふむ」
状況把握能力が高すぎる男である。
だが強ち間違っていないのがなんとも言えない。
「普通のやつなら慌てるんだろうな…運のない人生の中で超展開になれちまったなあ…」
悲しくなってくる発言である…
「とにかく魔物達もいるからも知れないし…否、いるね。俺の不運センサーがビンビンだ。もしかしたら前に本で読んだ異空間?とか言われる魔物娘が沢山いるところかもしれないしな。気を引き締めていくかな」
沢山の本を読んでいるようでこの男はかなりのどうやら博識のようだ。
「生きるために勉強した甲斐がある、うんうん」
…可哀想だ。誰かに救われることを願おう。
なんだここ魔物娘ばっかじゃん!
襲いかかってこないだけましか、目は怖いけど…ギラついてて…
でもどっかで聞いた魔物娘の特徴に似てるんだよなあ、あいつら…あ!
ここにいるの前アリスを連れた旅人が言ってた不思議の国とやらじゃないか?
特徴も合致するし。
だとしたら案内人のチェシャ猫が付くんじゃないの?
もしかして…認識されてない?運がないなんてもんじゃないよ…
「ここは?」
うろうろ歩いていたらなんか目の前に家があった。
「誰かいるのかい?」
女性か家の外の男に気付き出てきたようだ。
「あ…ああ、すまないここがどこなのか迷っていてね」
「もしかして迷い混んだのかな?」
「そのようで。ここはどこなのでしょうか?」
「君がいってるのはこの場所ではなくこの空間のことだろうね、ここは不思議の国と言われるところだよ」
「やっぱりか…」
「知ってるのかい?」
「アリスの種族を連れた旅人から聞いてたからね全部と言うわけではないけど」
「そうなのかい、泊まるところは?…ないよね泊まっていくかい?」
「いや……そうさせてもらおうかな(この魔物からは嫌な予感はしない、俺は自分の勘を信じる)」
「そうかい?それじゃお客さんには飲み物を出そう、すまないが紅茶しかないんだ。いいかな?」
「ああ、別に構わないよ」
「名前はなんと言うんだい?何時までも君じゃ悪いだろ?僕の名前はアサナ」
「アサナか…珍しい名前だな」
「変わり者の母がつけた名だからね。結構気に入ってる」
「俺はカヤ」
「女みたいな名前だね…」
「親は何故か女しか生まれると考えてなかったみたいでね。お陰で男なのに女みたいな名前になったんだよ。運がない」
「そうなのか…そこで待っていてくれ直ぐ持ってくるよ」
「恩に着る」
紅茶は美味しかった、だが…
おかしい、今さっき紅茶を飲んでから体が…熱い…
「なあ、紅茶になにか変なのは入れてないよね?」
「うん?ああ、いれてないはず…あ」
「どうしたんだ」
「つい流れるように媚薬を入れてしまっていた」
「おいいいいいいい!なんて物を入れて…ぐっ」
「大丈夫かい?」
「大丈夫なら前屈みにならない…」
「僕がその欲求「何を考えてやがる?」途中で邪魔をしないでくれるかな…
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