メリーさんの〜

 トゥルルル。トゥルルル。
 ある夜に知らない、登録してない番号から電話がかかってくる。
「はい。どちら様でしょうか」
「もしもし、私メリーさん「の羊〜羊〜」メリーさんの羊かわいいね・・・・・・ってなに歌わせるんですか〜」
「で、なに?メリーさんさん?普通自分の名前呼ぶのに、さんづけはしないよな?」
「あ・・・。私メリー。今のあなたの町の駅にいるの。今から」
「・・・どっちだよ?」
「え?」
「この町は元々あったKと、中学生の時にはあった小学か中1の時にできたKの二つあるからな」
「えっと。町名のほうです」
「そうか。次はスマホの方にかけてくれ」
そう言って男性はスマホと財布を持って出掛けていった。

「もしもし、私メリー。今Kの横を曲がったの」
「横はKの駐車場のはずだが。まあ、言いたいことはわかるけど。で、きちんと西に曲がったよな。間違えて東に曲がってないよな」
「それはありません」
「そうか。それはよかった」

「もしもし、私メリー。今小学校の前を通ったの」
「昔のように一校に戻ったからな。プールもできたし、校舎も新しいの建てられたし」
「?どういうことですか?」
「ああ、メリーは知らないのか。かなり前だけど小学校は二校あったんだよ。私が父さんの転勤でH県H市に行く前からあったからな。それに昔K小と中学の水泳の授業は町営プールでやってたからな今中学はどうなってるか知らんが」
「そうだったんですね。あ、今H旅館の前を通りました」
「了解」

「もしもし、私メリー。今墓場の横を通っているの。ゴースト出そうでちょっと怖い」
「魔物娘が同じようなの怖がってどうする」
「同属のリビングドールじゃないもん。市松人形なら同族だから怖くないけど」
「言ってる間に通ったよな」
「あ」

「もしもし、私メリー。今一番近い十字路にいるの」
「おう。間違って本家に行くなよ」

「もしもし、私メリー。今門の前にいるの」
「不法侵入するなよ。いくら門を開ける必要なく玄関の前行けるからって、敷地内に入ったら不法侵入だぞ」
「無茶苦茶言わないでください」

「もしもし、私メリー。今玄関の前にいるの」
「ピッキングするなよ。今。私いないから」
「え、私家に行くって言ったよね?」
「いや、私が駅のこと言って、『〜今から』ってとこで途切れたから、言ってないよ」
「今どこにいます。そこに行きます」
「今家に帰るとこ。入れ違いになるといけないから待ってろ」

「おい、メリー。起きろ」
「あ。おはよう」
「おはようじゃねーよ。夏とはいえ風邪ひくぞ。あ、いや、妖怪は基本妖力で病気にならないんだっけ。ウィルスの保持者になっても」
「・・・!」
 慌てて脱兎のごとく走り去るメリー。
「悲鳴を上げなくてよかったけど・・・逃げることないだろうに」

「はぁ、はぁ。もしもし、私メリー。今玄関の前にいるの」
「お帰りっていうかいらっしゃい。鍵開いてるから入ったら閉めて」
 
「もしもし、私メリー。今リビングにいるの」
「鍵閉めた?」
「うん」
「ありがとう」

「もしもし、私メリー。今階段を上がってるの」
「わかったからさっさと来いよ」

「もしもし、私メリー。今あなたの部屋の前にいるの」
「鍵ないから。扉きちんと閉めてね」

 部屋に入り扉を静かに閉めたメリーは改めて部屋を見る。男性は片膝を立てた状態で壁を背にして座り目の前にから揚げなどを載せた皿を置いてそばに紙コップと大型のペットボトルを置き体面に柔らかそうなクッションを置いてる。
「『『もしもし、私メリー。今あなたの後ろににいるの』と言うつもりだったのにこの状態だと。もしもし、私メリー。今あなたの目の前にいるの。って言うしかないじゃない』」
「いや、この状況でわざわざ電話使う必要ないだろ。さ、座れよ。メリーには紅茶のほうが合うと思って買ってきたけど飲み食いできたかな?」
「あ、もしかしてそのためにわざわざ買いに行ったんですか?」
「いや、ついでで買っただけだよ」
「でも、それだったらわざわざ紅茶買う必要ありませんよね」
「まあ、電話の後買うことしたしな」
「ありがとうございます。紅茶だけいただきます」
「私を殺すんじゃないのか?」
「後ろを取れないと少し無理かと・・・」
 となごやかに話した。
 そうして話し終えて
「じゃあ、帰りますね」
「ああ、気よつけてな」
 と、立ち上がった時メリーは一瞬硬直し直後頬を赤らめ息があがる。
「大丈夫か?」
 心配そうに聞いてくる男性をベッドに押し倒し、電話を取り出して
「『もしもし、私メリー。今あなたとキスをしたいの』」
 と言うと同時に抱きついて深いキスをする。そうして魔界銀のハサミを呼び寄せ
「『もしもし、私メリー。今あなたの服を脱がせたいの』」
 と服を切り捨て、自らも服を脱ぎ
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