「まさか、本当に捕まらせるなんて・・」
反魔物勢のある城塞、その地下牢。
その檻の奥にライザ、手前にはリンとユーリアがいる。
「一応食料は一月分あるけどな・・節制しとけよ」
軽く言い放つリン。
「それじゃユーリア、帰りも頼むわ」
「まったく・・人使いが荒いのう?」
ぶうとむくれるユーリア。
というのも、この城塞に侵入する為に
随分と手を借りているからだ。
「・・サバトに入りたい娘三人でどうだ?」
「ちょ、お主、人身売買も始めたのか!?」
涼しい顔でさらりと言い放つリンと、
まさかの代金が入信者というところに
喜びと驚きを隠せないユーリア。
「お主・・、畜生道にまで足を踏み入れたか・・」
やや軽蔑するユーリアに、リンは軽く返す。
「おいおい、俺の店は無い商品は無いのが売りだぞ。
金さえ積めばクレムリン宮殿だって引っ張ってきてみせるぜ?」
「何じゃ、そのクレムリンとは・・?」
城塞の外に出た二人は、転送魔方陣を組む。
「物は言いようでな。サバトに興味を持った街娘や
行くあての無い娘からの依頼って奴だよ。
どこのサバトに紹介してもいいんだが──」
「そういう事なら大歓迎じゃ!
他のサバトに教えるで無いぞ?」
まったく、現金なもんだ。
行商のライザが宿屋で火事に遭った──
その噂はあっという間に商人達の耳に入り、
それから各地の人々の噂の種になる。
「あの娘が炎にまかれたなんて──」
「敵を作るような商売はしていないと思ったんだがねぇ──」
「ライザの持ってくる商品は売れ線ばかりだったんだけどなぁ・・」
概ね、リンにとって予想通りの展開になってきた。
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