「教団ねえ…」
俺は橘 輝。
異世界の人間だ。
異世界っていうのは俺はこの世界の人間ではないからだ。
それでコイツらが言うにはこの世界には魔物がいるらしい…
そいつを倒すために召喚されたみたいだ。
傍迷惑と言うか身勝手と言うか…
召喚された人の都合などを考えているのか?
「あなたには今日から魔物を倒すためにこの教団の下頑張ってもらう」
「嫌だ」
「何故だ?」
「勝手に人を召喚した上に命令ですか?ふざけてんのか?」
「あなたは神に選ばれたんですよ?」
「その神様とやら連れてこい、ぶん殴ってやる」
「なんと身の程知らずな…」
「何が身の程知らず?こっちはな幸せで争いもなくて平和な世界にいたんだ。その平和な生活ぶっ壊された上に二度と自分の生活に戻ることは叶わない?お前らは俺の世界の人間をなんだと思ってやがる」
「神の前ではそのようなことは意味をなさない。あなたは神の名の下この教団のために…」
「嫌だね、第一俺の世界じゃ殺しあうことなんてないし…何よりそれを許しては行けない世界だったからな。俺に至っては動物を殺したことさえないのにどうやって戦えと言うんだ」
「そのようなものはこの教団の下訓練をすれば…」
「それ以外にも魔物の姿を知らないから見せてみろ。それと偽者を見せたり嘘を言ってみろ。ぶっ飛ばすぞ?戦場で大事なことは情報だ。少しでも違うとまともに戦うこともできなくなる、それが理由で戦況が一気に劣勢になることもあるんだ。それがわかったらちゃんとしたもの見せろ」
「詳しいですね…戦いに置いてのことが…」
「いくら平和でも昔もそうだった訳じゃない。昔のやつらの知恵だ。それが今になってもあるだけ、わかったら全部話せ。それから判断する」
「いいでしょう…」
それから教団の者は魔物について説明を始めてた。
「戦う理由なくね?相手に敵意がないのに戦うとか理解できない」
「魔物はそこにいるだけで害なのですよ!?」
「見た目が女の姿をしている…やりずれぇ…」
「そんなものは飾りです!」
「偉い人にはわからねえってか?そんな簡単に割り切れるほど自分の世界の常識は切れねえよ」
「それは神と人の敵で…」
「俺の世界の人間だったら友好的になるんだろうな…」
「なっ!?」
「俺の世界じゃ敵意を抱かないやつに武器を向けるほど馬鹿じゃない。確かに争うかもしれないが最終的には和解するんじゃないか?」
「これは穢れし魔物です!」
「俺の世界にも一応神みたいなものをいると思って崇めてるやつもいるし魔物をそう見るやつもいる。だかな面白いことにな…」
「何が面白いのですか…!」
「俺の世界の人は自分達の姿に近いものや知能をもったものを殺すことに戸惑うのさ」
「そんな…」
「そこら辺の家畜でさえそうだからな…全ての生き物には命があり、平等って考えてるし。俺もそうだし」
「平等…」
「お前驚きすぎだな…俺以外に召喚したやついないのかよ」
「この教団の中ではあなたが初めてです」
「そうか…そうそう、邪神を崇める宗教も少なからずいたな確か」
「なぜ邪神なんか!」
「大勢が崇めてる神様がなにもしてくれない役立たずだからじゃないの?」
「」
教団の者は言葉も話せなくなっていた。
「現に俺の世界に勇者なんていないし、お前らが今の魔物は淫らで穢れてるったって人間も負けず劣らずで穢れてるのにさあ。違いがわからない」
「神の子である我々が穢れてるわけがない!」
「子をなすための行為だろ?それを穢れてるって、それがあって俺ら産まれてきたんだろ、それを…」
「もういい…」
「あ?」
「この者を牢屋に叩き込んでしまえ!」
「なっ!?テメェ!」
「どうやらあなたとはわかり会えないようだ、仕方ない。あなたのようなものを野放しにしておくわけにはいかない」
「お前らが勝手に召喚した上に…くっ!」
「連れていけ!」
「自分にとって都合が悪くなるとこうか!」
輝は牢屋に閉じ込められてしまっていた。
(あの野郎、クソッ!どうやって逃げ足す?上には一応光があるけど…)
そのところを見る、一応穴はあり通れそうだが…
(高過ぎる…例え登れても降りるときが…どうする…)
輝は万事休すとなっていた。
逃げるにしてもどうしようもない。
輝は何であのとき教団のやつとぶつかったか、後悔していた。
味方の振りをして逃げ出すことも出来ただろうが…
(考えてても仕方ないか…チャンスを窺うとしますか…どうしても間違ってると思うと口を出しちまうんだよなぁ)
そのチャンスは意外と早く来ることとなる。
「牢屋を変えるから出ろ」
「何で牢屋を変えるんだよ」
「こことは違ったところを使う、それだけのことに理由がいるか?」
「そりゃそうだ」
輝は教団の者に連れられて移動をしていた。
その時、あの男がやって来た。
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